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Warren Buffett CNBCインタビュー まとめ・感想 

この件に関してのエントリーが続きましたが、最後に、このインタビューを振り返って、私が特に印象に残ったことをまとめます。

1.“解らないものには投資しない”, こればバフェット氏の投資の鉄則で非常に有名です。インタビューの最後に、中国の銀行への投資の機会に関しての質問に対しての回答として、この鉄則を守っているところが印象に残りました。

中国の経済・市場が急速に伸びている中、投資の対象としては十分考慮に値するものであったと思いますが、“理解できない”と言うことで投資を見合わせる。ITバブルの時も、バフェット氏はこの“解らないものには投資しない”方針を貫きました。この辺は本当に首尾一貫しているところだと思います。

実際に中国の銀行に投資していれば、かなり儲かったことと思いますが、インタビューでは“投資していれば”と言った後悔しているところは(少しも)感じませんでした。

一方、最近の大きな投資案件、米国の鉄道会社への投資に関しては、対照的に「気づくのが遅かった、もっと早くしていれば。。。」と言っているのが印象的です。自分が理解できる投資対象に対しては、投資のタイミングの是非も含めて積極的に取り組まれている様子がわかります。この鉄道会社の投資に関しては、燃料・資源の高騰、物品輸送に関しての方法の変化等、長期的なトレンド・市場の流れを踏まえた上でのことという所も、参考になりました。
また、私個人としては、“自分が理解できるものに投資する”に関しては、ハイテク/IT産業・市場が理解できる立場にいる(仕事上)ので、私の投資方針にも生かせることと思いました。プロの投資家でハイテク/IT産業・市場、技術が理解できる人はかなり限られていると思うので、自分のFinanceに関しての知識を身につけ・経験を積むことによって、投資のスキルアップ・競合力の向上が図れると思っています。

バフェット氏のすごいところの一つは、投資対象として良さそうに見えるもの(実際に儲かっているもの)でも、理解できないものには投資しない、ことを貫けることだと思います。“理解できるものに投資する“ことは、たいていの人がやれますが、”理解できないものに投資しない“ことを実行するのは時として難しいことだと思います。

実際自分の場合、時として、あまり良く分かっていない分野のものに関しても、投資をしてしまったりしたことがあります。この辺が、長期的に安定した結果を達成するための、重要な分かれ目になるのだと思います。

2. プライベート・エクイティのブームに関して、バフェット氏は、大きな列車に例えて、このブームはそう簡単には収まりそうにないという見方をしています。一方、このブームが起こす危険性に関しても、少し示唆しています。(あまりはっきり言ってしまうと、市場がパニックになるのは明らかだからと思います。)

一部の(かなりの)プライベートエクイティはかなり無理をして(リスクの高い)投資をしていることが予想され、この様な投資案件の結果が分かってきた時が(数年先、)ターニングポイントだと思います。この傾向は、サブ・プライムローンに絡んで、Hedge Fund/Private Equity Fundの破綻が一部露見しつつあります。

個人的には、このブームが長く続けば、続くほど、問題が露見したときの反動が大きくなると思っています。今の時点でも、十分に危険なレベルだと思います。自分としては、こういった見方をしているのであれば、それに応じたポートフォーリオ・投資の戦略を立てるべきと思っています。これに関しては、早急にしなければならない事項と考えています。近い内にBlogの方のエントリーでも取り上げたいと思います。今週の末にBlackstoneが上場の予定で、これも、後で振り返った時に歴史に残る出来事になると思います。

3.バフェット氏はUSドルの長期低下の傾向にある、という見方をしています。私も、ドルは長期低下傾向にあると考えているので、それを踏まえた投資戦略を組むべきだと思います。アセット・アロケーション等も大きく関連することなので、きちんとした計画・戦略を立てようと思っています。

4.個人投資家への投資手法として、ドルコスト平均法でインデックス・ファンドを買うことを推奨しています。私のエントリーでも何度か触れていますが、この手法が効果的なことは、いくつもの良識のある投資向けの本等でも、過去のデータを使用して実証されています。Mark HainesがETFに関しても含むのか?と言う質問をしましたが、これは非常に良い質問だったと思います。これに対するバフェット氏の回答は、ETFに関しては具体的に触れず、インデックス・ファンドの低コストの効率性を強調したものでした。ETFとインデックス・ファンドの比較は興味があるので、後日、調べてみようと思います。

(追記)
“梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー”の水瀬さんが、このバフェット氏のエントリーの記事を、彼のBlogで取り上げています。水瀬さんのエントリーによると、日本での「バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンド」は、日本では運用コストが年率0.82%で, 同じファンドが、米国では運用コスト年率0.19%とのことです。(私も日本とアメリカのVanguardのWebsiteを見てみましたが、水瀬さんのおっしゃる通りでした。)

購入手数料、為替に関する手数料が、日本で購入する場合、余分にかかると言うのは理解できますが、同じファンドの運用コストが日本と米国で異なるのは理解に苦しみます。何か、理由があるのでしょうか?このため水瀬さんの場合、より低コストのETFを推奨されています。バフェット氏のインデックス・ファンド推奨の大きな理由は低コストなところにあるので、水瀬さんのお考えは的を得たものだと思います。

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