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CNBC ウォーレン・バフェット インタビュー (FOMCの日(12-11-2007)) の続き 

先月のエントリー”CNBC ウォーレン・バフェット インタビュー (FOMCの日(12-11-2007)) ”の続きです。日にちが経ってしまいましたが、バフェットさんの話は後で振り返っても十分参考になると思うので、エントリーします。

尚、一部の箇所については、英語(バフェットさん特有な部分を含む)の表現方法と日本語と異なる部分があったため、意訳しています。できるだけ、原文の意味に則したつもりですが、英文を読まれる方は、是非、原文の方を読んでください。リンクは、前回のエントリーにあります。

(以下、12月のFOMCの行われた日のCNBCのウォーレン・バフェット氏のインタビューの続きです)

Becky: あなたもご存知の小売市場のアナリストでストラテジスト(戦略家)の一人のBritt Beamerと我々は毎週話をしています。彼は、消費者達は大きなバーゲンを求めて待っている状況だと考えていると言っています。彼らは、先週の週末になるまで買い物に出かけていませんでした。

Buffett: ええ、そうですね。消費者はいつもそうです。彼らは、その様にするように鍛えられて(習慣づけられて)います。我々の小売事業者たちもその様に思いたいのですが、私は数字を毎日見ています。そして、数字は大きく動いていません。毎年、特に宝飾品等は、最後に近づいた時点で、非常に大きな動きがあります。私は、その様な動きが今回もあると思っています、しかし、我々の売り上げが昨年を上回るかどうかは確証が持てません。

Becky: それは、これまで私があなたと話して憶えている中で、あなたから聞いた言葉で、最も懸念を抱いている見方だと思います。

Buffett: そうですか、しかし、、、我々は、、、私は、この国においてリセッションをあと数回見ることができる位長生きできれば、と思っています。(笑) あなたの年齢であれば、あなたの人生の中で6,7回は見ることができるでしょう。人は行き過ぎてしまう場合があります。リセッションは、この世の終わりではありません。

実際のところ、投資家にとって、ご承知の様に、結果的に最も良い買い物ができる時なのです。私の人生の中で、今までで突出した最も良い買い物ができたのは、1974年でした。そして、その時は、非常に強い悲観的な見方、オイル・ショック、そしてスタグフレーション、さらにもろもろのことが合わさった時期でした。しかし、株は安かった。

実際に見るべき所は、あなたの資産をいくらで手に入れるかであって、来年それらがどうなるのかを心配することではありません。アメリカの経済は将来に(長期に)わたって大丈夫です。

Becky:  でも、あなたがそのことを話すということは、今起こっていることと1974年のことを比べているのですか?

Buffett: いいえ

Becky:  あなたは、(今の)株は安いと思っていますか?

Buffett:  いいえ、そうではありません。それ程安いわけではないと思います。しかし、お分かりの様に、安くなるかもしれません。そうなるかどうかは、後ほど分かることです。しかし、もし安くなった場合、バークシャーを含め純粋な(真の)株式の購入者は(原文は、’a net buyer of stocks’ 長期投資家で意味は近いと思います。)、株がさらに安くなることを望んでいます。

例えばもしマクドナルドのハンバーガーが今日値下げされたとしたら、私はすごくうれしく感じます。そして私は、前のことを振り返ったりせずに、‘参ったな‘、昨日はちょっと払いすぎてしまった、と思ったりします。そして、今日はそれらを安く買えることができるのだと考えます。将来買おうと思っているものについてはどんなものでも、より安く買えることを求めていると思います。

(コメント) 株を買うことについて、マクドナルドのハンバーガーに例えて話している所が、非常に面白いです。ご存知のことと思いますが、バフェット氏はハンバーガーが大好物です。

Becky:  ご存知の通り、Larry Bossidyは今朝のSquawk Boxのゲスト・ホストでした。((注) Squawk BoxはCNBCの朝の番組です。) 

彼は、市場全体の状況を見て、ファイナンシャル・セクターを見た場合、これほど下がっていることが信じられない、そして、来年は最も上昇するセクターとなるかもしれない、と言っています。彼の見方に共通するものをあなたは持ちますか?

