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FEDがディスカウント・レートの引き下げを発表 

FEDが銀行等に直接貸し出すディスカウント・レートを0.5%引き下げることを発表しました。FEDのニュースリリースはこちらです。尚、Federal Funds Rateは5.25%のままです。(FOMCのステートメントもこの件のニュースリリースと同時にFedのサイトに掲載されています。)

この発表後、本日の米国市場は、開始時にはかなり上昇し、その後、若干調整していますが、このエントリーを書いてる金曜日の午後の時点でも、かなり高いレベルです。

Reutersの今朝の記事を添付します。状況、見方を簡潔にまとめてあります。
Fed cuts discount lending rate in surprise move

この記事の中でのコメントの一部を以下に引用します。

“The Fed is making sure liquidity is in place, but it doesn't mean they have to cut the fed funds rate. They are doing what's appropriate. They're putting liquidity into the system," said Cynthia Cole, a bond fund manager at Allegiant Asset Management in Cleveland.”

“今の時点では、Fedは流動性に問題がない様にすることに注力しており、FF rateを下げると言うことが確定したわけではない”との見方に私も同意見です。

この件に関して、今日の朝、踏み上げ太郎さんが、いち早く、ブログにてコメントをされています。

この中で、踏み上げ太郎さんは、「この措置が荒れ狂うマーケットを鎮めることが出来るかどうかは2~3日様子を見てみないことにはわからない気がします。」とおっしゃっています。

私もこの意見に賛成です。市場は、今回のFedの発表に驚きと、レートの引き下げが行われることに対する期待が高まっているため、非常に好感し、上昇していますが、ディスカウント・レートの引き下げ自体がどれ程効力があるのか?、ヘッジファンドのパフォーマンス・資金繰りの悪化がどれ程で、それが改善するのか、等、まだまだ不透明要因は大きいと思います。

尚、踏み上げ太郎さんが、ディスカウント・レートに関して、“ディスカウント・レート(=FEDがその準備金を金融機関に貸すときのレート→普通は誰も利用しない)”とおっしゃっています。

WikipediaのFederal funds rateの説明にfederal funds rateとdiscount rateの違いが説明されています。

この中でdiscount rateの銀行に対するローンに関して以下の様に記述されています。

“These loans are very short term and rare, as they are subject to audit by the Fed and the discount rate is usually higher than the federal funds rate.”
“これらのローン(ディスカウントレートのローン)は、Fedの審査が必要で、通常, federal funds rateより金利が高いため、非常に短期でまれなものです。”

とあります。今回に関しては、FF rateより低いので、(50ポイント下げたが、FF rateよりは、50ポイント高い)やはり特別措置と言う色彩が強そうです。Fedのニュースリリースの中でも更新(Renewable)はできる様ですが、30日まで、と書いてあるので、やはりかなり短期のローンです。

このことからも、Fedが短期的にLiquidityの問題を解決しようとしている様に、思えます。

昨日、「Fedは、安易な利下げはしないだろうと考えてる」、と書きましたが、本日のFedの動き等を見ていると、FF rateの利下げをする可能性は高くなっていると思います。 インフレ関連の数値がそれ程、変わらない状況で、Fedが利下げをする と言うことは、まだ、表に出てきていない部分も含め、ファイナンス市場の問題はかなりの問題をはらんでおり、それをFedが認識しているのではと思います。もしそうであれば、相当危険な状態にある気がします。市場は、持ち直してきていますが、まだまだ楽観しできない、また不安定な状況が続くと思います。

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この記事へのコメント

週明け警戒

はじめまして。

>今回のFedの発表に驚き・・・

FEDが、緊急のディスカウトレート引き下げ発表を好感して米国株市場が、急反発。株価は下げ止まりかなどと、かなりメディアで取り上げています。

市場がこのような波乱を起こし、投資家達がとにかくポジティブ材料が喉から手が出るほど欲しがっているところへの今回の好材料に
市場反応したということになるのでしょうが。

これを受けて来週早々は、日本市場もとりあえず反発しそうですが、正直なんとなく(ノー根拠ですが)まだ、波乱の匂いが漂っています。

Alphaさんがおっしゃるように2~3日以上、は少し様子を見た方がよさそうと思っています。触らぬ神になんとやらでないですが。

また、勉強に寄らせてもらいますね。



コメントありがとうございます。

今回のFEDの動き、発表は、かなり突然でした。注意しなければならないのは、これはFF rateではなく、ディスカウント・レートです。本日のファイナンシャル・タイムズによると、ディスカウント・レートを使用したローンはここ数年利用されたことが殆どないそうです。(ただし、本日のFTでは、今回のFEDの政策(FFではなくあえてディスカウント・レートの方にしたことに対して、好意的な意見です。)

今回の発表が仮にFF Rateであれば、市場も少なくとも短期的には反発する可能性が高いですが、ディスカウント・レートにもかかわらず、金曜日かなり上がっていることは、注意が必要です。殆どの投資家は、すでにFEDがFF Rateも下げるだろうと見ていますが、それが、いつで、どれ位になるのかは、非常に重要で、それに関しては、依然として不透明な状況です。FEDがレートを下げれば、株式市場が持ち直し、景気も上がる、といった単純なことではないと思います。そうであれば、FEDはまわりくどいことをせず、FF Rateを下げたと思います。

米国市場は、少なくともしばらくは、相変わらず不安定な状況が続くと思います。

日本市場は、かなり下げているので、おっしゃる様に、週明けは、反発する可能性は十分ありますが、米国経済・株式市場が不安定な状況に、引き続き影響をうけると思います。

また、FEDが金利を下げると言うことは、景気がかなり悪化していく、または、インフレ懸念が払拭される、といったことが条件になると思います。そして、米国の景気がスローダウン、金利の低下、となれば、為替はドル安=円高になると思います。今のキャリートレードの過剰なポジションが、為替の変動を大きくする要因となり、為替も上下に大きくふれる可能性は高いです。

その様になった場合は(すでに先週の株式市場が良い例ですが。。。)、日本の株式市場も非常に不安定(ダウンサイドが多いのでは?)に推移すると思います。

投資のスタイルによると思いますが、長期投資が大前提であれば、今、銘柄によっては、かなり良い時期とも思います。多少は、さらなる下落の可能性はありますが、タイミングとしては良いと思います。

投機、ギャンブル的な考えであれば、今は、かなりやりがいがある時期と思いますが。。。

一般的な話ですが、投資として考えた場合は、リスクとのバランスなので、少なくとも短期的に反発するのでは、と考えて、すぐに飛びつくのは、あまり賢明ではないと思います。後は、当然のことながら、銘柄にもよると思います。

日本国内市場が中心のもので、為替の影響、米国景気との関連性が少ないもので、ファンダメンタルズが良いものであれば、結構、買いとは思いますが。。。

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