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サブプライム救済措置に関するWSJの記事について 

11月30日のWSJの一面となった、サブプライム救済措置に関する記事について、引用とコメントを以下に記します。

U.S., Banks Near A Plan to Freeze Subprime Rates
By DEBORAH SOLOMON and MICHAEL M. PHILLIPS
Wall Street Journal, November 30, 2007; Page A1

以下、上記記事の内容で重要と思われる部分に関して、パラグラフ毎にまとめたものを羅列します。

- この計画は、財務省を含む政権関係者と住宅ローンの会社の連合との間で行われている交渉。

- この連合名はHope Now Allianceと名づけられた。構成メンバーは、Citigroup, Wells Fargo, Washington Mutual, Countrywide等。

- 各々のメンバーは既にHNMによって合意された事に対して従うことに同意をしている。

- 詳細に関しては、現在作業中で、早ければ来週早々にも発表される予定。

- 政府と企業連合は、支払いの増加により、問題の発生が予想される特定の住宅ローン利用者に対して、導入初期段階の低金利の期間を延長することについて、大まかなレベルで既に合意している。

以下、該当パラグラフの全文の訳とコメントを追加します。

- 多くのサブプライムローンは、 最初の2年または3年間は“ティーザー・レート”と呼ばれる低金利が設定されているものを使用しており、期間終了後、(リセットされると)、通常、30年の支払い期間の残債に対して高い金利が設定されるものです。典型的な例としては、金利が7から8%のものが9.5から11%程度に上昇するものです。これにより、平均的な住宅ローン利用者に対して、月々の支払いが数百ドル上昇することになります。

(コメント) 通常ARM住宅ローンは、初期の一定期間(通常2から3年、長いものは、5年や7年もあります。)、特別導入金利(これをティーザー・レートと呼ぶ)として、通常より低い金利が設定されています。また、期間が短い方が、より低い金利となっています。(日本の期間限定固定ローンと基本的には似ています。ただし、初期の導入金利が異様に低いものも実際にはあります。) 期間終了後は、通常1年ごとに金利を新たに設定されます。設定される金利に関しては、基準金利に対してある一定の定められ割合を上乗せされます。

尚、一口にARMと言っても様々な種類があります。参考までですが、Wikipediaの説明のリンクを以下に添付します。これを見ていただければ、非常に多くの種類のものがあることが分かります。日本の期間限定固定ローンは、この中のもっとも保守的な(リスクの低い)ものに相当します。

上記、WSJ記事の例では、金利が7から8%となっていますが、2~3年前の金利水準はもっと低く、実際にはもっと低いものがほとんだと思います。当時、ティーザー・レートのものは、ひどいものは1%台でした。割とまともなARMの場合は、5%前後程度だったと思います。

(コメント終わり)

- 厳密にどういった借入者が、どの様な条件で金利の凍結を得られる資格を得、どれくらいの期間凍結されるのかに関しては、まだきまっていない。

- 一つのシナリオとしては、最大7年間凍結とする。 協議者間では、採用の決定条件となる、標準的な基準を設定中。 この基準は、年末までに最終的に決定される予定。

- 住宅ローンのサービス会社-ローンの支払いを収集する会社は、ローン利用者と直接取引きしているため、連合の重要な役割をもつ。サービス会社と当初ローンを提供した会社とは異なる場合が多い。CitigroupとCountrywideは、全米の最も大きい住宅ローンのサービス会社である。今回の連合に加わっている住宅ローンサービス会社で、サブプライムの市場の84%を担っている。連合(HNA)は、貸し方、投資家、そして住宅ローンのカウンセラーを含んでいる。

- ハンク・ポールソン氏は当初、この様な政府が市場に干渉するような案には反対だったが、最近になって立場を変えた。

(コメント)事情が相当悪いことが分かって、ポールソン氏としても、政府が関与せざるを得ないと考えたのだと思います。

- 財務省によると、ファイナンシャル会社は、サブプライムの利用者を、基準を設けて、3つのグループに分けることを行う予定。その3つのグループは、一、金利が上がったとしても、支払いが続けられる、二、金利が据え置かれたとしても、支払いを続けることができない、三、支払いの期間を延長した場合、または現在の金利を据え置いた場合、住宅(ローンの返済)を維持することができる。この3番目の該当者のみ、今回の救済措置を受けることができる。

- Bank of Americaの試算によると、来年に3620億ドルのARMのサブプライム住宅ローンの金利がリセットされる見込み。今年第4四半期には、850億ドルがリセットされる見通し。この試算には、住宅ローンが証券化され銀行のポートフォリオとして所持されているものを含む。