Buffett: そうですね、我々の考えと共通する部分は少しあります。(ほとんどない、と言う意味です) ファイナンス業界の先行きについては、私は業績の差にとてつもない差が出てくると思っています。私は、グループ(業界)としてと言う括りで考えたくありません。なぜなら、彼らのうちの何社かは、とてもばかげたことをしているからです。

Wells FargoのJohn Stumpfは非常に的を得た発言をしています。彼は、なぜ銀行家達は、昔からあるやり方で非常にうまくいっていた時に、お金を失うためのこれらの新しい方法(CDO等のストラクチャード・ファイナンス)を考え付いたのか不思議でしょうがない、と語っています。そしていくつかの所では非常に厳しい状況に直面しています。その他の所でも、それ程大きな差はありません。

それで、もしそのグループがノックダウンしてしまったら、あなたはより良い会社を選ぶことができます。(今後の有望な購入対象として)是非注目すべきところは、特に不動産市場で、ここ数年の間、ばかげたことをしていない会社だと思います。

(CNBCのサイトの引用・邦訳は以上です。別のページにこのインタビューの続きがあります。そちらも後で、取り上げる予定です)

(コメント)

バフェット氏はリセッションは投資家にとって絶好の買い時となるので、それを心配するのではなく、待ち望むべきだ、と言った様な主旨のことを語っています。これは、当然と言えば当然で、著名な投資家は全て同じ様な主旨のことを言っています。

リセッションや株価暴落時にどう受け止め行動するのかは、投資をする上で非常に重要なことだと思います。くしくも、新年早々、市場は大きな調整となりましたが、対応や受け止め方と言った点で、改めて参考になりました。

特に目新しい部分はありませんでしたが、株価の下落とその受け止め方に関してマクドナルドのハンバーガーの値段が下がったら、と言った形での表現は興味深かったです。

また、ファイナンス・セクターが2007年に大きく下がってきており、買いなのではと言った見方が強くあった時に、それについて質問(良い質問だったと思います)を受けた答えは、やはり(当然)と思いましたが、改めて参考になりました。

(後記) 日本から米国に帰ってきたのですが、完全な時差ぼけとなっています。訳や文章に問題がないかちょっと不安なのですが、取り急ぎ、エントリーします。

この記事へのコメント

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

今年にリセッション入りするかどうか議論になりますが、数年続いた景気拡大を見れば早ければ起こってもおかしくないですよね。起こるほうが優勢なのでこういう市場の動きになっているのでしょうけど。

個人的には日経平均で言えば1万円くらいまで落ちてもらいたいものです(欲張りすぎか?)。NYはよく分からないので、下げれば定期的にETFを買っていきます。

ここ数年の上昇相場では誰でも儲けられたわけですから、これからは誰でも損をする位下げて、投機家を排除してもらいたいですよ(^^;。もっとも彼らがいるから市場が面白いのですが。

今年もお互いマイペースに行きましょう^^。

bowlerさん、

あけましておめでとうございます。

おっしゃる通り、今年リセッションになる可能性は少なからずあると思います。歴史的に見ても、景気は波があるので、良い時もあれば悪い時もあります。最近の市場を見ているとリセッションに対する過剰な懸念を感じている様で、ちょっと違和感を覚えます。

色々な人が市場に参加していて、しかも、ほとんどの人は、自分のお金が減る事を望んでいないので、ある意味、自然とも言えますが、、、bowlerさんがおっしゃる様に、株式市場が下落する事を絶好の投資機会として捉えれば、多少自分の所有している資産が目減りしてでも、市場の下落は歓迎すべきと受け取れますよね。

また逆に、おっしゃる様に投機/短期投資と言った観点では、下落する相場は損をする可能性が高いので、歓迎できないことだと思います。

短期的な市場の心理の大きな変化に惑わされず、お互い、自分のペースで、がんばっていきましょう。

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大発会

ちょっと、大発会の下げ幅が予想以上であったため、1ブロガーとして書きますね。 まず、寄り付きの日経平均(以下NH)-360円あたりはまあ、い...
  • [2008/01/06 08:47]
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