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2007年後半の投資戦略のレビュー 

7月16日のエントリーで、2007年後半の投資戦略に関して、書きました。第3四半期が終わり、07年の後半も半分が終了したので、現時点での状況を踏まえ、当時、作成した投資戦略のレビューを行います。

以下に、同エントリーからの抜粋とそれに対するコメント(ライトブルーフォント)を記します。

シナリオ予測
今の時点では、2007年後半は、7~8月頃は引き続きシナリオ1であると考える。しかし、(遅かれ早かれ)シナリオ2への移行することを、予測。最悪の場合、シナリオ3になる可能性も。

(9月末の時点でのレビュー・コメント)
市場の動向、展開は想定の範囲内ではあるが、8月の大幅な調整の後、米国市場は大きくもどしていることは、想定外。また、日本株式市場の下落も想定の範囲を上回っている。シナリオの見直し、アップデートが必要である。


‐ 基本戦略・方針は変更なし
1. 日米のハイテク株を中心に投資
2. 中長期投資が基本、短期投資(米国株)は極力さける

(9月末の時点でのレビュー・コメント)
上記、戦略・方針に関しては、変更はしていない。ポートフォーリオ構成銘柄に関しても、ほとんど変わっていない。


‐ 日本株に対する比率を上げる
1. 為替のトレンド変更に対するヘッジ (円高になるシナリオを考慮)
2. 米国市場のマーケット・リスクに対するヘッジ
3. 大幅に為替が動いた場合、為替差益を利用して、日米のアロケーションを再分配する。

(9月末の時点でのレビュー・コメント)
当初、米国から日本に送金する予定であったが、市場、ポートフォリオの変動が激しく、予定通りに送金できないでいる。代わりに、日本でも信用取引口座を開設し、日本株投資の割合を上げることにした。リスクが高まるため、マージンバランスを低めにしている。


‐ 日本株ポートフォリオ
1. 上記、アイテムを考慮
2. 引き続き、バイ&ホールドの長期投資が基本
3. 可能であれば、一銘柄位、新興市場または東証2部のものを購入 (For growth)

(9月末の時点でのレビュー・コメント)
現物株が基本の投資方針を維持する。信用取引に関しては、ストップ・ロスを設定し、必要に応じ、短期手仕舞いをする。信用取引の比率は、極力抑えるようにする。市場が、大幅に下落した場合、必要に応じ信用取引を活用したポジションの積みあげを行う。中長期的には、信用取引は行わないようにする。


- 米国株ポートフォリオ
1. レバレッジの比率を落とす
2. 引き続き、ロングのポジションは維持するが、ニュートラルに近いロングに全体のポジションを変更する
3. マーケットのトレンドの変化に気をつけ、変動があった場合、ポジションの変更を早急に行う。
4. 状況に応じては、ロスカット等、積極的に取引する。(短期手仕舞い)
5. 中期投資のものに関してはストップ・ロスの設定を検討する (現在はしていない)

(9月末の時点でのレビュー・コメント)
10月中の第3四半期決算発表前後に、ポジションを縮小する予定。レバレッジの比率を下げることに優先順位を置き、過剰なヘッジのかけ方は控える。


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投資成績 (9月末の時点) 

日本株ポートフォリオ: 9月のパフォーマンス

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9月は、先月末比で10.9%上昇しました。 第3四半期としては、16.4%、年明けから比べた場合は、42%の上昇となっています。今月も、入出金はありませんでした。今月から、信用取引を開始し、いくつか株を買い増しと新規株の購入を行いました。9月末の時点で、9月全体の上昇分の内、約半分は信用取引分の上昇が貢献しています。

現物株に関しては、9月は取引は行っていません。現在所有している現物株の銘柄は、7銘柄です。当初予定していた米国からの送金が行えなかったため、その代替として、日本株ポートフォリオでも信用取引を開始しました。

今の時点では、今回のアクションは良好な結果ですが、信用取引による、リスクの上昇を十分考慮し、全体としてのバランスをとりながら、慎重に取引していこうと考えています。

米国株ポートフォリオ: 9月のパフォーマンス

20070930145112.png

9月は、先月末比で7.3%の上昇となりました。月初はかなり上昇し、その後、追加で積み上げたヘッジ用のオプションがほとんど価値を失い、そのまま失効して、利益を押し下げましたが、後半2週間で挽回し、結果としては先月末より上昇しています。

全体の市場が、FedのFF金利引下げをきっかけとして、大幅に上昇、テクノロジー株の好調から、私のポートフォリオも良好な状況になっています。第3四半期としては、24.3%の上昇、年初から見た場合、62.4%上昇しています。

現時点では順調ですが、下落・損失のリスクも高いため、リスクの低減と今後の投資戦略の見直しを検討しようと思っています。

今週を振り返って (9月24日から9月28日の市場) 

今週の各主要インデックスの動きを以下に添付します。一週間を通してみた場合、S&P 500はほぼ変わらず、DJIは少し上昇、NASDAQは1%弱の上昇となっています。市場全体の流れとしては、先週の後半に引き続き、それ程大きな調整、変動はなく安定してきていると言えると思います。


今週発表された経済指標等は、ほぼ予想通りのものが多く、市場自体も大きく変動することはありませんでした。主なものは以下のものです。

Consumer Confidence: 99.8, 予想よりも低い値 (Negative)
中古住宅販売: 5.5M,ほぼ予想通り、住宅市場の減速・低迷の再確認
Q2 GDP Final: 3.8%,全四半期は4.0%で景気減速、 事前予想は3.9%
失業保険申請件数: 298K,予想は320K、予想外に良かった
新築住宅販売: 795K, 予想は825K,予想以上に市場環境が悪化している傾向
個人消費(Personal Spending): 0.6%増,予想は0.4%増、予想以上に良い数字
コア PCE(Personal Consumption and Expenditure): 0.1%増、予想通り

経済指標は、ほぼ予想通りで、住宅市場は厳しいものの、個人消費は依然として底堅いものがある感じです。一方で、Target等が9月の売り上げ予想を下げてたことを先週発表しており、9月の個人消費は落ち込みそうに思われます。これらの数字だけを取ってみると、Fedが0.5%も金利を下げる必要があったのか?といった疑問がでてきます。原油価格も上昇しており、景気も大きく落ち込まずに、このままの状態で行くと、インフレ懸念が再浮上する可能性は高いと思います。

個人的には、Fedが金利を下げたのは、まだ表面にでてきていないものの、今後の経済動向が明らかに減速するようなデータがあった等、何か金利を下げる必要性を支持する理由があった、と思っています。

株価の動向は、市場の心理に影響される部分も多いので、今の時点では、Fedの予想を上回る金利の引き下げ、ほぼ予想通りの経済指標の結果から、市場は安心を取り戻し、幾分、楽観的なムードになってきている様に思えます。一方で、ドルはユーロに対して、記録的なドル安を更新するなど、ドル安が進んできています。

市場全体としては、主要企業の第3四半期の結果待ちの雰囲気になってきています。尚、今週あたりから、WSJを初めとしてメディアが、テクノロジーセクターに注目、といった記事も目にする様になってきました。これは、私の描いていた期待のシナリオになりつつある展開です。私の場合、仕込みは既に6ヶ月以上前に終わっているので、あとは、10月半ばに所有している株の企業が好決算を発表してくれることに、期待をしています。

自分のポートフォリオも9月は、大きく上下に変動したり、ミスもありましたが、結果的には堅調に推移しています。心配なのは、DOJがほぼ過去最高値に近いところまで値を戻すなど、全体として高い水準にあり、下落の可能性(ダウンサイド)も少なからずあると思っています。また、テクノロジーセクターの株は、Apple, Google, NVidia, Research In Motionといった企業が大幅に上昇し、過去最高値を更新しており、Valuationといった面で過剰に評価されている可能性があり、これらも、今後の状況によっては、下落のリスクが少なからずあると思います。

冷静に状況を見ながら、今後の対応、計画を作っていこうと思っています。

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今日(9月27日)の米国市場 

今日の米国株式市場は、昨日よりも若干高いレンジで安定して推移し、終了しました。各主要インデックスは、昨日終値に比べ、Dow 0.25%, Nasdaq 0.39%, S&P 500 0.39%それぞれ上昇しています。
27-Sep.png

本日発表された、失業保険の申請件数は、15000件の大幅な減少となり、総件数は29万8千件でした。事前予想の数値は32万件で、予想を大幅に下回る良い数値でした。これは、2007年5月からで最も低い数値とのことです。

8月の新築住宅の販売結果が発表されました。一戸建て住宅の販売数は、昨年同期比で8.3%の下落となりました。この落ち込みの幅は、過去37年間で一番だとのことです。販売価格のの中央値も8.3%の下落で、2005年1月からで、一番低い数値とのことです。尚、この結果はアナリストの事前の予想よりも悪い数字でした。

低価格の新築住宅を中心に販売するKB Homeが第3四半期の結果が赤字に転落したことを発表しました。赤字額は、3560万ドル、一株あたり46セントの損失でした。アナリストの事前予想は、71セントの赤字だったので、それよりは良い結果でした。

決算発表席上、KB HomeのCEOは、住宅産業の状況は引き続きさらに厳しくなってきており、2008年もでその状況は続くだろうとの見方を示しています。 KB Homeの株価は本日、2.57%上昇しています。最近、ずっと下がってきていたので、反発した形といえると思います。尚、他の住宅メーカーの株も上昇しているところが殆どです。

ハイテク関係の株は、ここ数日大幅に上昇していたものは、今日は下げているところが多いように思われます。調整的な意味合いが強いと思います。

全体的には、市場が落ち着きを取り戻しつつある感じです。思いのほか安定してきています。個人的には10月の決算発表のころまで、市場がもってくれることに、期待しているのですが、どうなることでしょうか?まずは、明日のGDPの結果が注目です。

