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日米主要インデックスの過去のパフォーマンス比較 

昨年はサブプライム問題に揺れながらも、日本を除く世界の主要株式市場は上昇しました。2007年は、サブプライム震源地の米国が結果的としては上昇する中、日本株式市場は10%を超える下落となったことは記憶に新しいことと思います。

このエントリーでは、いくつかの観点から日米の主要インデックスのパフォーマンスを比較と簡単な分析をしたいと思います。

下の表は、日米の主要インデックスの過去のパフォーマンスを2004年までさかのぼって比較したものです。(表をクリックすると拡大して見ることができます)
US-JPN Index Performance Historical Chart 04-07 Vol1

年明けから日米の株式市場は下落して始まっています。参考までに、2007年の終値に対する2008年の1月4日の終値の増減を2008年の分として追加しています。2007年のデータを見た場合、ハイテク企業が多いNasdaqが最も良く、また、世界全体に事業展開している国際優良企業中心のDOW Jonesも堅調でした。S&P 500は、ファイナンス・セクターの比率が高いため、他のインデックスと比べると、苦戦しています。一方で、日本のインデックスが日経平均TOPIX共に10%以上下落していることも、興味深い所です。

2008年初頭の下落によって、1月4日末の数値において、S&P 500は2006年末の時点よりも下回っています。また、DOWとNasdaqは同様の比較において、上回っているものの2007年の上昇分の半分を失っています。

以下に、上記表の中の、各インデックスの年毎の増減比の数値をグラフにしたものです。
US-JPN Index Performance Historical Chart 04-07 Vol 2

このグラフを見ると、2005年の日本のインデックスの伸びの高さがひときわ目を引きます。

次に、2003年末の終値を100とした場合の、相対的な各インデックスの年毎の伸びを2008年1月4日の時点までで比較したグラフを添付します。
US-JPN Index Performance Historical Chart 04-07 Vol 3

この様な形で比較した場合、日本の主要インデックスは2005年の大幅な上昇が寄与して、2007年下落しても、過去3年以上にさかのぼった場合は、年毎の増減としては、米国市場のインデックスよりも良い結果となっています。また、4-5年単位で見た場合、パフォーマンスの差はあまりないところも興味深く思いました。

ご存知の数値の比較は、どこを基点とするかで大きく異なります。また、この様な単純なインデックスだけの比較だけでなく、ファンダメンタルズやその他のデータを含めた形でも分析するべきかと思いますが、ちょっとおもしろいかな、と思い取り上げてみました。

これらだけで、単純に結論を引き出すべきではありませんが、日本の株式市場のパフォーマンスは過去4-5年の単位で見ると悪くなく、ここ数年の低迷は2005年の大幅な上昇の調整とも言えるかと思います。

私は、2008年に関しては、世界の他の主要な市場と比較した場合、日本株式市場のダウンサイドは相対的に少ないと思っています。(特に米国市場と比較して) この様な見方から、2008年の投資戦略として日本株への投資比率を上げたいと考えているのですが、色々悩んでいる所です。2008年の私の投資戦略の概要は追って、エントリーしたいと思っています。

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米国市場動向について-アップデート 

最近の株価の動きを見ていると、機関投資家がポジションの縮小をしている様に思う、と先週のエントリー、“最近の米国市場動向 - ちょっと気になること ”他、いくつかのエントリーで書いていましたが、やはりその可能性は高そうです。

今週の週末のWSJの記事、“Dow Jumps 181.84 Points as Retailers, Financial Issues Climb”を読んだのですが、この記事の中で、業界関係者の発言が引用されており、その中で、最近の機関投資家のポジション縮小について触れています。WSJのオンラインは、有料の記事と無料の記事があるのですが、幸いなことにこれは、無料なので、記事の内容を引用します。(マードック氏が買い取った後は、無料になると言う噂があります。)

記事自体は、23日金曜日に市場が上昇した件についてかかれたものです。この日の市場についていくつかの業界関係者の発言を引用しながら、市場の状況について書いています。

(以下、引用)

"When the market is thinly traded, it's really not a good snapshot of what's going on like a normal day would be," said Robert Tendler, a principal of Harbor Lights Financial Group in Manasquan, N.J.

