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今日(10月2日)の米国市場 

本日の米国株式市場は、大きな変動もなく安定的に推移し終了しました。主要インデックスは、前日終値に比べDOW Jones Industrialは-0.29%と若干の下落、Nasdaqは0.22%上昇、S&P 500は‐0.03%とほぼ変わらずに終了しています。
2-Oct.png

本日は、市場開始前にカナダのTD (Toronto Dominion) Bank Financial Groupが全米7位の銀行Commerce Bancorpを買収する計画を発表しました。TDは、本日5.58%の大幅な下落となっています。一方、買収される側のCommerce Bancorpの方は、0.35%の若干の下落で終了しています。ただ、Commerce Bancorpの株価は、過去52週で最高のレベルに近いので、市場は比較的冷静に捉えている様に思えます。

TDは3年前にAmeritradeの株価を取得(40%程度)し、傘下に収めています。Commerce Bancorpは消費者にフレンドリーな銀行で有名なようなので、今回の買収により、Retail InvestingとBankingを統合したようなサービスを提供することが狙いなのかもしれません。

米国では、殆どの銀行は株式のトレードのサービスも提供しており、逆に証券会社も銀行業務のサービスをやっているところが多いのですが、私の認識として、銀行の証券取引サービスは証券会社から見るとどうしても見劣りし、逆に証券会社の銀行サービスはやはり多少不便なところがある様に感じます。ちなみに私は、Wells Fargo BankとE-Tradeで、どちらも銀行・証券の口座を持っていますが、取引は前者は圧倒的に銀行関連、後者は圧倒的に証券取引関連に使っています。

TD AmeritradeもCommerce Bankもリテール(個人消費者)に特化しているので、個人的には狙いは良い様な気がしますが。。。TDの株価が大幅に下がっているところが興味深いところです。

また、全米不動産協会が8月の中古住宅のペンディング・セール(売買の契約書を締結して、最終売買の契約前の段階)が、予想を下回る(悪い意味で)前年に比べ6.5%下落となりました。Pending Home Salesのインデックス値は85.5まで落ち、これは記録を開始した2001年の1月からで最低の数値とのことです。その前の最低値は、2001年の9月に記録した89.8でした。

一方で、主要な住宅販売会社の株は、本日は大幅に上昇しています。主だったところで、DR Horton 6.54%, Meritage Homes 10.21%, Lennar 6.23%それぞれ上昇しています。上昇の要因は、アナリストのアップグレードの様です。

Home-Builder Stocks Rise on Upgrades

恐らく、不動産市場は底が近いのではとの観測や、Fedの今後の金利の引き下げによるアップサイド、悪材料はほぼ出尽くしたとの見方等が起因していると思いますが、悪いニュースにも関わらず大幅に上昇するのは、興味深いところです。昨日の市場全体の動きもそれに近い様に思えます。

今日は、ファイナンスセクターの株も大幅に上昇しているところが多かったです。

全体としては、NASDAQが本日も他のインデックスに比べ良い結果で、ここのところのテクノロジー株の好調なトレンドを支持しています。

ハイテク関連で目立った動きは、Googleが日中に大きく株価を伸ばし、過去最高を記録したものの、その後多少下がって、終値は昨日とあまり変わらない0.32%増で終了しています。Appleは今日も上がり、こちらも最高記録を更新中です。Apple以外の大手は、本日は下落しているところが多かったです。

本日のNASDAQ上昇TOP10を以下に添付します。
Picture3.png

中国関連の会社の様に見受けられるところが、上位を占めています。上記の会社の内、私が知っている会社は一社もありません。それにしても、上昇幅がとんでもないので、びっくりしました。

これに関連して、踏み上げ太郎さんが、素晴らしいたとえで、ブログに取り上げられています。 ここ最近の踏み上げ太郎のエントリーは非常に素晴らしく、勉強・参考になるものが多いです。(今までも素晴らしいものは多々ありましたが、特にそう感じます。)