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今日(9月26日)の米国市場 

今日の米国株式市場は、午前中小高く、2時ごろにかけて一旦落ちたものの、そこから再度上昇し終了しました。各主要インデックスは、昨日終値に比べ、Dow 0.72%, Nasdaq 0.58%, S&P 500 0.54%それぞれ上昇しています。26-Sep.png

午前中にGMがスト決行中だった労働組合と仮の条件で合意したとの発表があり、これを好感して市場全体は上昇しました。GMの株価は、午後2時以降に急上昇し、前日比で9.36%の大幅な上昇となりました。スト決行となった昨日は、株価は落ちずに、スト解消で大幅上昇ということは、ストが株価に織り込み済みで、解消がポジティブ・サプライズということになります。しかし、先週のメディア等の報道では、合意するとの見方が支配的だったので、本日の大幅上昇は、釈然としないものがありますが、まあ、そんなこともあるということだと、自分に言い聞かせています。

尚、DOWが他のインデックスを上回る結果だったのは、GMの株価の貢献度が高かったためと思います。DOWの企業では、Alcoaが3.97%とGMに次いで2番目の伸びでした。原油の価格も上昇しています。これで、市場が上がっていることが、面白いところです。今週後半に、GDP等経済指標が発表されるので、それらのデータ・結果は、中短期的な株価の動向を見る上では重要な尺度となると思います。

ビジネス的には、厳しい状況に立たされているBear Stearnsですが、本日、New York Timesが、株式の20%程度を外部の投資家・企業に販売することを交渉中であるとの報道が行われました。この投資の候補は、Warren Buffett氏を初めとし、Bank of America, Wachovia, と中国のCitic Group及びChina Construction Bankとのことで、この報道から、Bear Stearnsの株価は、7.67%の大幅な上昇となっています。Buffett氏がBearに対する投資に非常に興味を持っているとのことが、上昇の大きな要因のようです。やはり、Buffett氏の名前は非常に影響力が強いことを象徴するニュースだと思います。

Buffett Said to Consider Bear Stake
By Landon Thomas Jr
New York Times, Published: September 27, 2007

この記事の中にも言及していますが、Buffett氏は87年の市場暴落の後、危機に陥っていたSalomon Brothersに出資し、その後91年に暫定的にCEOに就任したことがあります。最近でも、Countrywide FinancialにBuffett氏が出資するのでは、との噂がありましたが、まさに困ったときの、Buffett氏だのみの感じもします。まあ、Buffett氏が実際に出資することになるのであれば、投資として十分に価値があることを裏付けることだと思います。

一方、Goldman Sachsのアナリストが、Merrill Lynchの第三四半期の利益予測を従来の一株あたり1.95ドルから、15セントに大幅に引き下げ、来年の利益見込みに関しても大幅に下落する見込みとの見込みを示しました。この報道により、Merrill Lynchの株価は一時大幅に下落しましたが、その後戻し、前日比0.51%の下落で終了しています。

CDO等、Structured Finance Productの問題やM&Aブームの終焉等、今まで絶好調だった投資銀行の市場環境は急速に悪化しています。このアナリストの予想の修正は現在の状況に即したものだと思いますが、もしそうであれば、それは、Merrill Lynchだけの問題ではないと思います。一方で、厳しい市場環境・材料の中で、どう対処するかで、明暗が分かれるのも事実だと思います。これは、先週発表になった各主要投資銀行の決算発表の明暗が一つの事例になると思います。

明日以降、今週はGDPの発表、8月の新築住宅の販売状況等が発表される予定です。これらのデータがどうなのか、ポジティブ、ネガティブなサプライズはあるのか、それに対する市場の反応・動きはどうなるのか等、気になることは多々あります。

Fedの金利引下げをきっかけに、DOW Jonesは過去最高のレベルに近いところまで戻してきています。その間、報道された主要なニュースは米国経済の減速を示唆するものが殆どの気がします。個人的には、今の状況は、”Climbing of Wall of Worry”でもなく、“Irrational Exuberance”に思えてなりません。

Wall of Worryに関しては、以前のエントリー、”不安要因を抱えながら、上昇する米国市場 ”で取り上げています。

このエントリーを読み直してみましたが、非常に興味深く感じました。もしよろしければ、是非、読んでみて下さい。

この記事の数週間後に、Liquidityの問題が大きく取り上げられ、大きな調整があり、それに対して、Fedがディスカウント・レートの引き下げを含み積極的な対応を行ったことなど、いまさら読み直すといろいろ考えさせられる部分があります。

(以下、引用)

金利が引き続き低い状態である限り、これ以上のファンドの大きな問題が発生することはなく、外国人は引き続き、アメリカにお金を注ぎ込み、そして、消費者は、購買をやめなければ、流動性資金は引き続き、株を押し上げていくだろう。

Source:
What Could Topple Bulls’ Wall of Worry
WSJ(米国版), July 16, 2007; Page C1

(WSJ引用・要約終わり)

よくまとまっていると、思います。 しかし、私は、これだけいろいろな問題を抱えて、それらが今の時点では何とか抑えられている、と考えています。これらの問題が今後も抑えられる保障はなく、むしろ、何かのきっかけで、今抑えている状況が、崩れる可能性は少なからず、あると思います。

WSJの記事では、上記の結論(フォントに色をつけている部分)で締めくくっていますが、私は、かなり危ない状況になっており、いつトレンドが逆転してもおかしくないと思います。


(引用終わり)

尚、上記、WSJの結論は、Bullの視点での主張で、記事・記者の趣旨は異なると思います。私の上記表現は、WSJ自体の意見のように表現しています。至らない部分がありましたことを、補足かたがたお詫び申し上げます。

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ちょっと気になること 

今日の米国市場は、TargetとLowe'sの事前予想から、小売セクターの米国国内の売り上げ・利益が厳しくなりそうだとの見方が強まっているにもかかわらず、全体としては下がっていません。

セクター別にある程度、細かく見ると、住宅セクターとファイナンスセクターは今日も下がっているところが多いです。テクノロジーが上がっているのは、自分としては歓迎なのですが、何となく、釈然としないものを感じます。

やはり、第3四半期の決算状況を見た上で、判断しようと考えている投資家が多いのでは、と思います。今日は取引株数も少なく、様子見の状況といった側面が強かったと想像しますが、住宅・ファイナンスからテクノロジー等にシフトする動きも出てきているように思えます。

今一番心配なのは、何かがきっかけとなって、大幅な調整、暴落がおきることです。今の時点では、第3四半期の決算前なので、その可能性は低いと思っています。(ほとんどの投資家は、不安があっても、四半期の決算動向を見た上で判断しようと考えているのが大勢だと思うので)

とは言え、このまま、第3四半期の決算発表時期の10月中ごろまで、平穏に済む様には、どうしても思えないです。ただし、あわててポートフォリオをいじったりするつもりはありません。なにがあってもあわてないように、心の準備だけはしておこうと、思っています。

今日(9月25日)の米国市場 

今日の米国株式市場は、開始直後は低く始まりましたが、すぐに戻し、ほぼ昨日と変わらないレベルで終了しています。各主要インデックスは、昨日終値に比べ、Dow 0.14%, Nasdaq 0.58%それぞれ上昇、 S&P 500 は0.03%の微減でした。25-Sep.png

本日発表された、Consumer Confidenceは、8月発表値の105.6から100を切る99.8に下がりました。昨日市場終了後に発表されたTargetの9月の売り上げ予想の下方修正とLowe’sの利益見込みの引き下げは、消費者の需要の冷え込みを予想させるものでしたが、Consumer Confidenceの数値もそれを支持するものでした。

また、住宅メーカーのLennarが、第3四半期の決算を発表し、結果は、事前の予想の一株当たり55セントの赤字を大幅に下回る3ドル25セントの赤字でした。こちらも、本日発表された中古住宅の8月の販売が、年換算で4.3%の落ち込みとの発表で、住宅市場の低迷を裏付ける様な形となりました。

これらの企業の本日の株価は、Target 4.59%、Lowe’s 6.68%、Lennar 3.97%、それぞれ下落しました。下落幅も大きく、また、これらの企業は、セクターを代表する会社なので、該当セクターも株価が下がったところが多かったのですが、心配したほど、セクター全体としては下げ幅はそれほどでもなく、市場全体としては、昨日よりも上回っており、少し意外な展開でした。

テクノロジーに関しては、本日も好調だったところが多かったです。AppleとGoogleは、本日も上昇し、過去最高のレベルにあります。また、衛星テレビ放送のEchoStar Communicationsが、スタートアップのSling Mediaを買収することを発表し、また、将来的に衛星テレビ放送とセットトップ・ボックスの事業を分離する計画を明らかにし、株価は6.82%の大幅な上昇となっています。

EchoStar mulls asset spin-off, buying Sling Media

EchoStarは、衛星テレビ放送の大手で、DirecTVと2社で全米の市場をほぼ独占しています。セットトップボックスも自社製ブランドのものを提供しているのですが、Sling Mediaを買収し、セットトップボックス自体の事業を分離することで、拡販が可能になるのではとの計画・見方を示しています。この計画に市場も好感した様です。わたしも、非常に良いアイディアだと思います。Sling Mediaは、日本でも事業をしているので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、Sonyのロケーション・フリーと似た様な機能を持つ非常にスタイリッシュなデザインの製品を消費者向けに販売している会社です。

http://www.slingmedia.com/indexa.php

Sling Mediaは、私の持つ印象として、ブランド作りのうまい会社とのイメージが強いです。 また、技術的には特筆するようなものはないように思えるので、買収額役3億8千万ドルは、ブランド代のように思えます。かなり高い買い物の様にも思えますが、EchoStarも事業を分離する計画を買収時に発表し、今回の株価の反応を見る限りでは、非常に良い買い物の様に思えます。今日のEchoStarの株価の上昇による時価総額の上昇分は今回の買収額より大きい(約2倍分)です。