「市場の取引が少ない場合、通常の日の様に動向がどうなっているのか把握するのには向きません」とロバート・テンドラー氏、ニュージャージーのHarbor Lights Financial Groupのプリンシパルは語っています。

Many stock dealers and institutional traders take the Friday off, which is sandwiched between the Thanksgiving holiday and the weekend, leading to trading volume in the short session typically much lower than a normal trading day. Total trading volume for stocks listed on the New York Stock Exchange was 1.53 billion shares, compared with a daily average of 4.05 billion shares for the month as a whole.

多くの株式ディーラーや機関投資家は、サンクスギビングの祝日と週末の間の金曜日に休みを取っています。そのため、短い取引時間とあいまって通常の日と比べ取引数量が非常に少なくなっています。New York Stock Exchangeに上場している株のそう取引数量は、15億3000株でした。対して11月の一日当たり平均の40億5000万株です。

"The sellers are on vacation," said Steve Shobin, chief market strategist at AmeriCap Advisers. Institutional investors have tended to be sellers in this market. "Everybody has become risk-averse because of the problems in the credit market," he said. "People are trying to manage risk by reducing exposure."

「売り手は、休みを取っています」とAmeriCap Advisersチーフ・マーケット・ストラテジストのスティーブ・ショビン氏は語っています。機関投資家は、現在の市場で売り手となっている傾向があります。「クレジット・マーケットの問題で、皆、リスクを避けようとしています」「人々(機関投資家を指すと思います)は、ポジションを縮小してリスクを管理しようとしています。」 
以下、ファイナンス・セクター、小売セクターの市場の動き、と原油、金、主要インデックスの動き等の話が続きますが、割愛します。

(コメント)

この記事のコメントだけで、断定することはできませんが、私としては、ここ数週間の株価の動きを見ていて感じていたことだったので、この記事の中で、”機関投資家が売り手となっている”との業界関係者の言葉は非常に納得のいくものでした。

また、この週末にWSJ、その他のメディアでサブプライムの問題が来年さらに悪化するであろう、と言った内容の記事が掲載されており、クレジット関連の問題に対する懸念は高まる傾向にあります。プロは、当然、もっと前から分かっていると思うので、新聞記事の与える影響は一般投資家に対してがメインだと思います。

だからどうするか?と言うことは、その人の投資戦略や考え方にもよると思います。仮に、(多くの)機関投資家がポジションを縮小していることが事実だったとしても、だから必ず市場が下落すると決まったわけではありません。

しかし、注意が必要なことは、確かだと思います。

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最近の米国市場動向 - ちょっと気になること 

ここ最近の著名な投資家の動き、発言やゴールドマンの投資家向けのレポート等から、彼らがBRICsの株式市場でのポジションをクローズ、または、縮小していることが、明らかになってきています。主な例として、いくつか以下に挙げます。

- バフェット氏がペトロ・チャイナ株を全て売却

- ジム・ロジャーズ氏が「米国は疑いなくリセッション(景気後退)にある」と発言
U.S. "undoubtedly in recession": Jim Rogers (Wed Oct 24, 2007)

以前のエントリーで、Fortune誌でのジム・ロジャーズ氏の市場に対する見方をとりあげました。まだ読まれていない方は、是非一読をお勧めします。(ジム・ロジャーズの意見

- ゴールドマン・サックスの新興国株式投資のポジション縮小

また、日本の株式市場に関しても、海外の(機関)投資家を中心にポジションを縮小していることが、最近株価の下落の一つの要因だとされています。

確たる情報があるわけではないのですが、米国の株式市場に関しても、最近の動きを見ていると、機関投資家の一部は、ポジションを縮小しているのではないか、と感じています。

