FOMCの声明が発表されました。大方の予想通り、FEDは金利を据え置きました。声明の内容に関しても、特に突出したようなものはなく、予想の範囲内だと思います。注目のクレジットリスクに対しては、以下の様な声明で触れ、リスクはあるものの、今後も経済は堅調に推移していくとの見方を示しています。(最後のセンテンス、太字にしています。)
"Although the downside risks to growth have increased somewhat, the committee's predominant policy concern remains the risk that inflation will fail to moderate as expected,"
"Financial markets have been volatile in recent weeks, credit conditions have become tighter for some households and businesses, and the housing correction is ongoing,"
"
Nevertheless, the economy seems likely to continue to expand at a moderate pace over coming quarters, supported by solid growth in employment and incomes and a robust global economy," the Fed said.
9月に利下げをする市場の予想の確率は(先物のボンド価格から算定した)、月曜日の時点で46%だったものが、今回の声明の後では、20%に落ちています。同様に10月の時点での利下げの確率は、84%から52%に下がっています。
昨日のエントリーでも気になると書きましたが、本日の市場の反応は、発表後、多少上下しましたが、大きく動かずに終了しました。住宅・ファイナンスのセクターは結構上がっています。

今日の時点では、市場はかなり冷静さを取り戻してきている様に思えます。
ただし、基準金利の引き下げに関しては、先になりそうな状況の中、かなり混乱しているクレジットの問題がどうなっていき、市場への影響がどうなるのか、引き続き注視していきたいと思います。
これで、クレジット関連の不安は一旦、落ち着くかもしれませんが、実際の所、状況に関しては変わっていません。今回、FEDが金利を下げたのであれば、多少なりとも環境は違いますが、住宅ローン(サブプライムとそれ以外も)、住宅関連は状況は今後とも悪化していくと思います。あくまでも私見ですが、数ヶ月以内、もしくは、新たなニュースが引き金になって、もっと早く、(さらに大きな)第2波が来る気がします。
一方で、先週と今週では市場の雰囲気ががらりと違うのが、面白いところです。それを端的に表す例として、先週の金曜日の夜に放映された、Mad Money のJim Cramerのビデオクリップのリンクを添付します。Jim Cramerは有名な投資家で、
投資サイトのStreet.comの創業者の一人でもあります。
ご覧になっていない方は、一見の価値はあると思います。(先週の(一部)投資家・市場の雰囲気をつかむ、その他の意味で)
先週金曜日のBear Stearnsのカンファレンスコールが引き金となった大幅な市場の下落の後、Mad Moneyで攻撃の矛先をFRBに向け、金利を下げろと絶叫しています。
かなり過激なことを言っています。一部、彼の発言を引用します。
"Bernanke, he has to be on the call.","It is no time to be academic." "He has no idea what its like out there - None!","They know nothing. This is a different kind of market. The Fed is asleep."
"My people have been in this game for 25 years . . . They are losing their jobs. These firms are going out business"
" Bill Poole is shameful" "Cut the rate. Relieve the pressure"
"In the fixed income markets we have Armageddon."
Cramer: Bernanke, Wake Up (クリックするとYouTubeに行きます。)
そのCramerは、2週間前には、サブプライムの問題なんて大したことない、と言っていたのですが。。。
So Subprime Blows Up; So What, Says Cramer(しゃべる態度の違いも非常に対照的です。)まあ、彼は良くも悪くも、エンターテイナーですね。投資家としてはすごい(すごかった)人みたいですが、個人的には、(投資関連のことで)この人の言うことは興味ありません。
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