私見ですが、今回の買収とその後の事業アイディアのコンセプトはすごく良いのですが、買収額を支持できるような、事業が実際にできるのかどうかが重要です。正直なところ、かなり厳しいと思います。(そういう事は、今の時点では、株価には関係ないことが多いので、独り言です。)

昨日少しふれたEMC, Seagate, Western Digitalといった、データ記憶装置の事業関連会社の株は本日も順調です。これがトレンドとして明らかになった場合、日本の関係する部品会社(例えば、日本電産)等もそのトレンドに沿った動きをしてくるのでは、と思います。 (注) 投資は自己責任でお願いいたします。

テクノロジー・セクターは、比較的順調に推移しつつある様に思えますが、米国の経済動向、現在の株式市場の状況をみると、不安要因も多く、リスクが高まっている気がします。特に、AppleやGoogleは、優良企業で事業も今後順調に推移することが予想されているため、人気も高く株価も順調に上がっていますが、それと同時に下落リスクも高まっている様に思えます。これらの企業が、市場の期待を下回る発表等があった場合、テクノロジーセクター全体への影響も大きいため、注意が必要だと思います。

私のポートフォリオも、先月の大幅上昇に対して、反落の不安がありましたが、今の時点では、今月も何とかプラスです。このまま、今月を乗り切って、来月の決算発表に期待をしたいと思っているのですが、思惑通りに展開するか、少し心配です。どの様な状況になっても、落ち着いて対応できるように準備だけはしておこうと思っています。

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今日(9月24日)の米国市場 

今日の米国株式市場は、午前中は先週末に比べ小高く推移していましたが、午後になってから下落し始め、各主要インデックスは、昨日終値に比べ、Dow 0.44%, Nasdaq 0.12%, S&P 500 0.53%それぞれ下落しています。24-Sep.png

本日は、特に全体に影響がある様な、決算発表、経済指標等の発表はありませんでした。主なニュースとしては、UAW(全米自動車労働組合)がGMとの話し合いが決裂となり、ストライキを行うことを発表しました。先週の時点では、交渉はまとまりそうだとの見方が強かったのですが、一転してストの方向に向かったようです。GMの株価は、本日0.57%減で、今の時点でこのニュースによる株価への影響はそれ程ではなかった様です。

主要インデックスを見た場合、先週末と比べてそれ程大きな変動はない様に見えますが、個別の株、セクターによっては、かなり上下に差があった一日の様に思えます。

目に付いた株価の動きを、セクターごとにまとめ以下に記します。
20070925152009.png

テクノロジ-

テクノロジーの主要企業は、堅調に推移したところが多いように見受けられました。上記表には載せていませんが、MicrosoftやGoogleもそれなりに順調でした。Googleは550ドルを突破しています。アップルも過去最高値に近い値です。

今日のNASDAQの上昇のトップはEMCでした。2人のアナリストがレーティングをアップグレードしたことが主な理由の様です。上記にはありませんが、ハードディスク・メーカーのSeagateやWestern Digitalも順調に上昇しています。ストレージ関連は、今後、堅調に推移していくことが予想されているので、株価の上昇は、妥当だと思います。(業界の人間から見ると、新しい話では、まったくないのですが、こういった話や株価の動きは、業界内の人間が考えるのと、実際の市場の値動きとでは、時期が大きく差があることが、多々あります。)

市場全体が不確定要因が多いので、テクノロジーの株でも上がっているのは、売り上げ、利益が、比較的安定していて、今後のビジネスがかなりの確度で好調に推移すると見られているところに、人気が集まっているようです。HP, Ciscoは今日下がっていますが。。。

ファイナンス

Goldman Sachsを除いて、ほとんどのファイナンス関連の会社の株価は下落しています。先週好調だったCountrywideは6%を越える大幅な下落となっています。これは、先週の大幅な上昇に対する調整的なものでは、と思います。Goldman以外の主要投資銀行は今日は比較的大幅に下落しています。

住宅関連

住宅関連の会社は、ほとんどの会社の株が下落しています。下落の幅も大きいところが目につきました。先週に上昇していたところが多かったので、調整的な意味合いがあるのでしょうが、それにしても、かなりの下落幅だと思います。FedのFF rateのカットで先週上昇しましたが、それが、住宅セクターの回復に即、効果があるわけではないので、先週の上昇自体が行き過ぎだったとも言えるので、その反動が起きた、とも言えると思います。

小売

小売関連も、ほとんどの株が下落しています。市場終了後に住宅関連の部材等の小売大手のLowesが今後の売り上げ見込みを下方修正することを発表し、アフターアワーズで株価は、6%を超える下落となっています。また、Targetも同様に見込みの下方修正を発表し、アフターアワーズで大きく下落しています。

明日の小売関連のセクターは下落する可能性が高いと思います。また、LowesとTargetの下方修正は、米国国内経済の減速を示すもので、市場全体への影響も考えられます。明日はかなり下がる可能性もでてきました。

先週市場全体がかなり上がっているので、こういった悪いニュース等が引き金となって、明日以降、反動で大きく下落する可能性もあると思います。

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今週を振り返って 

今週を振り返って (9月17日から9月21日の市場)

今週の各主要インデックスの動きを以下に添付します。火曜日のFedの発表後大幅に上がり、その後の3日間は、市場全体の流れとしては、それ程大きな調整、変動はなく安定していると言えると思います。
20070922133803.png

ただし、個別の株、セクター間での動きはそれなりに大きいところも見られました。参考までに上記の主要インデックス(DOW, Nasdaq, S&P 500)にGoldman SachsとBear Stearnsの株価の動きを追加すると以下の様になります。
20070922133857.png

今週の大きな動き・ニュースは、火曜日のFedのFF金利の0.5%の削減の発表でした。主要投資銀行の決算は、全体としてみた場合、想像以上に悪いニュースはなく、むしろ、Goldmanを筆頭として、予想外に良かったといえると思います。 今週のエントリーでも触れましたが、Morgan Stanleyの次期CFOは、決算発表の場で、「最悪の時期(底)はもう過ぎた」との発言もあった位でした。

一方で、住宅着工開始数等のデータでは、住宅セクターの市場が依然として下落・低迷の傾向にあることを示しています。ドルは主要通貨に対して過去と比べて、非常に低い水準にあります。また、オイル、金の価格が上昇しており、ドル安と合わせて、インフレの懸念も高まってきています。

この様に、不安要因も多い一方で、ビジネスが順調に推移しているニュースも依然多く目にします。

最近の例として、マクドナルド、ナイキ等に代表されるように、グローバルに展開している企業は、決算も好調なところが多く、事業が比較的順調にいっているように見受けられます。また、テクノロジー・セクターのIntel, Seagate等が第3四半期の売り上げ予想を上方修正したり、昨日のOracleの様に好決算を発表しているところがあります。

これで、一旦、後半の山場の第一弾は終了だと思います。次の大きなイベントは10月に入ってからの、主要企業の第3四半期の決算結果だと思います。ただし、現在の米国の株価の水準は、DOW Jones等を見ても、今週終了時点で13820ポイントと、過去最高にかなり近い水準まで戻してきており、今の市場環境、今後の動向を考えると、どう考えても、ダウンサイドが多くあるように思えます。

10月決算の発表前に、すでに公表している企業の事前予想と大きく異なる場合、事前に予想修正を発表するケースがあります。(悪いニュースとは限りません) 予想外のProfit Warning等のニュースがあった場合、全体の株式市場に与える様なケースが起こることも、考えられます。

引き続き市場の動向に注視していきたいと思います。

尚、私のポートフォリオは、ヘッジ分のPutオプションのほとんどが今週末で期限切れとなってしまい、来週からは、またかなり強気なロングのポジションになってしまっています。(ほとんどすべてがロング、しかもレバレッジがかかっている) 自分としては、10月半ばまで市場が持てば、ポートフォリオもかなり上がると期待しているのですが、そうならない場合の市場シナリオに対しての、カードを持っていないので、対策を検討しようと思っています。

今回のヘッジのかけ方の失敗は、依然として尾を引いています。

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今日(9月20日)の米国市場 

今日の米国株式市場は、昨日終値に比べ若干下落して終了しました。各主要インデックスは、昨日終値に比べ、Dow 0.35%, Nasdaq 0.46%, S&P 500 0.67%それぞれ下落しています。20-Sep.png

注目の主要投資銀行、Goldman SachsとBear Stearnsの決算が発表されました。Goldmanは、昨年同期比で利益が79%の上昇と、大方の事前予想を大きく上回った好決算でした。一方のBear Stearnsは対照的に、事前予想を下回る62%の利益ダウンで対照的な決算結果でした。

Goldmanの場合、主に企業買収向けのローンで、14億8千万ドルの損失を計上したものの、その他の事業が好調だったとのことです。クレジットロスは実際は17億1千万ドルだったとのことですが、住宅ローンに対する空売り(モーゲージに対するショート)のヘッジにより、差し引きで14億8千万ドルの損失だったとのことです。また、8月の前半に明らかになったした、Global Equity Opportunities fundが大きな損失を出した後に、20億ドルを追加投資したことを発表していましたが、追加投資後、GEOファンドは16%上昇しているとのことです。損失後、かなり上手く短期的に運用していると思います。