上の話とは、若干異なりますが、以下、「Wing it!」のタイトルのエントリーからの引用です。

例えばペトロチャイナ(PTR)ですけど、最近、ウォーレン・バフェットが売っているので良く質問を受けるのですけど、やっぱりバフェット流の銘柄の斬り方から考えれば、、、もはやヴァリューでは無いのです。

 * * *

ヴァリューが無くなったから、、、すぐ相場が下がるか?と言えば、それはそうではないと思います。貨物列車がブレーキをかけてからも停車するのにすごく時間がかかるように、ヴァリュー面で妙味が無くなった株だって、どっこい上げ続けることはごく普通にあります。

この場合、「決算が良かった」とか、「利下げがあった」とか、「GDPの数字が良い」とか、あれこれその時々の材料を拝借してきては株価が上がることを正当化する、「その日暮らし」的なパターンに入ってゆくわけです。

これは英語で言えばwinging it(ウインギング・イット)ということになります。この場合のウイングとは舞台の袖であって、練習の足らない俳優、或いはネタの切れたコメディアンが舞台の袖からセリフを教えてもらって、なんとかその場を誤魔化している、、、そういう構図なわけです。

相場というのは面白いもので、バフェットみたいな本格派の投資家が去った後も値動きに惚れて上値を買い続ける投資家は後を絶ちません。ヴァリュー投資家→グロース投資家→モメンタム投資家という風な「手替わり」が起こるわけです。そうするうちにその株を持っている投資家の質はだんだん下がってくる、、、。

で、面白いのは後に来るほど無定見、無批判の投資家だということです。まあ、ミーハーの世界ですよ。自分のアタマで考えられなくなるから相場が上がっているうちは何も怖くない、、、いや、騰がれば騰がるほど強気になる、、、

ところが最後はそういうミーハーな投資家ですら、いつかは気がつくときが来るんです。

(引用終わり)

上記の中で、株主の構成の種類の移り変わりを、“ヴァリュー投資家→グロース投資家→モメンタム投資家”と言った形で書かれていますが、自分の所有する株がどのフェーズにあるのか等を意識することも、売り時等の判断に役立つと思いました。

踏め上げ太郎さんの先週のエントリーで、“Chosen ones”と言うタイトルのエントリーも素晴らしいと思いました。もしまだお読みでない方は、是非読んでみてください。

Chosen ones, いちカイにヤリ 投資立国(ロシア株、インド株、中国株、ブラジル株、ADR、BRICs)

視点を広げる、他の人の見方を理解するといったことは、勉強、参考になります。

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この記事へのコメント

私も踏み上げ太郎さんのブログを見ています。
勉強になりつつ面白いですよね。
今日の火星人ネタは吹き出してしまいました(笑。

アメリカも下げると思いきや最高値更新しましたね。
弱気になると上がり、強気だと下がる・・・。
良く言われている事ですが、難しいですね。
日本なんて絶対上がらないと思っているのですが。

WellsFargo

Alphaさん

はじめまして。いつも興味深く拝見しています。

私も踏み上げ太郎さんのブログを読んでいます。中国の不気味さと追加利下げ期待で最高記録を更新してしまったアメリカ市場の不健全さに一抹の不安を覚えます。私はインデックス派なので、「8月にFXIを買っておけば良かった」と思っていたのですが、最近は手を出さなくて正解だったかなと思っています。

ところでWellsFargoについてなのですが、預かり資産が$25,000以上あると取引手数料が無料になりますよね? それを狙ってFidelityから移ろうかと思っているのですが、WellsFargoの証券口座は使い勝手があまりよくないのでしょうか?