ここ数週間の市場関連のニュースを見ても、米国景気の失速を示す様な記事を目にすることが多くなってきました。住宅関連市場も、改善の見込みは見えない状況、ファイナンスに関してはクレジット関連での大幅な損失を計上する企業が多くなってきており、さらに、このクレジットの問題は年内で収束する様な見方は、急速に後退してきています。小売店の10月の販売状況、クリスマス商戦の見込みも、厳しい状況を示す発表がされています。これまで、米国経済を支えてきた、旺盛な消費活動が今後停滞する可能性が高くなってきています。

この様な状況にも関わらず、2週間前にそれなりの調整はありましたが、先週は若干上昇しており、市場は大きく崩れていません。 先週の一部銘柄の株価の動きを見ていると、もっと下がってもおかしくない様な銘柄が上がったり、もう少し上がってもおかしくない銘柄がそれ程上がらない、または下がったりしています。この様な動きの要因として、機関投資家が、空売りの解消、利益確定、レバレッジ・ポジションの縮小を行っていることが、考えられます。

また、VIXも再び上昇(先週は下落)しており、今後、市場は変動が激しくなることが予想されています。今年の夏、ヘッジファンド、特にQuantsに関しては、市場の激しい変動の際に大きな損失をだしたところがあったことは記憶に新しいところだと思います。今後予想される市場の変動に備えて、ヘッジファンドでは、一旦、ポジションを解消、縮小する様なところもあるのでは、と思います。 (もちろん、全てではなく、中にはポジションを拡大するところもあると思います。)

良く知られていることですが、市場の暴落、恐慌時は、著名な投資家等にとって、絶好の投資機会とされています。市場の先を行く機関投資家たちは、既にそういったイベントに備えており、その次のレベルの投資家達が今、準備を始めているような気がしています。

ここから先は、プロ達の熾烈な戦いが展開される様な状況になってくるのでは、と思います。一般の投資家にとっては、かなり注意が必要だと思います。 あわててポジションを変更する必要はない(すべきでない)と思いますが、万が一の状況、厳しい投資環境に備えての準備をする必要があると思います。 

一般的には、Value投資株の長期所有やインデックス・ETFのドルコスト平均法で購入する様な手法・戦略であれば、この様な状況でも問題はないと思います。しかし、私の場合、今、市場が大きな調整に入ったり、長期的に下落のトレンドが続くような状況になった場合、私の今のポジション、投資戦略だと大きな痛手を被るリスクがあります。

今週のThanks Givingの休暇を利用して、頭を整理して、今後のシナリオ、対応策を準備する予定です。

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日米株式市場インデックスのパフォーマンス比較 

今週、先週、今年の日米の主要インデックスの変動率についての表を以下に添付します。20071118151351.png

(表が読みづらい場合、クリックしていただければ、拡大してみることができます。)

大幅な下落となった先週に対して、今週(11月12日の週)は、米国市場は若干の上昇に転じました。一方、日本市場は、先週に続き下落しました。11月16日終値と昨年末終値とを比較した場合、日経平均株価、TOPIX共に12%以上下落しています。

今週の決算発表、米国のニュース等から見ると、米国国内の小売店の売り上げが減速してきている傾向が見られ、米国景気は失速しつつあることが、様々なデータからも明らかになりつつあります。また、ファイナンス・セクターのいくつかの主要企業が、サブプライム・クレジット関連の大幅な損失を計上することを発表しています。

日本市場に関しては、米国景気の減速への懸念、円高等から、日本市場の先行きに対する懸念、悲観的な市場センチメントが強まっていることが原因と思われます。一方で、ニュース等からの市場の状況、情報を考慮した場合、どう考えても米国の市場の方がダウンサイドが多い様に思えるのですが、市場の反応・インデックスの動きは逆となっています。

日本市場の低迷の原因としては、景気の先行きに対する懸念等以外に、日本以外の世界各国の市場や、FX等、他の投資対象への投資資金の移動が起きていることが要因としてあると思います。これは、国内投資家だけでなく、世界の投資家にとっても、日本株への投資比率が相対的に低下する傾向があった(ある)と考えています。(定量的なデータを見たわけではないのですが、後日、具体的な数値を含め検証しようと思っています)