Bear Stearnsは、破綻した2つのサブプライム関連のヘッジファンドの2億ドルの損失だったとのことです。

Goldman Sachsの結果は正直驚きです。多少、決算結果内容をいじった等の小細工でなく、文字通りの好決算だと思います。尚、モーゲージに対するショートのヘッジはLehmanもしており、逆にMorgan Stanleyはしてなかったとのことで、ヘッジの有無が決算結果の明暗を分けた、特に事前予想に対しての差の、一因となっているようです。もしそうだとすると、逆にセグメント・マーケット全体のファンダメンタルズとしてどうなのかが、今後の収益動向に関わってくるので、予断は許さないと思います。

主要投資銀行4社の本日の株価の動きを以下に添付します。
20070921094122.png

Goldman Sachsは決算発表後2%程度高かったのですが、その後落ちていって、前日比マイナスで終了しました。ただ、前日も上がっているので、利益確定が多かったためだと思います。逆に、決算結果が悪かったBear Stearnsは日中はかなり上昇し、その後下がりましたが、4社の中では最も下落幅が少なかったです。これは、恐らく悪い材料は既に株価に織り込まれていて、さらに空売りの解消等で、日中は一旦上昇したのではないかと思われます。

投資銀行以外の注目の主要企業の決算発表は、日中は、Circuit Cityが予想を超える大幅な赤字の決算を発表し、株価は18%の大幅な下落でした。また、FedExも利益の予想を下げる発表をし、株価は2.9%下がっています。

これらの企業の業績低迷や原油価格のさらなる高騰、ドル安の加速等で、市場の不安は高まっています。

一方、市場終了後に、オラクルとナイキが好決算を発表し、アフターアワーズの取引で株価は上昇しています。不安要因はあるものの、グローバルに事業を展開している会社、ハイテク関連の会社は、比較的堅調、会社によっては非常に順調にビジネスを継続している様に思えます。

企業間、セグメント間の差が今後注目され、株価においても明暗が分かれてくる可能性もあるかと、思います。尚、ここにきて、FedとBank of Englandの積極的な市場対応は、モラル・ハザードを招くのでは、との懸念が高まってきています。WSJやFTでも、Emerging Marketへの投資が注目といった様な記事もでてきました。一歩まちがうと、今度は、場所を移しつつ将来のさらなるバブルへと市場が向かう可能性もでてきました。一方で、米国、ヨーロッパの市場での景気減速の可能性も高まってきていると思います。

引き続き、市場の動き、流れに注意が必要だと思います。

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今日(9月19日)の米国市場 

今日の米国株式市場は、午前中は昨日の勢いを継続するかのように上がっていきましたが、午後から少し下がり、昨日終値に比べ若干上昇して終了しました。各主要インデックスは、昨日終値に比べ、Dow 0.55%, Nasdaq 0.56%, S&P 500 0.61%それぞれ上昇しています。
19-Sep.png

午前中に、Morgan Stanleyが決算を発表しました。結果は、アナリストの事前予想より低い数字でした。株価は、発表後は(なぜか)上昇していましたが、昼前から下がり始め、前日比2.16%下落しています。

関連記事:Morgan Stanley profit hit by credit crunch

上記記事の中で、次期CFO(Chief Financial Officer) Kelleher氏が、「最悪の時期は、終わったと思う。」「我々は、明らかな回復の兆候が見られる」との発言があります。この発言自体は、事実とすれば、非常に良いニュースだと思います。(個人的には、同意できません)

明日決算発表予定の、Goldman Sachsは、本日の株価は、昨日に引き続き上昇し、前日終値比で2.49%上昇と堅調に推移しています。一方、Goldmanと同様に明日決算発表予定のBear Stearnsは2.99%下落しています。この2社の決算結果は、非常に注目されていると思います。結果と内容によっては、株式市場全体にも影響があると思います。

以下に主要投資銀行4社の本日の株価の動きを添付します。
20070920083624.png

Goldman Sachsは好調でしたが、それ以外は前日比マイナスになっています。これまでは、これら4社の株価の動きは、比較的同じように推移していましたが、明日のGoldmanとBear Stearnsの決算結果と内容に差が大きくある場合、今日の様な形で、投資銀行間の格差が今後大きくなってくる可能性があります。ただし、個人的には、Bearは問題が明らかになっていたので、その辺りが7月8月の収益、マーケットシェアに影響があったと思いますが、中長期的には、時期の差こそあれ、各社同じ様な状況になっていくのではと思っています。

明日は、GoldmanとBear Stearns以外にも、FedEX, Nike, Circuit City, Oracle等が決算を発表するので、それらの企業の結果、今後の見通しも非常に重要だと思います。発表内容によっては、さらなる波乱がありそうです。どうなることでしょうか?
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今日(9月18日)の米国市場 

今日の米国株式市場は、午後2時15分に発表されたFedの金利引下げニュースの後、大幅に上昇して終了しました。 各主要インデックスは、Dow Jones Industrial 2.51%, Nasdaq 2.71%, S&P500 2.92%前日の終値に比べ、上昇しています。18-Sep.png

市場開始前にLehman Brothersが8月31日締めの決算を発表、アナリストの事前予想を上回る一株あたり$1.54の利益でした。この発表から、午前中のLehmanの株は2%程度上昇していましたが、FOMCの声明の発表後、大幅に上昇し前日比で10%以上上がっています。

関連記事:Lehman Brothers Reports Third Quarter Results

家電大手のBest Buyも決算を発表、こちらもアナリストの事前予想を上回る好決算でした。

Best Buy 2Q Earnings Rise 8.7 Percent

上記2社の好決算発表に加え、PPI(Producer Price Index)も1.4%の大幅な落ち込みで、インフレ懸念の後退と言う、市場にとって好ましい結果でした。

この様な明るい午前中のニュースの後、待ちに待ったFedの発表は、0.5%の金利引下げでした。

ファイナンスセクターの株は、当然のことながら大幅に上昇しています。主だったところで、Goldman Sachs 6.87%. Morgan Stanley 5.55%, Bear Stearns 3.31%, Merrill Lynch 4.08%, 前日比に比べ上昇しました。それにしても、Lehmanの結果は予想外に良かったので驚きです。株価も10%上昇で、すごかったです。

私のポートフォリオは、ヘッジ分のPutオプションがほとんど価値がなくなりました。ロングの部分が上昇しているので全体としては、プラスでしたが、比率的に低いヘッジの部分の損失はかなりの額でした。
以前から申し上げていますが、私の見込みとしては、10月の決算発表まで市場がもてば、自分のポートフォリオはかなり上昇すると期待しています。実は、今月前半には含み益が大幅に上昇したものが、今回の投資戦略の失敗によって大きく後退してしまっています。

結果論として、うまくいかなかったと言うことでなく、リスクの考え方とそれに対する対応がまちがっていたので、それに気づいたことは収穫でしたが、結果としてはかなりの費用がかかってしまいました。今回の投資戦略の失敗は非常に勉強になりました。 今後に生かすと言う意味で、気分を切り替えていこうと思います。

本日は、良いニュースが重なりましたが、他の投資銀行の決算結果の動向、今後予想外の悪いニュースが明らかになる可能性も少なからずあります。Fedの今回の決断の背後には、相当深刻な問題が潜んでいるからだと思います。株価は、上昇していますが、さらなる注意が必要と思います。

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ここが正念場か? 

明日から、特に短中期の観点で非常に重要な発表が続々と発表されます。

主要なところで、明日、市場開始前に、投資銀行大手のLehman Brothersが決算結果を発表します。また、家電小売最大手のBest Buyも四半期決算結果を発表します。Best Buyの結果は、消費者の購買動向がスローダウンしているのか、を判断・予測する上でも重要な発表です。

午後は、なんと言ってもFedの金利政策の発表だと思います。金利の設定結果はもちろん重要ですが、Fedの現在、今後の市場に対する見方、などを知る上でも、非常に重要です。

Producer Price Indexの発表も控えており、これらの指標、情報は非常に重要です。

いったいどうなることやら。。。結果待ちの非常に受動的なモードに陥ってしまいました。今回のミスを今後に生かせるようがんばっていこうと思います。

(仕事がちょっと忙しいので、更新は簡単にすませています。
申し訳ございませんが、よろしくお願い申し上げます。

今週・今後に向けて-私の見方 

今週は、FOMCの金利政策の発表、主要投資銀行の決算発表等、今後の動向を占う上でも非常に重要な局面と思われます。また、PPI (Producer Price Index), CPI(Consumer Price Index)等、インフレ動向の指標となる数値も発表されます。株式市場も、これらの結果・内容によって、大きく変動する可能性があります。

Fedの金利に関しては、金利を下げることはほぼ確定と見ており、下げ幅に関しては、0.25%か0.5%のどちらになるかが、注目されています。メディア等の見方を見ていると、0.25%と想定している方が多いように見受けられます。

投資銀行の決算に関しては、今まで続いてきた好決算から、一変して厳しい結果になるであろうとの予測が大勢だと思います。どれ位厳しいのか?、その後の見通しはどうなのか?といったところが、注目されている主要な点だと思います。

Fedの金利政策と今後の対応、投資銀行の決算動向は、非常に重要だと思いますが、冷静に考えてみると、例え今週の発表が予想以上に良いものであったとしても、その後、市場を上に引っ張っていく様な材料はほとんどない様に思えます。

例えば、Fedが金利を引き下げ、今後も段階的に下げる様なシナリオを想定した場合、市場、景気の動向は下向きになっていると推定されます。逆に言えば、株式市場が上昇を続ける中、Fedが金利を引き下げていくとは思えません。

投資銀行の今後のビジネス動向に関しては、M&Aブームの終焉、ABCPの処分、投資活動全般の停滞、等が今後、予想され、市場環境は非常に厳しいと推定しています。例え今回の決算結果が、それ程悪くなく、もしくは良かったとしても、今後は相当厳しい状況になると思います。言い換えれば、今後、投資銀行・ファイナンス・セクターの株が上昇する様なシナリオをサポートする材料は非常に少ないと思います。

