fc2ブログ

二転三転する米国市場 

サブプライムが引き金となった、クレジット不安は、今週前半は(突如)落ち着きをみせつつありましたが、フランス大手の銀行の BNP Paribas が、サブプライムの問題のため、資産(不動産)担保証券の凍結をし、解約(換金)に応じないことを発表しました。また、Goldman Sachsが関連のヘッジファンドが赤字になっていることが明らかになり、クレジット不安が高まり、市場は大幅に下がりました。

9-Aug.png

20070810130610.png

サブプライム・ローンが発端となったクレジット不安は確実に広がりを見せています。また、米国内だけでなく、先週明らかになったドイツの銀行に続き、本日はフランスの銀行と、ヨーロッパの国々のファイナンス業界にも波及してきています。

本日の大幅な下落は、先週末から状況は変わっていないにもかかわらず、今週の前半に(なぜか)上がっていた反動がの一つの原因だと思います。

何度もエントリーでも申し上げていますが、サブプライムの問題は氷山の一角で、大きな問題は、ここ数年のサブプライム等を利用したCDO等のストラクチャード・ファイナンス、それを資金源としたプライベートエクイティとヘッジファンドの前例のない規模のブーム、その背後でアンダーライターとして大きな収入を得ている銀行、等、ファイナンス業界全体を巻き込んだかつてないブームにがあります。それが今、サブプライムの問題から端を発して、大きな岐路に立たされています。

また、サブプライムだけではなく、プライムのホームエクイティ・ローン、Alt-Aの住宅ローンの問題も出てきており、問題は今後さらにひろがることが予想されています。(これらに関しては、一部は既に触れておりますが、別途、後日に取り上げようと思っています。)

本日はファイナンスセクターは大幅に下がっていますが、今週の前半はかなり上がっていたので、株価の水準は、先週とほぼ同じです。(それ程、パニック的に下がったわけでは、ないと思います。)

尚、この大幅に下落した本日の市場の中で、住宅関連のセクターの株は上昇しているところが多いのが注目です。一説では、底を打ったとの認識のようです。(今までにも何度もありましたが。。。)もう一つの注目は、DOWやS&P500と比べるとNasdaqの下げは、比較的少ないことです。

市場の方向性の向きが変わってきている可能性が高くなってきました。市場が下がる中、投資対象の物色も始まってくると思います。私の読みとしては、以前のエントリーで書きましたが、以下の展開を予想しています。
以下、"第2四半期決算発表から見た市場動向の分析・考察 - テクノロジー "から抜粋。尚、ここでは、テクノロジーセクターのみに言及しておりますが、他のセクターでも今後の展開で強いところも(当然)あると思います。

今後の見通し(私の見方)

ハイテク株は、全体として、今年は堅調に推移しています。米国国内の住宅・自動車産業が低迷し、ファインナンス業界も不安要因がある中、それらの業界の低迷の影響を、ハイテク業界は比較的受けにくいビジネスを展開している会社がすくなからずあります。 また、米国外のビジネス比率が高い企業も多く、BRICsを始めとした地域での伸び、ドル安のトレンドに対する恩恵等のアップサイドもあるため、他のセクターと比べて堅調に推移する可能性があると思います。 (ただし、会社毎による差、分野等による差も大きいので、選択によっては、大きな下落をする株も少なからずあると思います。)

このため、今後の展開によっては、ファイナンス業界等、他の投資分野からテクノロジー・セクターに資金が流れてくる可能性もあるのでは、と考えています。

ハイテクの中規模、小規模の企業は、米国内を中心としたビジネスを行う会社が多いのでそちらは、米国内の景気に依存する比率が高いと思います。ただし、分野によっては、米国景気が下落になっても、堅調に推移する可能性のあるものも考えられます。これらの企業の中には、今後、市場全体の動きにかかわらず、大幅に上昇する株もでてくると思います。(これは、この業界の特色です。)

こうなってくれれば、良いのですが。。。状況を注視しながら、自分の投資戦略に関しても、再検討しています。

(ご訪問いつもありがとうございます。blogランキングに参加しております。ご協力いただければ、幸いです。)
banner_01.gif
人気blogランキングへ

この記事へのコメント

コメントをお寄せ下さい

(コメント編集・削除に必要)
(管理者にだけ表示を許可する)

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://alpha75.blog107.fc2.com/tb.php/108-d0067459