ここにきて世界各国の株式市場の今後の見通しは、日本市場以上に不安要因が高まってきている様に思われます。どちらが、下落リスクが高いか?と言った点で考えた場合、相対的には、日本市場は低いと思います。その様に仮定した場合、今後、世界市場の不安要因がさらに高まる様になった場合に、日本市場が見直されることが考えられます。個人的には、そのシナリオが起きる可能性は、かなり高いと思っています。問題は、そのタイミングです。

私の投資戦略は、基本的に”日本市場が今後見直される”シナリオをベースに立てています。これが、ここ2週間でかなり裏目になってしまい、大きな(額面上の)損失を被ることになってしまいました。ただし、今でもこのシナリオに対する考え方は変わっていません。私にとって、今の課題の一つは、タイミングのリスクをどう管理するか、だと思います。

今後、色々な角度から状況を検証し、シナリオと戦略を見直す予定です。

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今後の予定 

第3四半期の決算結果発表もほぼ終わりました。また、市場動向、今後の市場展開に影響、関連する様な発表、記事もでてきています。今後の予定として、以下の様な項目に取り組もうと思っています。

1.第3四半期決算発表結果から見た市場のステータス・動向
2.今後のマーケット・シナリオ
3.投資戦略のレビュー・アップデート
4.所有銘柄のステータス・アップデートとレビュー
5.今後に向けたプラン

ブログの方にも順次、エントリーしていきます。

ゴールドマンサックスのBRICs戦略に変化? 

昨日のエントリーでゴールドマンサックスが投資家に中国の株式投資のポジションを一旦クローズ(利益確定)する様に推奨しているとの記事を紹介しました。

当該エントリーに対してのかえるさんからコメントを頂きました。かえるさんがコメントでおっしゃられている様に、BRICsの定義、その将来性はゴールドマンのJim O'Neill が元々提案したものです。”Dreaming With BRICs: The Path to 2050”のレポートには、Brasil, Russia, India, Chinaの4国は世界経済の中で巨大な存在となり、2025年までに、4カ国を合わせた経済規模はG6の半分以上の規模になり、2050年までに、4カ国の経済規模は、G6を上回るだろうと予測しています。また、その時に現行のG6諸国の内、世界経済上位6カ国に残れるのは、米国と日本だけだろうと予測しています。

ゴールドマンのレポート:Dreaming With BRICs: The Path to 2050

尚、以下のリンクをクリックすると、ゴールドマンのWebサイトのJim O'NeillによるBRICsのプレゼンテーションのWebcastが見られます。非常にお勧めです。一見の価値はあると思います。
The BRICs Dream: Web Tour
(Source: Goldman Sachs)

ゴールドマンは積極的にBRICs諸国への投資を進めてきました。そのゴールドマンの今回のニュースは、ゴールドマンのBRICs戦略に変更が起こったのか?と言った点が興味深いところです。以下に、今回のゴールドマンの動きと彼らの戦略に対しての、私の見方を書きます。

今回の話に関しては、加熱する中国株式市場において、一時的な反動のリスクが高くなっているための、措置と思われます。取り上げた記事の最後にもありますが、中国の将来性に対しての見方が変わった訳ではない、と思います。また、当該記事にもありますが、株式投資に関しては、既に利益を確定してポジションをクローズしているようです。市場が大きな調整等があれば、再度参入するとのことですが、取りあえずは様子見、と言った状況にある様です。

その間の投資活動に関しては、恐らく以下の様な戦略を取るのでは、と思います。

ー 現地通貨の現物保持をし、次の投資タイミングを待つ。通貨のまま持っていたとしても、将来的には、ドルに対する価値の上昇による利益増が見込める可能性が高い。(この戦略は、特に中国向けに限ったものだと思います。ジムロジャーズ氏の戦略と基本的に近い考え方だと思います。)