既に、住宅、自動車産業等は低迷期に入っており、来年いっぱいは厳しいとの見方が大勢をしめています。救いは、全世界の経済動向、BRICsが依然として好調なことだと思います。これらのこと、今後のドル安の可能性等を考慮した場合、ブルーチップが魅力的なのは自然な流れだと思います。実際、先週はその様な見方から、ブルーチップが買われたと思います。

ただし、米国景気が減速すると仮定した場合は、ブルーチップの収益、株価の上昇余地は限られていると思います。

以上、現在の状況、今後の展開を考慮すると、今週の発表がどうであれ、中長期的な流れはほぼ見えてきている気がします。先週のエントリーにも書きましたが、短期のショート(今週末で期限が切れるプット・オプション)を積み上げてしまいました。 このアプローチだと、今週の発表の結果と株価の動向次第の様な状況になっており、非常に硬直的な状態に陥ってしまっています。 本来、自分のとるべき戦略としては、レバレッジを落とし、ポジションを軽くして、展開によって(大幅な下落等があった場合)、買い増しを行う、等だと思っています。

済んでしまったことは、仕方がないので、今週の結果、株価の動向を注視していきたいと思います。いずれにせよ、今週の末には私のポジションは、少なくとも一旦は、軽くなるはずなので、何とか今週を乗りきって、今後に向けた仕切り直しをしていこうと考えています。

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ゴールドマン・サックスのヘッジファンドのアップデート 

本日、9月14日のWSJの記事にゴールドマン・サックスのヘッジファンドのアップデートがありました。

Goldman Hedge Fund Had Worst Month in August
By Henny Sender
Wall Street Journal, September 14, 2007/09/14
C2

Market Watchでも、ほぼ同じ内容の記事が掲載されています。

Goldman's Global Alpha fund drops 22.5% in August
Bank's largest hedge fund has worst ever month amid currency, quant turmoil

上記の二つの記事の要約ですが、ゴールドマン・サックスの旗艦ファンド、Global Alphaの8月のパフォーマンスは、22.5%下落で、これはこのファンドの過去最悪の結果だったそうです。年初からのパフォーマンスは、33.4%下落で、これもかなり悪い状況です。昨年も9%の下落だったそうで、これでは、今後解約が相次ぎそうです。

Global Alphaは、為替、株、債権等、幅広い投資対象に対して、様々な戦略を使用するファンドとのことです。株に関しては、マーケット・ニュートラルを使用しているとのことで、8月の大幅な損失は、この戦略が裏目にでてしまったことと、為替で円が下落することにポジションを置いていたため、とのことです。

ヘッジファンドは、基本的に、ハイリスク・ハイリターンなので、これまでの様に、今のような市場環境になってきた場合、損失を被るファンドがでてくるのは、いたし方のないことですが、大きな資金を運用する、大手の旗艦ファンドの大幅なロスは、ヘッジファンド業界全体にも影響を与える可能性があると思います。

恐らく今後、ヘッジファンドの解約、規模の縮小が目につくようになってくるのでは、と思います。

尚、今月はじめのエントリー、”9月の米国市場の注目点”で以下のように書いています。

以下、一部抜粋。

ヘッジファンドの収益動向、解約の規模

4.Goldman SachsのGEO等が代表的ですが、8月前半に損失を出したヘッジファンドの解約がどの程度だったのか、注目されます。8月の解約に関しては、それ程の規模ではないと想像しています。また、8月後半2週間は、利益を上げたところが多かったと想像しています。しかし、収益が悪かったところ、今後の収益の動向によっては、大規模な解約に発展する可能性があり、もし、そうなった場合、市場への影響もかなりのものになることが想定されます。

(引用、抜粋終わり)

ヘッジファンドの解約、レバレッジの引き下げ等は、短期的には市場の下落要因として、少なからず影響があると思います。今後の状況によっては、ヘッジファンドがらみの新たな問題が出てくる可能性があると思います。

尚、参考までに過去の関連のエントリーを以下に記します。

ヘッジファンドのパフォーマンス

ゴールドマン・サックスのヘッジファンドの問題

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今日(9月13日)の米国市場 

今日の米国株式市場は、全般的に堅調に推移しました。各主要インデックスは昨日終値に比べて、DOJ
1.00%, Nasdaq 0.35%, S&P 500 0.84%、それぞれ上昇しました。
13-Sep.png

ドル安とオイル高の中、グローバルにビジネス展開しているブルーチップ企業が買われたとのことです。実際、DOW Jonesが他のインデックスよりも上昇しているので、その見方を裏付けていると思います。

今日の主要なニュースとしては、GMが組合と健康保険その他の条件の交渉が(順調に)行われたとの報道から、株価は10%も上昇しています。また、Countrywide Financialが120億ドルの融資枠を確保(入手)したとの発表から、株価は14%近くも上昇しました。Countrywideに関しては、ここ数日、下げていたので、反発的な側面もあるとは思いますが、それにしても、一日で14%の上昇はすごいと思います。ちなみに、ビジネス環境が改善したわけではなく、破綻等の可能性が今の時点では低いと言う、見方もできると思います。また、マクドナルドが、配当の引き上げを発表したことから、株価は過去最高値を記録しています。

来週のFOMCでFedが積極的な政策を発表するのでは、との期待が高まっている様です。FF rateの引き下げだけではなく、合わせて、さらに大幅なディスカウント・レートの引き下げをするのでは、との見方があるようです。(ちなみに、ディスカウント・レートの設定はFOMCではないのですが、Fedの政策には変わりないので、効果的なので一緒に発表するのでは、とのことです。)

これらのことからなのか、本日は投資銀行の株価は、大幅な上昇をみせています。主なところでLehman Brothers 4.56 %、Bear Stearns 4.34%、Morgan Stanley 5.25%, Goldman Sachs 3.25%, Merrill Lynch 2.99%、それぞれ上昇しています。決算発表前にも関わらず、ここまで上がるのは、Fedへの期待と、決算自体もそれ程悪くないのでは、との期待が高まっている様に思えます。それにしても、行き過ぎの様な気がしますが。。。明日、そして来週は、これらの株は、どう動くのでしょうか?

私のポートフォリオは、今日は大幅に下がってしまいました、ヘッジの積み上げ分が大幅なマイナスとなり、また、私の主力株も今日は下がっていたところが多かったので、致しかたありません。今日下がったからと言うことではないのですが、やはり昨日書いたように、投資戦略として、ヘッジのかけ方のミスが損失を広げることとなってしまいました。

Fedの発表と、投資銀行の決算結果によっては、市場は乱高化する可能性もでてきました。日々のニュースや株価の動向に惑わされず、冷静に状況を判断し、適正な対応をとるべきだと考えています。少し頭を冷やして、来週に向けての準備をして行きたいと思います。

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今日(9月12日)の米国市場 

今日の米国株式市場は、変動幅も比較的少なく、各主要インデックスは前日終値とほぼ変わらないで終了しました。12-Sep.png

今日の主なニュースとしては、ドルがユーロに対して過去最低の値を記録したこと、Henry Paulson 氏(Treasury Secretary)がサブプライムの問題解決までには時間がかかるだろうとの見方を示したこと(はっきり言って、周知の事実なので、新しいニュースと言う様なレベルではないと思います。多少、先月のブッシュ大統領の発言をフォローする様な側面もありますが。。。)、TIが第三四半期の売り上げの見込みのアップデートをしたこと等位です。

本日、株価の動きで目立ったのは、来週四半期の決算発表が予定されている、Lehman Brothersが3.44%、Bear Stearnsが2.24%、それぞれ上昇しています。他のファイナンスの主要企業の株価はそれ程、大きく動いていない中、この2社の株価の上昇は目立っていました。尚、Countrywide Financialは1.54%下落し、ここのところ、大きく下げています。住宅関連の企業の株価も下落しているところが多かったです。

明日も、市場に大きな影響を与えるような、決算発表等は予定されていないので、Fedの金利政策の発表予定の来週火曜日までは、市場は様子見の状況になりそうです。 後は、投資銀行の決算発表の結果に非常に注目が集まってきています。

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ちょっと失敗 

昨日のエントリーに書きましたが、自分の現状のポートフォリオのリスクのアセスメントの結果から、下落リスクへのエクスポージャーが大きかったため、本日、ショートのポジションを追加しました。具体的には、Putオプションを追加しています。これは、来週末で期限がきれるものなので、本当に短期の保険です。

昨日のエントリーからの抜粋です。

「今回のリスクアセスメントの結果から、アップサイドとダウンサイド、リターンとリスクを考慮した場合、もう少しリターン追求ではなく、リスク対応に重点を入れた構成にした方が良いと思いました。」

リスク・ヘッジのためにやったのですが、よく考えてみたら、不確定要因を上げるだけになってしまったことに気がつきました。言い換えれば、”下落のリスク”に対してはある程度なっていますが、”タイミング・リスク”を高めることになってしまい、結果として、本来の目的である、”リスクの低減”にはなっていません。

来週の株価が下がれば、恐らくプラスになりますが、逆に上がれば、マイナスです。投資の戦略として重要なのは、できるだけ不確定要因を減らすことだ、と考えているのですが、それに反するアプローチをしてしまいました。

冷静になって考えてみると、ショート(しかも短期の)を追加するのではなく、追加投資の余力を残しておいて、万が一、大幅に市場が下落した場合は、状況に応じて追加投資を行う方が、不確定要因が少ないので、良かったと思います。