WSJ-Mortgage reset

- リセットとなり支払いの上昇を避けるために、ローンの借り換え、または住宅を処分することをしようとしている住宅ローン利用者は、厳しい状況に置かれている。貸し出しの基準が厳しくなったため、殆どのローン利用者は借り換え条件を満たすことができずにいる。そして、ローン利用者は、住宅の資産が、非常に少ない、またはゼロの状態にある。一部の借り手は、家の価値以上に借金を抱えている。

- 財務省では、債権者がこの様な多くの住宅ローンの条件を緩めることに同意しない場合、借り手の破綻件数がさらに高いペースとなることを懸念しています。First American LoanPerformanceによると、8月の時点で、約6.6%のサブプライムの住宅ローンが担保物件引渡し(破綻)となっています。

(以上、引用終わり。一部、割愛しています。)

かなり踏み込んだ措置だと思いますが、いくつか気になる点があります。

昨年まで、インタレスト・オンリーと呼ばれる住宅ローンが流行していました。これは、一定期間の間、金利の支払いのみを行い、期間終了後、元本の返済を含めて月々返済するものです。これは、通常オプションARMと組み合わせて使用されるケースが多かったのですが、この様なインタレスト・オンリーの住宅ローンの場合、仮に今回の救済措置の対象になったとして、金利が据え置かれたとしても、月々の支払い分に元本の返済分が追加されるため、破綻の可能性は高いと思います。

FRBのウェブサイトでも、このインタレスト・オンリーの住宅ローンに関して詳しく説明しています。
Interest-Only Mortgate Payments and Payment-Option ARMshttp://www.federalreserve.gov/pubs/mortgage_interestonly/
The Federal Reserve Board

また、何度か紹介していますが、私のブログでも、Business Weekがこの問題を詳しく取り上げた記事を引用しているので、良かったらご覧になってください。
米国住宅ローンが抱える爆弾: インタレスト・オンリー ローン

昨年頃まで、頭金なしの住宅ローン等も流行していました。通常、住宅ローンは購入額の80%までの融資となるのですが、それに加えて、セカンダリ・モーゲージと呼ばれるもう一つローンを組むことで、頭金が足りない場合でも住宅が購入することができます。この様な、ローンを使用しているケースの場合、今回の救済措置がセカンダリ・モーゲージにも適用されるのか、もしされない場合は、セカンダリ・モーゲージ(通常、変動金利です)の状況によっては、破綻するケースもあるかと思います。

尚、今回はサブ・プライムに限定されているようですが、Alt-Aと呼ばれるプライムとサブプライムの間に位置するカテゴリーがあります。Alt-Aは通常、個人事業者等を対象にしているのですが、収入を証明する書類が必要ないのが特徴です。このため、収入を実際よりも多く申請するケースも多く、別名Liar's(うそつきの)ローンと呼ばれていいます。このAlt-Aによる破綻も増えているので、こちらの方に対しては救済の対象にはなっていない様に思えます。

また、今週のWells Fargoが14億ドルの損失を計上する見込みと発表しましたが、これは、ホームエクイティによる損失が主なものとの事です。一部のメディアによるとE-Tradeもホームエクイティの破綻による新たな損失の懸念があるとのことです。今回の救済では、このホームエクイティも対象にはなっていないと思います。

今回の発表は、一番問題と思われるサブプライムに対しての措置で、非常に踏み込んだ措置で、また、Fedも金利を引き下げる方針なので、かなりの効果はあると思います。しかし、クレジットの問題はかなり広範囲におよんでいるため、どれ程クレジットの問題が沈静するのか不透明な部分があると思います。WSJの記事によると、今回の救済措置の条件は年内中に詳細を決める予定とのことなので、来年第1四半期から適用する予定だと思います。その場合、第1四半期終了後には、今回の措置がどれ位の効果があるか、分かってくると思います。

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ゴールドマンのレポート 

11月16日のエントリーで、ゴールドマンサックスのサブプライム問題が与える今後の経済に深刻な影響を与える可能性を示唆するレポートの記事を取り上げました。

(以下、関連部分抜粋)
Bloombergの記事で、ゴールドマン・サックスのチーフ・エコノミストのJan Hatzius氏が、銀行、証券、ヘッジファンドのサブプライムとそれに関連する貸付の減少は、2兆ドル(1ドル111円換算で222兆円相当)に達する可能性があり、これにより米国は“非常に深刻なリセッション”を招く可能性があるとのレポートを15日に発表したとのことです。
(以上、抜粋終了)