ー 株式市場に対しての投資は行わないものの、現地企業とのジョイントベンチャーやビジネスに関しては、積極的に投資活動を継続する。

ー ジョイントベンチャーが順調に立ち上がり、無事IPOとなれば、大きな利益を得ることができる。

高騰し同時に不確定要素も高まっている株式市場に対する投資のリスクを回避しつつも、有望な市場に対する投資活動に関しては継続することを、投資戦略として取っている様に思えます。恐らく他の投資銀行も似た様な戦略を取りつつあると思います。

このシナリオを想定した場合、BRICsの株式市場は内外の個人投資家の比率が高まることとなります。だから市場が下がるのか?と言えば、そうとは限らないと思います。個人投資家の熱が高ければ、市場は継続して上昇していくことも十分に考えられます。ただし、変動率、不確定要因は高まると思います。この様なケースは、日本でも新興市場の動きが似た様なケースとして考えられます。(個人投資家中心で、急激に上昇したものの、変動が激しい。)

上記シナリオは、新興国の株式市場の変動がさらに激しくなることが予想され、また、何かのきっかけで大きく下落し、世界の株式市場に対しても影響を与える可能性もあると思います。はっきり言って、新興国の株式市場の暴落をプロが手ぐすね引いて待っている、と言った様なシチュエーションになっていく、もしくは、もう既にそうなりつつあるのかも知れません。

株式市場からスマートマネーが一時的にせよ、撤退しつつある様な状況にあるとも考えられます。

もしかするともの凄く当たり前のことを書いてしまったのかもしれませんが、念のためエントリーします。

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日米株式市場インデックスのパフォーマンス 

日米の主要インデックスの先週(11月5日の週)一週間の株価の変動幅と昨年末から比べた場合の株価の変動率について表にしたものを、以下に添付します。
20071111155155.png

先週は、日米両方とも大きく下落しています。尚、米国市場は金曜日も大きく下落して終了しており、日本は時差の関係上、米国市場の金曜日の状況の影響がない時点で、大きく下落しています。また、昨年末から比べた場合、米国株式市場は上回っているものの、日本市場のインデックスは10%前後も下落しています。

TOIPXが先週、最も下げているのが注目です。TOPIXは日経平均に比べ大手銀行、内需関連株の影響が大きいとの事ですが(Wikipediaの説明を参照)、円高、米国市場の影響が少ないはずのTOPIXが、より影響を受ける日経平均より下がっていることが、非常に興味深いところです。

日本株に関しては、下げすぎと思いますが、株価は需要と供給の関係、市場心理が影響しているので、ある面、この様な状況も理解できなくもないと思います。

国内の投資家の視点を考えてみても、FXや中国株、その他新興国向けETF等の方が投資対象として興味、注目が高い現状で、低いパフォーマンスの日本株・ファンドを処分して、他の分野に投資する動きがあるのでは、と思います。また、海外投資家から見ても、ちょっと様子見にならざるを得ないと思うので、日本株低迷の状況もある程度理解できます。

私の日本株ポートフォリオは、今週、大きな打撃を受けています。こちらも、状況、所有株について冷静に分析して、今後の対応を検討する予定です。

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Googleの株価上昇の理由は? 

Googleは今日も約1.7%上昇し、過去最高値を更新しています。サブプライム・ファイナンス関連の分野の問題との相関性の低さ、収益の安定した伸び、事業分野の将来性、を考慮すれば、Googleに買いが入るのは、ある程度理解できますが、ここまで来ると、「何でなの?」と言う気には少しなります。株は、美人コンテストに近いものがあるので、人気が集中しているから、と考えれば多少なりとも納得はいきます。

そうこう考えていたところ、“株式18番!のぐっちさんのGoogleに関するエントリーを読みました。

ぐっちさんの記事を読んで、少し考えたのですが、もしかすると、“GPhone”に関する期待が高まっているのが、最近の上昇を押し上げている一つの要因なのかな?と思いました。AppleのiPhoneの今の時点までの、順調な滑り出しと、その株価への貢献を考えれば、“Googleでも!”と期待が高まるのは分からなくもありません。

