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今日(8月16日)の米国市場 

今日は、一言で言えばすごい動きをした一日でした。 Countrywideのニュース(以下に書きます。)を切っ掛けに、市場は下落を開始し、一時期はDOWは300ポイントを越える大幅なマイナスで、各インデックスとも、前日比2.5%以上の下落幅でした。そこから、上昇を続け、終了時は前日とあまり変わらないで終了しました。16-Aug.png

本日の主なニュースとしては、なんと言ってもCountrywideのニュースです。Liquidityの問題から、通常の資金調達が困難となり、全てのクレジットファシリティを使って、$11.5B(1ドル112円換算で、約1兆2900億円)の資金を調達したとの発表を行いました。これによって、クレジット不安の問題がかなりの状況にきていること、また、昨日のニュースで触れた、Countrywideが破産する可能性もある、とのアナリストのコメントを裏付ける様な形になったため、市場の不安は急速に高まり、市場全体が全面安となりました。このニュースに関して、参考までに以下の記事をリンクします。

Countrywide taps $11.5 bln credit, shares fall 11 pct

踏み上げ太郎さんがこの件に関して、非常に判り易い例えで説明されています。

踏み上げ太郎さんのこの後のブログのエントリーでも書かれていますが、今日の日中は、猛烈な勢いで下がっていきました。その後の戻りもすごかったですが。。。

今日の午後の物凄い値戻しを引っ張ったのが、ファイナンスセクターです、殆どの企業の株は本日、結果的にはかなり上がっています。これは、FEDがなんとかしてくれる、との期待や、ここの所かなり下がっていたのでそこからの調整、Shortポジションの解消等、があった等が要因として考えられます。尚、住宅セクターも、結果としては、殆どの会社の株は上がっています。

個人的には、FEDは救済の形での基準金利の値下げをすることは、よほどのことがない限りしないと思います。踏み上げ太郎さんも、「焦点はカントリーワイドがどうなるか?ではなくて、FEDのアクションです。」とおっしゃっていますが、私もそう思います。

実際にCountrywideが倒産する様なことになれば、市場の混乱は今日の例を見ても明らかですが、相当な反応が考えられます。その様な事態を避けるべく、FEDが救済なり何らかのアクションをとる可能性はあると思います。ただ、私は、 “市場が混乱して、上下に激しく変動している”、今のような状況で、救済的な趣旨での安易な利下げはFEDはとらないと思います。

FEDはLiquidityの問題に関しては、先週からかなりアグレッシブにアクションをとっています。Countrywideやヘッジファンドの問題は、CDO等の新規の買い手がつかず、資金繰りが悪化していることだと、思います。これは、信用の問題であって、利下げで少なくとも短期的には解決できる問題ではないと思います。

また、上記とは別の話で話ですが、Quantitative Hedge Fundの今後の状況が気になっています。ゴールドマン・サックスのヘッジファンドが先週、大幅に損失を出した問題が今週明らかになりました。今週の市場の動きもここ数週間の状況と似ており、上下に激しく動いています。確証はありませんが、ゴールドマン等のQuantitative Hedge Fundは、今週も損失が膨らんでいる可能性が高いと思っています。短期にコンピュータのアルゴリズムを変更することは、考えづらいので、今週も、大きな損失を被った可能性は少なからずあると思います。もしそうだとすると、それが明らかになった場合、さらなる混乱の可能性あると思います。尚、このQuantiファンドの問題の影響を、日本市場もかなり受けているようです。

また、通常、9月末に返金される、ヘッジファンドの解約の申し込みの期限が8月15日とのことなので、解約等によるポジションの解消等がどの程度あるのか、分かりませんが、それも、今後の下落要因としてあると思います。私がゴールドマンのGEOに投資していたら、今の様な、市場の状況では解約したくなると思います。