以下、Bloombergの記事の訳です。(できるだけ原文に即して訳したつもりですが、一部表現を変えています。)

Goldman Sees Subprime Cutting $2 Trillion in Lending
By Kabir Chibber
Bloomberg.com, Nobember 16, 2007

ゴールドマン・サックスによると、世界中のクレジット・マーケットの低迷は、銀行、証券、そしてヘッジ・ファンドの貸付額(融通資金)が2兆ドル減少し、これが引き金となって、“深刻な景気停滞”を引き起こす可能性がある、とのことです。

ファイナンシャル企業にとって、記録的な住宅ローン破産に関連した損失は、概算で最大4000億ドルに達するかもしれない、とゴールドマン・サックスのチーフ・エコノミストのJan Hatzius氏は、昨日(11月15日)のレポートに書いています。レポートには、影響は、借りたお金を使用して投資する様な資金調達の縮小により10倍程度にまで膨らむかもしれない、と書かれています。

「現在起きつつある住宅ローンのクレジットロスは、一般で認識されているよりも、はるかに重大・深刻なマクロ経済の危機を引き起こすでしょう。」「そのようなショックが、深刻な経済停滞を引き起こすことは、想像するに難しくありません」とHatzius氏はレポートに書いています。

ゴールドマンの予想する貸出資金の縮小額は、全米の家庭、企業、政府の借入額の合計の7%に相当し、停滞する住宅市場は既に景気に悪影響を与えています。 昨日、Wells FargoのCEO John Stumpfは、住宅市場は、大恐慌の時以来の最悪の状態にある、と語っています。

全米最大の銀行、Citigroup、そしてMerrill Lynchを筆頭としたファイナンスの企業は、サブプライム・ローンに関連する債権で500億ドルの損失を計上しています。 銀行などのさらなる損失のリスクは、彼らの資金調達のコストを、通常の投資グレードの企業向けのものよりも高い状態に引き上げています。 今週、Citigroupは債権者達に、今まででベンチマークとして最も高い金利を支払っています。

控えめな見積もり

米連銀は、高騰する資金調達コストに対処するために、ターゲットの金利を過去2ヶ月に2度引き下げ、5.25%から4.5%にしています。連邦理事のRandall Kroszner氏は、本日のNew Yorkでのスピーチで、中央銀行は、現在の経済動向の“粗い穴埋め”を塞ぐために再び金利を引き下げる必要は、恐らくないだろうと語っています。

先月の金利引下げを支持する投票をしたセントルイスの連銀総裁のWilliam Poole氏は、昨日、クレジット・マーケットの問題が片付くことに対して、“楽観的な立場である”とDow Jonesに語りました。

Hatzius氏は、彼のレポートの中で、“控えめな見積もり”として、ファイナンス企業は、損失した資金の10倍程度の貸付資金の削減となる、と書いています。投資家たちは、可能性のある損失額の半分、2000億ドルを確定した場合、2兆ドル貸付の削減を強いられることとなる、と語っています。

それらのリスクに対して、金利の引き下げで対応する、それで、我々は、連銀が金利を引き下げると思っています。 Hatzius氏は、本日のインタビューで語っています。ゴールドマンは、12月11日Fedのミーティングで、0.25%の金利引下げを予想しています。

リセッション・リスク

もし、ゴールドマンの予測する貸付金の減少が1年で起こった場合、米国の景気はリセッションに陥ることになるだろう、とHatzius氏は書いています。

ゴールドマンの予想は、ノーベル賞を受賞した、前世銀のエコノミストのJoseph Stiglitz氏の予想と一致しています。本日のインタビューで、氏は、米国は、家庭での借入による過剰な消費が原因となって、”非常に大きな失速、あるいは、リセッション“に直面するだろうと語っています。

「結局のところ、Joe Six-Packは、自分の家を担保に借り入れをし続け、それが米国の景気を支えていた、という事です。」とロンドンのABN Amro Assett Managementのグローバル・クレジット・ストラテジストの Simon Ballard氏は語っています。「今、住宅価格は修正が起きています、バブルは縮小しています。そして、あなたは、世界経済の牽引力が大きく弱まっていくことを見ることになるでしょう。」

景気予測

ゴールドマンの経済予測は、今後2年間で、1兆ドルの貸付金の減少が起きると既に想定しています、言い換えれば、(今回のレポートの)減少額の半分に相当する、と予測自体のアップデートはないものの、レポートに書かれています。 ゴールドマンは、2008年の経済の伸びは1.9%に失速すると予想しており、この値は、ブルームバーグの11月1日から8日に行われた70人のエコノミストのフォーキャストの中央値の2.4%の伸びを下回っています。