尚、ぐっちさんの記事の中で引用されているYomiuriの、ニューヨークタイムズの記事はこれだと思います。

このNY Timesの記事の中でも、業界の見方として取り上げられていますが、技術的、ビジネス的には、多くの課題をクリアしなければならないので、AppleのiPhoneと比べた場合、成功するための課題はかなり多いと思います。思いついたことをある程度、羅列すると、

- 携帯電話を使用した広告の事業の可能性
- ハードウェアの事業の経験はない
- ミドルウェアの事業の経験もない(と理解しています)
- OSを独自開発するのか? (多分Linuxを使うと思います)

(追記)このエントリーを書いた後、NY Timesの記事を読み直しましたが、Yomiuriの記事で書かれている”独自のOS"ではなく、「リナックスを使用して、MSのWindows Mobileに対抗して、オープンソースの環境を提供する。」のが戦略の様です。(非常に理にかなっていると思います)恐らくアプリケーションをいくつか用意し、また、広告との連携も踏まえたサービスを提供するのでは、と思います。上記で、経験がないと書きましたが、記事の中で、Androidと言う携帯向けのソフトのスタートアップを買収しているので、多少なりとも経験はある様です。ただし、Androidがどの程度の経験があるのか、また、ハードの開発、販売チャネル等に関しては、恐らく殆どないのではと思われます。
(追記終わり)

ハードの経験がない会社が、ハードウェアの事業を成功させるのは並大抵のことではできないと思います。

Appleの場合は、ハード・ソフトの両方を手がけており、また、iPodでの経験、コンポーネントの流用、開発の共有といった、さまざまな面での、彼らの強みを生かして、iPhoneを手がけています。マイクロソフトはソフトの会社ながら、X-Boxでハードの事業に参入しましたが、彼らはOSやミドルウェアといったハードに近い分野も多く手がけており、製品開発の面では、リソースの活用、既存事業面での強みを生かす、といった利点がありました。

一方、Googleは、基本的にWeb上のアプリケーションソフトが中核のビジネスで、ハードまでの(技術的なインプリ)の階層は離れており、既存の事業での経験・強みはそれ程生かせないと思います。Googleには、そこまでの、シナジーやレバレッジがないので、かなり難しいのでは、と思います。

尚、Googleは既存の携帯電話で使えるJAVAを使用した携帯向けのGMailを提供しており、(私も使っています)ある程度のJAVAのアプリといった部分では経験・強みはあると思います。ただし、JAVAは設計思考がハード・OSに対してインディペンダントであることが特徴であり、言い換えれば、ハード・OSとの相関性は低いので、独自のハードやO/Sを設計・使用する必然性は低いです。そのため、やるとしても、基本ハードは標準的なコンポーネント(ARMコアの、業界標準のTIのOMAP、または、Qualcomm等のIC)を使って、OSもLinux等、標準のものを使うのでは、と思います。

GoogleはAppleとの関係も良好なので、iPhoneをベースに事業展開をし、将来的に他の携帯にも派生・展開させていく、といったアプローチの方が自然なような気がします。

しかし、Googleは以前から無線の領域の獲得に動いており、それに関連する何がしかの新規事業を計画しているようなので、GPhoneがその計画の一部であることは、可能性としては(十分に)あると思います。

このGPhoneへの期待が株価に含まれている場合は、今後のGoogleの計画が明らかになってくる上で、さらなるアップサイド・ダウンサイドの両面があると思います。

短期的な株価の動きとしては、第3四半期の結果が事前予想、そして期待値に対してどうなのか?だと思います。

携帯電話の分野も一段落といった感じだったのが、Appleの参入、そして、もしGoogleが参入するとなれば、かなりの盛り上がりになると思います。今後の動きに注目しています。

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9月の米国市場の注目点 

以下に9月の米国市場において、個人的に注目している事柄に関して記します。

1.FedはFF rateを値下げするか?するとした場合、何ポイントか?
2.資産担保型コマーシャル・ペーパーの処分は(順調に)進むか?
3.ファイナンス大手の8月末締めの決算の結果
4.ヘッジファンドの収益動向、解約の規模
5.住宅、ファイナンス関連での新たな破綻、スキャンダルが明らかになるか?