今後に生かすための反省として、ブログの方にも書き残します。

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リスク・アセスメント 

今日の上昇もそうですが、8月の調整から、現在市場は、不安要因を抱えながらも、持ち直しつつあると思います。ただ、ダウンサイドは多くあり、状況によってはかなり下落する可能性もあると思います。

特に私の場合、米国株式市場の投資には、オプションやマージン(信用取引)を使用しているので、下落時のリスクを十分に把握しておくことが重要と考えています。

大まかではありますが、リスクのアセスメントをしてみました。今の時点で、最悪のシナリオに近いケースとしては、現状の株価から20%近い下落をすることを想定してみました。このシナリオにおいて、私の所有株が一律20%下落したと仮定した場合、レバレッジ等の関係から、計算値として所有株式の含み資産額が75%程度下落することが、予想されます。

これは、恐らくある程度、現実的な想定しうるレベルとして最悪の状況だと思います。(もっと悪い可能性も当然ありますが。。。)ただし、自分としては、市場が仮に20%下落したとしても、自分の保有株は相対的には、市場全体ほど下がらないのでは、と思っています。(下落に対する耐性がある銘柄を中心に選んでいるつもりなので。。。)

尚、ヘッジとしてある程度ショートをかけているものがあり、市場が大幅に下落した場合、それを処分し、保有株の積み増し、または、新たな株の購入をする予定です。これらが、中期的には、ポートフォリオのパフォーマンスを持ち直すことに貢献することを、期待・想定しています。

このアプローチは、実は、8月の半ばの下落時にも行っています。幸いなことに、その時、買い増しした株が順調に戻してきたので、8月はかなり良いパフォーマンスとなっています。いつも、この様にうまくいくとは考えていませんが、下落時のリカバリーの戦略として、今回も用意しています。

一方、市場が全体として10%程度、上昇した場合は、逆に私のポートフォリオは25%位は上昇すると見積もっています。今の時点で、市場全体が20%上昇することは、アップサイドのシナリオとしては想定していません。(予想ははずれですが、なればラッキーです)

今回のリスクアセスメントの結果から、アップサイドとダウンサイド、リターンとリスクを考慮した場合、もう少しリターン追求ではなく、リスク対応に重点を入れた構成にした方が良いと思いました。

日本株に関しては、基本的に現物のみ、長期保有が鉄則です。こちらの方も少し、シナリオを含めて、リスクのアセスメントと投資戦略をもう一度見直ししようと思っています。

来週に向けて、今週末までにいろいろ準備をしようと考えています。と言っても、基本的には、心の準備が中心になると思います。ブログにも、準備に関しての内容等を掲載するつもりです。

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今日(9月11日)の米国市場 

今日の米国株式市場は、全体的に堅調に推移しました。各主要インデックスは、DJIが1.38%, S&P 500 1.36%, NASDAQ 1.50%それぞれ上昇しました。11-Sep.png

今日の主なニュースとしては、McDonald’sが8月の売り上げが、前年と比べ8.1%上昇したとの発表がありました。マクドナルドの株価は本日、3.21%上昇しています。これは、先週発表された、主要小売店の8月の販売状況が好調だったことに引き続き、良いニュースだと思います。また、ハードディスクドライブ大手のWestern Digitalが、売り上げ予想の引き上げを行いました。これも、昨日のIntelの売り上げ上方修正に引き続き、良いニュースだと思います。

その他、原油の先物価格が過去最高値を記録したこと、Countrywide Financialが新たな資金援助先を探していることなどが、主な本日のニュースだと思います。(この二つはあまり良いニュースではないと思います。)この様に全体的にはそれ程大きなニュースがないにもかかわらず、本日大幅に上昇したのは、Fedの金利引下げに期待が高まっているとのことです。

参考記事: Stocks End Higher on Hopes for Rate Cut

あまり過度に期待が高まると、来週のFedの金利発表、投資銀行の決算結果の状況によっては、反動が大きくなる可能性があるので、少し警戒が必要だと思います。いずれにせよ、今週は様子見で、来週が勝負どころだと思います。勝負どころといっても、私は、今の時点では、今週、来週は取引をするつもりはありませんが。。。自分としては、何とか今月を乗りきって、保有株の来月の決算発表に期待をしたいと考えています。

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今日(9月10日)の米国市場 

各主要インデックスは、上下に動いたものの、終値は先週末とほぼ同じレベルで終了しました。先週終値に比べて、DJIが0.11%上昇, S&P 500 0.13%,下落, NASDAQ 0.26%下落しました。10-Sep.png

今日の主なニュースとしては、AppleがiPhoneを100万台販売達成したことを発表しました。当初の予定では、9月末までに100万台販売することが目標だったので、目標を前倒しして達成したことになります。市場はこれを好感して、Appleの株価は本日3.8%の大幅な上昇となりました。

先週、iPhoneの価格を200ドル引き下げる発表をして、iPhoneの販売が思わしくないのではないか、との懸念がありましたが、それを払拭するニュースだったと思います。しかし、販売が好調にも関わらず、なぜここまで大幅な値下げをしたのでしょうか?当然のことですが、何か理由があるはずです。今回の値下げは、ほぼ33%に相当するので、その分一台あたりの利益が減るわけで、かなり思い切った価格戦略・政策だと思います。いずれにせよ、iPhone 100万台販売達成はAppleにとっては良いニュースだと思います。

Intelも第三四半期の売り上げ予想を上方修正したことを発表しましたが、こちらは、午前中は株価は上がったものの、その後下落し、先週末に比べ0.47%の下落となっています。

ファイナンス関連の大きなニュースとしては、billionaireのJoseph Lewis氏が、Bear Stearnsの株式の7%を取得したことが明らかになりました。SECのファイリングによると、Lewis氏は、8月6日から9月4日の間に取得したとのことです。このニュースからか、株価は2%以上上昇しました。その他の主要投資銀行に関しては、Goldman Sachsも2 59%、Lehman Brothers 1.7%, Morgan Stanley 0.93%上昇しています。これらの会社は、来週に決算発表が予定されており、結果に注目しています。

一方、大幅な人員削減を金曜日の市場終了後に発表したCountrywide Financialは、本日5.49%の大幅な下落となっています。

住宅建設販売会社の株は、本日は、ほとんどが大きく下げています。目立ったところでは、Meritage Homes 7.48%, KB Home 4.62%, Centex 3.1%それぞれ下落しています。

市場全体としては、先週末とほぼ変わらずに終わりましたが、日中の上下の変動幅も大きく、また、各セクターによっての差もあった様に感じます。18日のFedの発表までは、方向性があまりはっきりしない状況が続きそうです。逆に来週は、Fedの金利の発表、投資銀行の決算発表があるので、前後から大きく動きそうです。

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ジム・ロジャーズの意見 

FORTUNEの9月3日号に、'Crisis Council'と言うタイトルで、著名な投資家、業界の人物、エコノミスト、政治家(Henry Paulson)等の意見をまとめた特集が掲載されています。

バフェット氏ももちろんその中に含まれていて、まだ、全ての人の意見を読んでいないのですが、読んだものは、全て非常に興味深い、内容でした。その中で、ジム ロジャーズの意見の記事に関しては、私が思っていることと、ほとんど同じだったので非常にびっくりしました。(レベルもやっていることも全然違いますが。。。)

私はジム ロジャーズに関しては、有名な投資家であることと、一度テレビで特集されたのを見た程度で、正直なところほとんど知りません。(中国をはじめとする新興市場に早くから目をつけていたり、商品先物取引のブームを予言したりした、等で有名な、相場観がすごい人だと言うこと程度です。)

7月にまろさんの「投資を楽しむ♪」のブログで、”ジム ロジャーズが中国以外の新興国の株を売った”と言う記事を見て、少し気にしていました。その後の市場の展開を見ると、やはり、すごい相場観を持っている人だなあ!と勝手に感心していたのですが、今回のフォーチュンの記事の内容には思わずうならされました。

ジム ロジャーズ氏のフォーチュンの記事に関して、引用と私の要約(意訳を含みます)とコメントを以下に記します。

尚、市場の見方に関しては人それぞれなので、あくまでもこれは、一意見だと思います。

Market corrections are coming.
Jim Rogers
Founder of the Rogers Raw Materials Index

Source:
Crisis Council
Fortune, September 3, 2007

We've had the worst bubble in credit we've ever had in American history. As the bubble got bigger and bigger, it spread to emerging markets and leveraged buyouts and all sorts of things. And it hasn't been cleaned out yet. I don't think you can have a bubble like this and clean it out in six months or even a year. It has always taken longer.

我々は、アメリカの歴史において、かつてないクレジットにおける最悪のバブルを抱えています。そのバブルはどんどん大きくなり、エマージングマーケット(新興市場)やレバレッジ・バイアウト、その他もろもののことに広がりを見せています。そして、それは、きれいに片付いていません。私は、この様なバブルを抱えて、それが半年、あるいは1年程度で片付けることはできないと思います。もっと時間がかかるでしょう。

Look at homebuilders, for instance. Historically, when an industry goes through a retrenchment like this, you have two or three big companies going bankrupt and most of the companies in the industry losing money for a year or two or three. Well, we haven't gotten anywhere near that in the homebuilding business, so I think that bottom is a long way off. As far as the credit bubble, we have another several months, if not more, of mortgages that are going to reset and people who are going to find themselves with even higher monthly payments. There are many, many more losses to come, most of which we won't know about for weeks or months.