ドイツ最大の銀行、Deutsche Bankは、クレジット・ロスは4000億ドルに達する可能性がある、と今週のレポートで語っています。これは、“株式市場の悪い一日”、または、米国株式市場の2.5%相当額に値する、とHatzius氏は書いています。

「2.5%の株式市場の下落が、景気の今後の見込みに重大な差を及ぼすとは、まじめな(まともな)アナリストは主張しないことでしょう」「それで何か、住宅ローンの損失だと差があるのですか? それは、レバレッジです」

(最後のセンテンスは省略)

以上、ゴールドのレポートの訳終了です。

(コメント)

天下のゴールドマン・サックスのチーフエコノミストのレポートだけに、かなり重大なインパクトがあると思いましたが、発表が明らかになった当日の市場はあまり反応がありませんでした。また、推定している数字は巨額ながら、記事の中に書かれていますが、ノーベル賞受賞のエコノミストも近い数字を予想しています。

これが、先週の株価の動きで少し変だと思った理由の一つです。週明け後の本日は、ファイナンス・セクターは大幅に下落したので、ある面、一日遅れた、とも言えますが。。。。

尚、「かえるの気長な生活日記」のかえるさんが、 "[メモ] どこもかしこもサブプライム”と言うタイトルで、現時点で発表されている世界中の金融機関の損失計上額をまとめられています。

この記事を見ても、既に発表されている損失額だけでも、かなり巨額なことが良く分かると思います。また、今後も損失額は増えることが予想されています。

これらを、考慮すればファイナンス・セクターの今後の不透明要因、景気へ与える影響度の大きさを感じることができると思います。

米国の主要投資銀行の次の決算発表は12月中頃なので、その頃が短期的には一つの注目点だと思います。また、中長期的には、このゴールドマンのレポートが指摘している様に、巨額の損失による超巨額の貸し出し資金の縮小が景気に与える影響(甚大だと思います)がどうなるのか、が注目です。

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急速に人員削減が進む米住宅ローン業界 

今週、Capital One, Lehman Brothersが住宅ローン事業の閉鎖を次々と発表しました。その他の会社でも、この2週間の間に人員削減を発表しています。本日、8月23日のWSJの記事、'Inn Subprime Retreat, Layoffs'から、この10日間で発表された主要な住宅ローン会社・事業での人員削減数の表を添付します。
20070825150031.gif
 これを見ると、この10日間で発表された、削減の人数は13000人を超えています。米国の場合、会社の業績が厳しくなるとこういった人員削減を行うことは一般的です。しかしながら、この矢継ぎ早に発表される住宅ローン業界の人員削減・事業の閉鎖は、業界の今後の動向を示唆するものだと思います。

日本と米国の住宅ローンの違いに関して 

先週のエントリーでインタレスト・オンリー ローンとオプション ARMについてBusiness Weekの記事を引用しました。 この記事は、オプションARMの抱える問題を提起したものですが、恐らく日本の皆様には米国固有の住宅ローン制度はあまりなじみがなく、イメージしにくいのでは、と思いました。 米国の住宅ローンのプロセスは、日本と異なる部分も少なからずあるので、本日は、その辺りの違いに関しての話を書きます。

日本で住宅ローンを組む場合は、銀行またはそれ以外の金融機関か住宅金融公庫を利用するのが、一般的だと思います。また、私の理解では、通常、銀行や金融機関と直接ローンに関して取引きをすると思います。

一方、アメリカの場合、住宅ローンを組む場合は、銀行と直接話をする場合もありますが、ローン・ブローカーと呼ばれる業務の人・会社を介して行う方が一般的です。 言い換えると、住宅ローンを組む際、貸主と借主(融資する側とされる側)が直接取引きを行うのではなく、仲介業者を介して取引することが、一般的です。 通常、ローン・ブローカーは複数の金融機関と取引があります。 

日本でこれに似た業務形態は、不動産の仲介業務が比較的近いのではと思います。(売主と買主が直接取引きをするのではなく、間に仲介業者が入るのが一般的と言った点等)

また、ローン・ブローカーは通常、不動産・ブローカー(Realtor)と組んで仕事をしていることが、(非常に)多いです。不動産を購入する場合は、不動産ブローカー(業務内容・位置付けは比較的日本の不動産屋と近い)を通して、購入するのが一般的です。自分の経験からもそうなのですが、不動産ブローカーに会うと、その人(たち)からローン・ブローカーを紹介されます。