1.FedはFF rateを値下げする可能性は高くなっていると思います。大方の予想は、0.25%下げると見ていますが、Fedが金利を下げない、逆に、一気に0.5%下げる可能性もあると思います。市場の予想と違った場合、市場が過剰に反応する可能性があります。

2.Fedのディスカウント・レートの切り下げ、大手銀行がディスカウント・ウィンドウを使用することによって、流動性の問題は緩和されている面もありますが、一方で、売れ残っている資産担保型コマーシャル・ペーパーの処分はどうなるのか?と言った点は、9月の注目事項です。この処分が進まずにいると大きな問題として、再び浮上してくると思います。これに関しては、Fedの政策が直接作用する部分がないので、より注目すべき事柄だと思います。

3.ファイナンス大手は、8月末が決算の年度末です。いままで、かなり好調だったファイナンス業界でしたが、7月頃から暗雲が漂う様なニュースも表面化してきました。この辺りの問題がどの程度、収益に影響があったのかが注目されます。主だった会社の決算スケジュールを以下に記します。

- Goldman Sachs, 9/20
- Morgan Stanley, 9/19
- Leman Brothers, TBA
- Bear Stearns, TBA

4.Goldman SachsのGEO等が代表的ですが、8月前半に損失を出したヘッジファンドの解約がどの程度だったのか、注目されます。8月の解約に関しては、それ程の規模ではないと想像しています。また、8月後半2週間は、利益を上げたところが多かったと想像しています。しかし、収益が悪かったところ、今後の収益の動向によっては、大規模な解約に発展する可能性があり、もし、そうなった場合、市場への影響もかなりのものになることが想定されます。

5.8月には、サブプライム関連の企業・ヘッジファンドの破綻が露見して来ました。Option ARMの金利更新による、厳しい状況・破綻件数の増加が続くと想定されています。噂されるBeazer Homesやその他の会社で破綻が明らかになる可能性もあると思います。内容、状況によっては、市場全体への影響等も少なからず、考えられます。

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世界の主要株式市場の最近の動き 

8月2日のWall Street Journal(米国版)Money&InvestingにForeign Stocks Fall on U.s. Alarmsと言うタイトルの記事が掲載されています。

この記事で、世界の主要株式市場の7月から8月2日までの株価の変動の割合と年初からの割合を比較したグラフが掲載されています。非常に興味深い内容だったので、この記事を元にグラフを作成したものが以下のものです。
20070803145700.png
Source: 
Foreign Stocks Fall on U.S. Alarms
A WSJ News Roundup
WSJ, August 2, 2007; Page C2

このグラフを見ると、日本以外のアジアの国々の株価は、今回の米国の株価の調整にも関わらず比較的堅調で、ヨーロッパの国々は米国よりも調整が進んでおり、日本はかなり下がっていることが分かります。

ヨーロッパの市場では、今週に入り、米国サブプライム関連の問題が、ヨーロッパのファイナンスセクターの会社にも波及(決算等でも影響が出てきている)しており、かなりニュース等でも取り上げられております。そういった意味では、調整が進むのはある程度理解できると思います。

日本は、ちょっと過剰に反応しすぎか?と言う視点は、ちょっと考慮に入れても良いかもしれません。もしくは、日本が先を行っているのかもしれませんが。。。個人的には、サブプライム関連の問題だけをとった場合は、一部を除けば、他の国と比べても影響が少ないはずなのですが。。。

(尚、数字に関してですが、私の計算では、日経平均株価の変動の割合が多少異なっています。データの取り方、元のデータが異なる場合もございます。あらかじめご了承下さい。細かい数値等に関しては、興味がある方は、ご自分でご確認くださいますようお願い申し上げます。基本的に記事のグラフを忠実に再現したつもりです。)

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