例えば、住宅建設業界を見てみましょう。歴史的に、産業(業界)が今回の様な退潮を経る時、2つや3つの大きな会社が倒産し、業界内の会社のほとんどが、一年、二年、もしくは三年の間、損失を被ることになります。(これは、2001年のテロの後の航空業界の状況が、最近の事例としては近いと思います。)住宅建設業界は、この様な状況に近い形に、まだ(少しも)なっていません。 ですから、わたしは、底はまだまだ先だと思っています。クレジット・バブルに関しては、住宅ローン(の金利)がリセットされ、人々がさらに高い金利を払わなければいけなくなることに気づくまでに、あともう数ヶ月、もしそうでなければ、もっとかかるでしょう。(これは、オプションARMのリセットをさしていると思います。) 非常にたくさんの損失が出てくるでしょう、それらのほとんどは数週間、または数ヶ月では、知ることのできないと思います。 (これは、今回のクレジットバブルを経た空前のバイアウト・ブーム、ヘッジファンド、プライベートエクイティの案件の結果が分かるまでには、あと数年はかかるので、それをさしている、または、それを含んでいると思います。バフェット氏もCNBCのインタビューでプライベートエクイティのブームに関しての意見として、近いような趣旨の発言をしています。)

Normally you have markets go down 10% or so every couple of years. We haven't had a 10% correction in the stock market in nearly five years. I don't know if this is the beginning of it, but we've got a lot of corrections coming. It wouldn't surprise me to see a little bounce--say if a central bank cuts rates. But that will just lead to the markets falling further late this year or next year. It would be better for the market, it would be better for investors, and it would be better for the world if we went ahead and cleaned out the system. If they do cut rates in the U.S., it would be pure madness. Because the market's down 7% or 8% from an all-time high? My gosh, what's that going to say about the dollar? What's that going to say to foreign creditors? What's that going to say about inflation? The Federal Reserve was not founded to bail out Bear Stearns or a few hedge funds. It was founded to keep a stable currency and maintain its value.

普通、数年の間に、市場は10%程度下落することがあります。我々は、ここ5年に近い間、株式市場で、10%の調整も経験していません。私は、それが(今)始まったのかどうかは、判りません。しかし、多くの調整をこれから経験することにならざるをえません。私は、例えば、中央銀行の金利の削減等によって、少々の上昇(反発)があったとしても、驚きはしません。しかし、それは、今年の後半、または来年に更なる下落を招くことになると思います。もし我々が早く(先に)経験し、状況を片付けることが、投資家にとって、そして世界にとって、より良いことだと思います。もし、米国が金利を下げれば、それは単に狂気の沙汰だと思います。なぜなら、(株式)市場は、過去最高の数値から、7から8%程度しか下がっていないだけです。それが与えるドルに関しての影響はどうなるのか?(意訳しています) 海外の債権者に対しての説明は?? 中央銀行は、Bear Stearns、もしくはいくつかのヘッジファンドを救済するために、設立されたのではありません。

I have been and continue to be short the investment banks and the commercial banks. If they bounce up, I'll probably short more. I'm certainly not buying anything. The market's only down 8%. I don't consider that a buying opportunity. The things that I'm short, some people probably think are buying opportunities, but I don't. I've been short the banks for close to a year, and for a while it was not fun. But I added to my positions, and now it's a lot of fun.

私は、現在まで、そして引き続き、投資銀行とコマーシャル・バンク(企業向けの銀行業務を指すと思いますが、良い日本語訳が浮かびません。)に対して、ショート(空売り)を行っています。もし、それらが反発(上昇)したら、多分、さらにショートするでしょう。私は、確実に買うことはないでしょう。市場は、たった8%下落しただけです。私は、それが、買う良い機会とは思っていません。私がショートしていることは、恐らく、ある人たちにとっては、買う機会と思うことでしょう、しかし、私はそう思いません。私は、銀行のショート(空売り)を一年近くしています、そしてそれは、しばらくの間、あまり楽しい状況ではありませんでした。しかし、私は私のポジションを積み上げました、そして、いまは、楽しんでいます。

(以上、引用、要約、終わり)

この特集の記事は、こちらのリンクで全て読むことができます。色々な人の視点が解り、非常にお勧めです。バフェット氏の意見は相変わらず、さすがですし、Henry Paulsonの意見も短いですが、Secretary of the Treasuryの立場としての見方で興味深かったです。

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今週を振り返って (9月4日から9月7日の市場) 

過去5日間の各インデックスの動きを以下に添付します。今週は月曜日が祝日だったため、先週金曜(8月31日)が含まれています。
20070909011758.png

やはり、今週の大きな動き・ニュースは金曜日のJob Marketの発表結果だと思います。発表された雇用統計は、Wall Streetの事前予想の11万の職数(雇用枠数)の増加に対して、結果は4千の減少と予想に対して大幅に悪い結果でした。これを受けて、米国景気が停滞(リセッション)するのではとの懸念が高まり、金曜日は各主要インデックスはDOJ -1.87%, Nasdaq -1.86%, S&P 500 -1.69%の大幅な下落となりました。

Countrywide Financialが12000人の人員削減を発表したことも、今回の雇用統計の結果と重なって、雇用市場の停滞を裏付ける様なイメージを与えていると思います。 本日、土曜日のFT・WSJ等の記事を見ても、今回の雇用統計の結果でFedのFF rateの引き下げは決定的だろうとの見方が支配的になっているとの事でした。注目は、Fedがどれだけ金利を引き下げるかに、移ってきているようです。

金曜日は金融セクターの株価は下がっているところがほとんどですが、下げ幅はそれ程でもありません。(インデックスよりも少ないところがほとんどでした) これは、ここのところ下がっていたところが多かったことと、Fedが金利を下げることが、ほぼ決定的になったことを好感した買いに支えられたのではと推測します。

一方、住宅セクターに関しては、金利引下げの見込みが高まったことによる効果は低く、金曜日もインデックスなみ、またはそれ以上に下がっているところが多かったです。また、Beazer Homesが債務不履行の通知(Default Notice)を受け取ったとの発表を行いました。このニュースから、発表のあった金曜日に12.9%下落しています。

関連記事: Beazer Homes Receives Notice of Default

金曜日はテクノロジー・セクターの株も大きく下げたところが多くありました。下落で目だったところではDell -4.57%, NVidia -3.65%, Intel -2.6%, Apple -2.4%, Network Appliance -4.07%、等です。 テクノロジー・セクターはここのところ上がっていたので、調整的な意味合いもあって、金曜日は大きく下がったのだと想像しています。

現在の状況を考えると、私の期待しているシナリオ、“ビジネス的に堅調で、サブプライム等の問題との関連性が低い、テクノロジー株が見直され買われる”にはなっていません。金曜日の下落で、私のポートフォリオも大幅な下落となっています。これは、仕方のないことです。私の投資は中長期が基本なので、ポジションを維持するだけです。

今の時点での、私の最も注目している今月の事柄は、Fedの金利の引き下げ範囲、そしてそれに対する市場の反応、特にFedの金利発表後に予定されている主要投資銀行の決算発表結果により、かなりの変動(上下の両方の可能性)があるのでは、と予想しています。

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Fedのベージュブック 

昨日、FRBはベージュブック'Beige Book'を発表しました。ベージュブックはFedの金利政策を決定する上で参考にする資料です。

FRB: Beige Book--Summary--September 5, 2007

現状を把握する上でも、非常に重要な資料だと思います。今回のエントリーでは、注目される部分として、第2パラグラフを抜粋とその要約を追加します。

Most Banks reported that the recent developments in financial markets had led to tighter lending standards for residential mortgages, which was having a noticeable effect on housing activity, and several noted that the reduction in credit availability added to uncertainty about when the housing market might turn around. While several Banks noted that commercial real estate markets had also experienced somewhat tighter credit conditions, a number commented that credit availability and credit quality remained good for most consumer and business borrowers. Outside of real estate, reports that the turmoil in financial markets had affected economic activity during the survey period were limited.

(色をつけた部分に関して要約(意訳)します)
いくつかの銀行は事業用不動産も貸付条件が、ある程度厳しい状況となっているとの報告がありましたが、一方、報告の多くは、ほとんどの消費者と事業者の借り手にとって、クレジットの入手性、質は依然として、良い状況にあるとの事でした。今回の調査の時点では、不動産部門以外では、ファイナンシャル市場の混乱は、経済活動に与える影響は限られているとの報告でした。

(引用・要約終わり)
要約の部分で太字にハイライトしていますが、現時点では、不動産部門とファイナンシャル市場の混乱以外では、経済は依然として堅調であるとの見方をしています。(私も実際そうだと思います)ただ、ファイナンス業界の問題、株式市場の不安定化、その他もろもろの懸案事項は、今後の経済動向にも大きく影響を与える可能性が高いので、それに大してFedがどの様に対応するのか注目されます。

ベージュブックの後の部分も非常に重要なことが書かれているので、今週の週末にでも、再度取り上げてみたいと思っています。

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今日(9月6日)の米国市場 

本日、各主要インデックスは昨日終値に比べDJIが0.44%, S&P 500 1.10.435%, NASDAQ 0.32%各々上昇しました。6-Sep.png

今日の主なニュースとしては、Wal-MartやTargetに代表される主要な小売業の8月の売り上げは、予想を上回る好調な結果だったとの事です。また、高級品を扱うデパートメントで有名なSaksは、事前の予想の9%の上昇の倍の18%増だったとのことで、原油の高騰等から不安視された消費者動向は
8月は堅調に推移していることが明らかになりました。

一方、第2四半期の住宅ローンにおける倒産件数は過去最高だったとの発表がありました。
Mortgages in foreclosure at record high

本日は株式市場全体は上がっていますが、上記のグラフにもありますが、住宅・金融セクターの多くの企業は下落しています。

ヨーロッパでファイナンス・セクターの信用不安がかなり高まってきている様です。

明日のJobレポートの発表に注目が集まっているようですが、引き続き不安定な状況が続きそうです。
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今日(9月5日)の米国市場 