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米国住宅ローンが抱える爆弾: インタレスト・オンリー ローン 

サブプライムローンの問題が広がりを見せようとしています。サブプライムローンの一つの大きなリスクは、与信の問題もあるのですが、他にもやっかいなことがあります。

それは、インタレスト・オンリーと呼ばれるローンで、サブプライムローンの選択肢の一つです。このローンの特徴は、一定の期間、利息のみを払うだけで良いと言うローンです。インタレスト・オンリーの期間は通常3~10年で、この期間内は、月々の支払いが非常に少なくすみます。一方、インタレスト・オンリーの期間終了した場合、月々の支払いは、大きく上がります。

私の以前のサブプライムローンのDMを紹介したエントリーで、月々の支払いの例で、融資額に対して、支払額が非常に低いことを宣伝しています。

例えば、25万ドル(1ドル122円で換算して3050万円)を借りて、月々の支払いが644ドル(同レート換算で、約7万9千円弱)。

つまり、“3000万円のローンを組んで家を買って、月々の支払いは、8万円以下”

と言うのは、ちょっと話がうますぎますよね。これはインタレスト・オンリーを利用しているものと推測されます。(紹介例には具体的な説明がありません。) 日本人の感覚だと、ちょっと話がうますぎて、警戒すると思いますが、米国では、これは、れっきとした住宅ローンの一つのオプションとして存在します。

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Bear Stearnsのサブプライムローンのファンドは価値がほとんどないことが判明 

本日のReutersによると、Bear Stearnsのサブプライムローンが元のファンドは価値が非常に少しの価値しか残っていないことが、投資家向けに送られた文書によって明らかになりました。

Bear says troubled funds have “very little value”

関連記事: Bear Stearns Says Hedge Fund Worthless

以下、上記1番目の記事の引用

Bear Stearns in June had said it would provide up to $3.2 billion in financing for its High-Grade Structured Credit Strategies Fund. The investment bank had also said its Enhanced Leverage Fund had taken greater risk in investments backed by subprime mortgages.

Bear Stearnsは、6月に、関連のHigh-Grade Structured Credit Strategies Fundに対し、最大$3.2B (1ドル122円換算で約3900億円)の融資を行うと語っていました。また、Bear Stearnsは、Enhanced Leverage Fundはサブプライムローンを元にしているため、よりリスクが高いと語っていました。

"The preliminary estimates show there is effectively no value left for the investors in the Enhanced Leverage Fund and very little value left for the investors in the High-Grade Fund as of June 30, 2007," according to the letter. A copy of the letter was obtained by Reuters. 

投資家充ての文書によると‘初期段階(前段階)の見積もりでは、Enhanced Leverage Fundは、実質的に投資家向けの価値はなく、6月30日の時点で、High-Grade Fundは非常に少ない価値しか残っていない(殆どない)ことを示しています。’とのことです。
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サブ・プライムローンのお誘い(続き) 

数日前のエントリーの続きです。サブ・プライムローンのベンダーからきたDMのイメージを添付しましたが、(1ページ目)その内容の後半です。

通常ローンを組む上で必要となる書類が要らない、と言うメッセージの後に、

"TAKE SOME CASH AND STILL LOWER YOU PAYMENT!"
(Please see examples below)

”現金を受け取り、さらに支払いは低くなります!”
(下の例を見て下さい)

LOAN:
$150,000 (PAYMENT: $386), $200,000 (PAYMENT: $515)
$250,000 (PAYMENT: $644), $300,000 (PAYMENT: $772)
$500,000 (PAYMENT: $1,288), $1,000,000 (PAYMENT: $2,576)

PAYMENTについて、具体的なことはこのページには書いていないのですが、通常PAYMENTは月々の支払い(ボーナス払いと言うのは、アメリカの住宅ローンでは通常ありません。)となります。それにしては、支払額が、低いですよね。その辺に関しては、申し訳ないのですが、後日、エントリーで説明いたします。

(追記)
motoさん、拍手コメントありがとうございます。非常に励みになります。本日は時間が足りないので、すみませんが、次回もう少し踏み込んだ話をいたします。今後ともよろしくお願いいたします。
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サブ・プライムローンのお誘い 

サブ・プライムローンの業者からDMが届きました。サブ・プライムローン自体はかなり話題になっているので、ご存知の方も多いと思いますが、実際、ユーザー側から見た場合どんなものなのか?と言うことが、良く分かる例になるのでは、と思いスキャンしたイメージを添付します。

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