ヘッジファンドは、資金調達・パフォーマンス・投資家の解約のプレッシャー等、問題が高まっており、かなり困難な状況になっていると思います。既に、明らかになったBear Stearns, Goldmanのファンドの問題からさらに大きな問題へと広がりを見せそうな気がします。

個人的には、現在明らかになっているサブプライムやそれを利用したCDO・Structured Financeの行き詰まり、と今回のGoldman等のHedge Fundの損失の拡大の問題に加え(Bear Stearns, Goldmanだけではすまないと思います)、新たに為替に関連した問題が発生してくるのではと想像しています。

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この記事へのコメント

詳しい解説ありがとうございますm(_ _)m。
日本にいる限り、こういった情報を目にするのがないので有難いです。日本ではモーニングサテライトでやるくらいでしょうか。

昨晩は個別株式からETFのスイッチをおこなっていたため、-300ドルから戻しそうになるまでを見ていました(^^;。
すごい動きでしたね。3種のETFを購入しまし、EEMも買ったのですがあれのボラティリティもすごいものがありますねー。

個別株式を買う事で配当額の積み上げを狙っていましたが、日本にいる限り大企業であれ情報が難しいためETFにスイッチした次第です。配当はあるのですが、かなりパフォーマンスが悪かったもので。。。

bowlerさん、

コメントありがとうございます。そう言っていただけると、非常に励みになります。

ご存知の通り、本日、金曜日は大幅な上昇になりました。FEDの予想外の発表(ディスカウント・レートの引き下げ)が大きな要因と思いますが、まだまだ、波乱がありそうです。(自分の予想と異なる展開になってしまいまいつつありますが。。。)

個別株ではなく、ETFに切り替えたとのことですが、こういった状況だと、個別株はあたりはずれが、インデックス以上に大きくなるので、懸命な措置だと思います。

おはようございます。

今朝、たまたま流れ着きました。米国在住の方にしか分らない空気も垣間見えて個人投資家にはありがたいブログですね。

先週のGSが蒙った損失が明らかになるのは、7~9月期の発表がある10月1週目あたりでしょうか、それまでは疑心暗鬼の相場展開になるのでしょうね。下手な予断は持たないほうが良さそうです。

まむしさん、

コメントありがとうございます。ヘッジファンドの解約は簡単にはできないようになっており、通常、9月末に返金のものに関しては、8月15日が期限(長いものは90日前までに手続きする必要がある)なので、おっしゃる様に、10月の頭ごろにどの位解約があって、どの程度のパフォーマンスだったのかは、はっきりするのではと、思います。恐らく、今四半期(第三四半期)のパフォーマンスは良くないところが多いと思うので、状況によっては第4四半期ごろにヘッジファンドの解約の続出、状況の悪化が明らかになってくる可能性があります。逆に、9月ごろから市場が戻れば、今年いっぱいは乗り切れる可能性もあると思いますが。。。

いづれにせよ、だれも将来のことを見通せるわけではないので、おっしゃるように、下手に予想して、動くよりは、冷静に状況を観測しながら、状況に応じて適時対応していくことが良いのではと思います。

ちなみに、わたしはかなり保守的(悲観的)に物事をみる傾向があるので、私の見方が米国にいる人の見方とは、一般的に、言えないと思います。また、バブルを体験した日本人としては、どうしても現在の加熱している米国、その

他の国の経済動向に関して、懸念をいだいてしまう傾向があります。つい最近まで、私の周りのアメリカ人の間で、近い将来、株式市場が大幅な調整、暴落になるとみている人はいませんでした。(私がその可能性があるといっても、だれも同意しませんでした。)

最近のメディア、特にFTやWSJを読んでいる人であれば、もう楽観的に考えている人は、少なくなってきていると思います。どうしても、メディアの論調の影響をうける部分もあるので、情報を自分なりに分析、判断し、解釈するかは非常に重要だと思います。

状況も人それぞれとは、思いますが、私は、そう思います。

今後ともよろしくお願いします。

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