本日、各主要インデックスは昨日終値に比べDJIが-1.07%, S&P 500 1.15%, NASDAQ 0.92%各々下落しました。
5-Sep.png

今日の主なニュースとしては、午前中にNational Association of Realtors (全米不動産業協会)が発表したPending Home Sales(契約書を締結した件数、最終的な売買契約の前段階として、契約書(Contract)にサインします。)が12.2%下がり、本インデックスを開始した2001年からで、最も悪い数字とのことです。NARのプレスリリースはこちらです。

また、午後2時にFedのベージュブックが発表されました。ベージュブックの内容からは、今度のFOMCミーティングでFF rateを下げることを、強めるようなデータは見当たらなかったとのことです。

また、WSJがCitigroupは関連会社のSIV(Structured Investment Vehicles)の損失を被る可能性に関して本日、記事(URLをリンク)を投稿しました。SIVの問題は、現在コマーシャル・ペーパーが信用不安から売れ残っていることの問題に関連しています。(私のブログでも何度も触れていますが、先月から市場で非常に注目されている懸案事項です) また、SIVの問題は米国だけでなく、ヨーロッパでもかなり問題になっています。

関連記事:
Debt 'Conduits' Are Hovering Over Citigroup
WSJ Page C1, September 5, 2007

これらのニュースから、ファイナンス、住宅関連のセクターは大きく下落しています。(とは言え、昨日かなり上がっていたので、昨日の上昇分が帳消しになったとの見方もできますが。。。)

尚、本日、AppleはiPodのファミリーを一新しました。また、iPhoneの価格を下げることを発表しました。(8GBのモデルの価格を$599から$399にしました。)この発表後、Appleの株価は大きく下がり前日終値から比べ5.13%の大幅な下落となりました。

Appleの株価はここ数日急上昇していたので、発表後の利益確定が殺到したのが要因だと思います。新しいiPodは魅力的に見えますし、iPhoneの価格の改定も思い切った価格設定で販売数量を上げる戦略の様で、それ程、悲観的な要因はないと思われます。(今年100万台が目標で、今回の価格改定発表時にこの目標は実現できるだろうとの見方を同時に述べています) はっきり言って、Appleの昨日までの株価上昇が行き過ぎだったので、多少の調整はむしろ好ましいと思います。

尚、ハイテク関連の株のほとんどが、本日下落していますが、その中でGoogleは上昇しています。これは、AppleのiPod TouchがYouTubeをサポートしていることが影響しているのではと推測しています。iPhoneやApple TVもYouTubeのサポートを一つの売りにしており、これはGoogleのYouTubeの事業にとってこの上もない支援となっていると思います。私は、今年のGoogleの株価の上昇は、Appleの貢献がかなりあると思っています。また、AppleにとってもYouTubeのサポートは製品の機能の充実・魅力を高める上で重要と思われるので、相互補完的な意味でお互いにメリットが高いと思います。

Nasdaqも本日は下がりましたが、他のインデックスと比べると下落幅は少なく、ここ最近のテクノロジー株の見直しのトレンドを支持する動きと思います。このトレンドが一層強くなるのか、それとも、一時的なもので落ち着くのかは、もう少し時間が経てば明らかになってくると思います。 ずっと以前から言っておりますが、私はこのトレンドが起きる事を想定・期待しています。

恐らく第3四半期と第4四半期の決算結果で、他のセクターが苦戦する中、テクノロジー株が好決算を継続することができれば、期待しているシナリオになるのでは、と思っています。そう、うまく事が運ぶとは思っていないので、ヘッジをかけたりして、リスクの低減を行う予定でいますが。。。でも、期待はしています。 どうなることやら。。。

9月を無事乗り切れるかどうかが、勝負の分かれ目となりそうな気がします。

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今日(9月4日)の米国市場 

9月初日の本日、各主要インデックスは、先週末に比べDJIが0.68%, S&P 500 1.05%, NASDAQ 1.3%各々順調に上昇しました。4-Sep.png

午前中に発表された8月の建設関連の支出(Construction Spending)の推定額は、7月の数値に比べ年換算で0.4%下落しました。(Commerce Departmentのプレスリリースはこちらです。)

メディア等によると、この数値は弱くも強くもなく程よい範囲で、増加が減速していることから、Fedが18日にFF rateを下げる可能性を支持できる数値とのことだそうです。このことが市場から好感された様で、株式市場は全般的に上昇しました。 また、GMの8月の販売結果が予想以上に(はるかに)良かったため、株価は3.8%上昇し、DOW Jones Industrialの上昇に貢献しています。

本日は、ファイナンス、住宅セクターの主要企業の株も順調に上昇しています。市場は完全にFedがFF rateを下げることを前提とし、なおかつそれにより状況が改善されることを期待している様に思われます。また、テクノロジー株は本日も順調に上昇しています。これで、3日連続、Nasdaqは全体の市場よりも良いパフォーマンスで推移しています。

主だったところで、先週末と比べて、Yahoo 5.46%, Apple 4.1%, NVIDIA 3.09%, TI 2.89%, Broadcom 2.72%、各々上昇しています。Yahooに関しては、アナリストがレーティングをアップグレードしたことと、Microsoftに買収されるのではないか、との見方が強まっていることから、大幅な上昇となりました。iPodの新製品の発表が近いと噂のアップルは今日も大幅に上昇しています。しかし、アップルの株価は強いなと、感心してしまいます。NVIDIAも連日株価が上昇しています。以前から申していますが、NVIDIAのビジネスが順調であることは、周知の事実なのですが、株価がオーバーバリュー気味なくらい順調に上昇しています。もしかすると、今度のiPodに昨年買収したPortalPlayerの製品が再度採用になったのかもしれません。そうだとすれば、ここのところの株価の高騰も説明はつきますが。。。尚、これは、まったくの想像で、情報や根拠は一切ありません。

ここまでの展開は、私の想定していたシナリオの楽観的な場合の範囲内で、特にここにきてのハイテク株見直しの動きから、幸いなことに私のポートフォリオも本日も順調に上昇しています。ただし、私のポートフォリオは日々の変動は激しいので、一時的に順調であっても、状況は一変することがあるので、あまり日々のパフォーマンスにはこだわっていません。

それよりも、市場があまりにも楽観的に推移しているように思われてなりません。サブプライムの問題、CDO等の売れ残り・不良債権化しつつある問題、その他もろもろの懸案事項は、FedがFF rateを下げたとしても、解決するものではないと思います。

また、Credit Crunchから、今まで市場を引っ張ってきたM&Aのブームも急速に終焉を迎えつつあり、市場を牽引する材料が少なくなってきています。はっきり言って市場を牽引する材料はFedのFF rateの切り下げがメインの様に見受けられます。

冷静に考えると、今の時点ではアップサイドに対してダウンサイドが多い様に思います。自分の見方としては、9月を乗り切れば、10月は何とかいくのではと思っていますが、8月の中頃の様な下落、もしくは、それ以上の調整が9月またはその後に、起きる可能性も否めません。先月の反省に立って、下落リスクに対する準備を検討しようと思っています。

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9月の米国市場の注目点 

以下に9月の米国市場において、個人的に注目している事柄に関して記します。

1.FedはFF rateを値下げするか?するとした場合、何ポイントか?
2.資産担保型コマーシャル・ペーパーの処分は(順調に)進むか?
3.ファイナンス大手の8月末締めの決算の結果
4.ヘッジファンドの収益動向、解約の規模
5.住宅、ファイナンス関連での新たな破綻、スキャンダルが明らかになるか?

1.FedはFF rateを値下げする可能性は高くなっていると思います。大方の予想は、0.25%下げると見ていますが、Fedが金利を下げない、逆に、一気に0.5%下げる可能性もあると思います。市場の予想と違った場合、市場が過剰に反応する可能性があります。

2.Fedのディスカウント・レートの切り下げ、大手銀行がディスカウント・ウィンドウを使用することによって、流動性の問題は緩和されている面もありますが、一方で、売れ残っている資産担保型コマーシャル・ペーパーの処分はどうなるのか?と言った点は、9月の注目事項です。この処分が進まずにいると大きな問題として、再び浮上してくると思います。これに関しては、Fedの政策が直接作用する部分がないので、より注目すべき事柄だと思います。

3.ファイナンス大手は、8月末が決算の年度末です。いままで、かなり好調だったファイナンス業界でしたが、7月頃から暗雲が漂う様なニュースも表面化してきました。この辺りの問題がどの程度、収益に影響があったのかが注目されます。主だった会社の決算スケジュールを以下に記します。

- Goldman Sachs, 9/20
- Morgan Stanley, 9/19
- Leman Brothers, TBA
- Bear Stearns, TBA

4.Goldman SachsのGEO等が代表的ですが、8月前半に損失を出したヘッジファンドの解約がどの程度だったのか、注目されます。8月の解約に関しては、それ程の規模ではないと想像しています。また、8月後半2週間は、利益を上げたところが多かったと想像しています。しかし、収益が悪かったところ、今後の収益の動向によっては、大規模な解約に発展する可能性があり、もし、そうなった場合、市場への影響もかなりのものになることが想定されます。

5.8月には、サブプライム関連の企業・ヘッジファンドの破綻が露見して来ました。Option ARMの金利更新による、厳しい状況・破綻件数の増加が続くと想定されています。噂されるBeazer Homesやその他の会社で破綻が明らかになる可能性もあると思います。内容、状況によっては、市場全体への影響等も少なからず、考えられます。

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米国株ポートフォリオ: 8月のパフォーマンス 

8月の米国株ポートフォリオのパフォーマンスを以下に記します。
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日本株ポートフォリオ: 8月のパフォーマンス 

8月の日本株ポートフォリオのパフォーマンスを以下に記します。
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