承認待ちコメント

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bowlerさん、

コメントありがとうございます。米国市場は、強気の見方になってきている様に思えます。この状況でそう思えるところが、日本人との感覚のギャップかな?とか思ったりします。

逆に結果的には市場が大幅な調整になった場合は、日本市場は最終的には見直されると思いますが。。。

どうなることやら。気が抜けません。

kaiさん、

はじめまして。コメントありがとうございます。

今は、新たに投資するのは、判断が非常に難しい時だと思います。大きく利を得ることもあるでしょうが、その逆の可能性もあります。不確定要因に対するリスクの低減になるので、新規投資に関しては、一旦、様子を見てから動く方が、賢明かな?と個人的には思います。

WellsFargoに関してですが、$25000以上口座にあって、PMAとBrokerageをリンクすると、最初の一年間で取引100回まで無料と言うキャンペーンのことをおっしゃっているのでは、と思っています。これは新規に口座を開く向けのキャンペーンだと思います。非常に魅力的だと思います。残念ながら、私には当てはまりません。

WellsFargoの証券口座の使い勝手は、私にとっては、E-Tradeを株の取引のメインで使っているので、それに慣れていること、情報量や取引においての利便性は、E-Tradeの方が個人的には良いと思います。これらは、慣れの問題等もあると思います。

尚、WellsFargoの証券口座に特に問題を感じたことはありません。ちなみに、私はWells Fargoの方はIndex Fundを購入するのをメインにしています。

それと、このキャンペーンの条件としてうたっているPMA Packageは非常にお勧めです。所有の口座の総額が、所定の金額を維持すれば、手数料は無料で、いろいろなサービス・諸費用が無料となり、銀行口座の金利も優遇されるなどさまざまな特典があります。

また、Wells Fargoのインターネットバンキングの使い勝手が非常に優れており、私は大満足しています。ちなみに、私はCiti Bankのインターネットの口座も持っていますが、使い勝手等は、非常に劣ります。(個人的には、少年野球とプロ野球ぐらいのレベルの差に感じます。)後、Wells Fargoは、支店が全米に数多くあるのも魅力的です。

私は、Fidelityは401kの口座を持っているのですが、こちらの使い勝手もそれなりに良いと思います。ただし、銀行口座の方もいろいろ活用されるのであれば、Wells Fargoは絶対お勧めです。

最後に、Wells Fargoは、昨今のCDO等、ストラクチャード・ファイナンス関連のブームに対しても、一線を引いて接しており、企業倫理といった点でも、個人的には好感を持っています。

以上、あまり参考にならないかもしれませんが、思ったことをつらつらと書きました。

また、何か質問等ございましたら、ご遠慮なく、おっしゃってください。これからも、よろしくお願いいたします。

ありがとうございます

Alphaさん

丁寧なご回答ありがとうございます。WellsFargoのキャンペーン、一年目だけなんですね。私はFidelityを使っていますが、銀行口座がだんだん充実してきて、Checking accountにつく金利でコミッションを賄えそうになってきました。

kaiさん、

私は、Fidelityは401kだけですが、以前の401kはCitiで、Fidelityの方がサービス・情報、Webの使い勝手、思い当たる全てにおいて、格段に優れているので、良い印象を持っています。

Fidelityのままでも良さそうですね。家のローンを組むとか、その他、銀行のサービスを活用するのであれば、Wells Fargoはお勧めですが。。。

口座の移転は、手間や暇もかかるので、その労力に見合うだけのメリットがあるのか考える必要があると思います。

Wells Fargo

以下のサイトに一回きりのサービスではないと書いてありました。これなら口座を移すメリットがあるかもしれません。しかし私が住んでいる地域にはWells Fargoはないんですよね。。。純粋に証券口座として活用するしかないようです。

https://www.wellsfargo.com/jump/investments/freetrades

this is the ongoing commission rate for all PMA/WellsTrade customers, not a one-time promotion!

kaiさん、

てっきり新規顧客向けのキャンペーンと思っていましたが、違ったようですね。すみませんでした。

お住まいの地域にはWells Fargoはないとのことで、ちょっと残念ですね。でも、年間100回の取引手数料が無料と言うのは、証券口座のみの使用としても、魅力的に思えます。

後、Wells Fargoはオンライン バンキングも非常に優れています。個人的なCitiと比べた場合の感想ですが。。。

私は、既にPMAを使用しているので、合計残高の維持の条件をクリアすれば、この特典を得られるはずなので、検討してみようと思います。

情報ありがとうございました。

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