(これは、Wall Street Journalの記事の邦訳です。昨日、一昨日のエントリーの続きです)
オマハ生まれ、オマハ育ちのバフェット氏は、 価格が低く、潜在価値の高い株を買うことを説いた“value”投資家の本家Benjamin Grahamの指導の下で、投資を学びました。彼は、1951年にオマハの彼の父親の経営する証券会社、Buffett-Falk&Coでブローカーになりました。それら3年後、ニューヨークでグラハム氏の下で働きました。1965年にバフェット氏は、マサチューセッツのNew Bedfordで設立された織物工場のバークシャーの経営権を手に入れました。その後、しばらくして、彼はオマハの保険会社National Indemnityを買収し、バークシャーに2000万ドルの資産を与えました。
数十年の間に、バフェット氏はGeneral Reや自動車保険会社のGeicoを含むいくつかの大規模な保険会社を傘下に加えました。彼は、ペンキ塗りのBenjamin Moore & Coから、下着メーカーのFruit of the Loom Inc至るまで、多岐に渡る製造や小売業の様々な会社も手に入れました。
その日、Freund氏と話をした後、バフェット氏はバークシャーの事業ユニットのトップ3人から電話を受けました。そのいづれの会話も長い話ではありませんでした。彼は、殆どの時間を、アドバイスすることではなく、聞くことに使います。「(Berkshireの子会社の)CEO達は私と話をしても、私から何をしろと言われるとは思っていません。」とバフェット氏は述べました。バークシャーが会社を買収する前提となる必要条件は、その会社の経営陣が下す判断を信じることです、と彼は言いました。
昼頃に、David Sokol氏(BerkshireのMidAmerican Energy HoldingsのCEO)から電話がかかってきました。Sokol氏は保留になっていたMidAmericanがPacificCorpを51億ドルの現金と43億ドルの借金をひきとる買収案を政府が許可したことをバフェット氏に伝えました。その時、バフェット氏は、受話器を彼の肩とあごで挟み、両手を頭の後ろに回して、Sokol氏の話にうなづいていました。
バフェット氏は、投資は長期で取り組み、その途中経過で多少浮き沈みがあっても、途中で投げ出したりしません。Sokol氏は、2004年の8月のミーティングのことを思い出していました。そのミーティングにおいて、彼はバフェット氏にIowaの事業において、酸化亜鉛のプロジェクトで、3億6000万ドルの損失を計上する必要がある、と言う話を伝えることを計画していました。Sokol氏は、(そのニュースに対する)バフェットの返事(反応)に驚愕しました。
「デービッド、人は誰でも、失敗することはあります。」
そのミーティングは10分で終わりました。
「もし私が彼だったら、私をとっくに首にしています。」とSokol氏は言いました。
「もし、あなたが失敗をしない(様にする)のであれば、あなたは決断をすることはできないでしょう。」とバフェット氏は言いました。
「それらについてゆっくり考えることもできないでしょう」
バフェット氏は、彼がSokol氏が犯した失敗よりも、はるかに大きな失敗をしていると言いました。
(引用終わり)
最後のくだりを読んで、Sokol氏ではないですが、私も衝撃を受けました。これに関して語ると陳腐化してしまう気がするので、ここではコメントしません。
昨日、後一回で終わると書きましたが、あともう一回あります。
いつも内容の濃いエントリー非常に参考になります。
今回のバフェットシリーズも面白く、非常に考えさせられる内容ですね。
日本では、不祥事、スキャンダルと、ことあるごとに社長が変わってしまいます。
辞めないのは国会議員ぐらいです。
講釈をたれる立場ではありませんが、経営陣には基本的には辞めないで頑張って欲しいと思う人間です。
不祥事や、少しぐらいの経営不振は上場企業であれば、身を引き締める内容になるのではと感じています。
(身内等の経営陣には文句を言いたいですが・・・・。)
と、いいつつ業績悪くなると売ってしまいますが・・・・・。
バフェット氏の経営陣に対する姿勢は、全てに通じる訳ではないですが、株主として参考にしたいですね。
かえるさん、
コメントありがとうございます。本当いろいろ考えさせられますよね、そう言って頂けると、うれしいです。
恐らくバフェット氏は、企業を買収する際、その企業の業績、先行きだけでなく、経営陣も見る(かなり厳しく)と思います。自分が選んだ企業、そしてその経営陣なので、余程のことがない限り変えないのでしょう。企業だけでなく、人に対しても長期投資の視点があるのでは。。。