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Googleの株価上昇の理由は? 

Googleは今日も約1.7%上昇し、過去最高値を更新しています。サブプライム・ファイナンス関連の分野の問題との相関性の低さ、収益の安定した伸び、事業分野の将来性、を考慮すれば、Googleに買いが入るのは、ある程度理解できますが、ここまで来ると、「何でなの?」と言う気には少しなります。株は、美人コンテストに近いものがあるので、人気が集中しているから、と考えれば多少なりとも納得はいきます。

そうこう考えていたところ、“株式18番!のぐっちさんのGoogleに関するエントリーを読みました。

ぐっちさんの記事を読んで、少し考えたのですが、もしかすると、“GPhone”に関する期待が高まっているのが、最近の上昇を押し上げている一つの要因なのかな?と思いました。AppleのiPhoneの今の時点までの、順調な滑り出しと、その株価への貢献を考えれば、“Googleでも!”と期待が高まるのは分からなくもありません。

尚、ぐっちさんの記事の中で引用されているYomiuriの、ニューヨークタイムズの記事はこれだと思います。

このNY Timesの記事の中でも、業界の見方として取り上げられていますが、技術的、ビジネス的には、多くの課題をクリアしなければならないので、AppleのiPhoneと比べた場合、成功するための課題はかなり多いと思います。思いついたことをある程度、羅列すると、

- 携帯電話を使用した広告の事業の可能性
- ハードウェアの事業の経験はない
- ミドルウェアの事業の経験もない(と理解しています)
- OSを独自開発するのか? (多分Linuxを使うと思います)

(追記)このエントリーを書いた後、NY Timesの記事を読み直しましたが、Yomiuriの記事で書かれている”独自のOS"ではなく、「リナックスを使用して、MSのWindows Mobileに対抗して、オープンソースの環境を提供する。」のが戦略の様です。(非常に理にかなっていると思います)恐らくアプリケーションをいくつか用意し、また、広告との連携も踏まえたサービスを提供するのでは、と思います。上記で、経験がないと書きましたが、記事の中で、Androidと言う携帯向けのソフトのスタートアップを買収しているので、多少なりとも経験はある様です。ただし、Androidがどの程度の経験があるのか、また、ハードの開発、販売チャネル等に関しては、恐らく殆どないのではと思われます。
(追記終わり)

ハードの経験がない会社が、ハードウェアの事業を成功させるのは並大抵のことではできないと思います。

Appleの場合は、ハード・ソフトの両方を手がけており、また、iPodでの経験、コンポーネントの流用、開発の共有といった、さまざまな面での、彼らの強みを生かして、iPhoneを手がけています。マイクロソフトはソフトの会社ながら、X-Boxでハードの事業に参入しましたが、彼らはOSやミドルウェアといったハードに近い分野も多く手がけており、製品開発の面では、リソースの活用、既存事業面での強みを生かす、といった利点がありました。

一方、Googleは、基本的にWeb上のアプリケーションソフトが中核のビジネスで、ハードまでの(技術的なインプリ)の階層は離れており、既存の事業での経験・強みはそれ程生かせないと思います。Googleには、そこまでの、シナジーやレバレッジがないので、かなり難しいのでは、と思います。

尚、Googleは既存の携帯電話で使えるJAVAを使用した携帯向けのGMailを提供しており、(私も使っています)ある程度のJAVAのアプリといった部分では経験・強みはあると思います。ただし、JAVAは設計思考がハード・OSに対してインディペンダントであることが特徴であり、言い換えれば、ハード・OSとの相関性は低いので、独自のハードやO/Sを設計・使用する必然性は低いです。そのため、やるとしても、基本ハードは標準的なコンポーネント(ARMコアの、業界標準のTIのOMAP、または、Qualcomm等のIC)を使って、OSもLinux等、標準のものを使うのでは、と思います。

GoogleはAppleとの関係も良好なので、iPhoneをベースに事業展開をし、将来的に他の携帯にも派生・展開させていく、といったアプローチの方が自然なような気がします。

しかし、Googleは以前から無線の領域の獲得に動いており、それに関連する何がしかの新規事業を計画しているようなので、GPhoneがその計画の一部であることは、可能性としては(十分に)あると思います。

このGPhoneへの期待が株価に含まれている場合は、今後のGoogleの計画が明らかになってくる上で、さらなるアップサイド・ダウンサイドの両面があると思います。

短期的な株価の動きとしては、第3四半期の結果が事前予想、そして期待値に対してどうなのか?だと思います。

携帯電話の分野も一段落といった感じだったのが、Appleの参入、そして、もしGoogleが参入するとなれば、かなりの盛り上がりになると思います。今後の動きに注目しています。

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この記事へのコメント

参考になります♪

トラックバックありがとうございます!
記事も大変参考になりました^^

読売の記事を読んだ時、私は噂の段階で留まっている『GPhone』の発売の発表か?と思って小躍りして記事を読んでみたら意外や『OS』でした。
Googleは別に自社開発のOSでなくても、自社の魅力的なアプリケーション(Mail、Map、更にはYoutubeなど)を搭載してもらいさえすれば良かったのでしょうが、自社開発(といってもAlphaさんのご指摘どおりリナックスベースですが)にシフトしたようですね。携帯向けアプリケーション開発企業Reqwirelessなんかも買収してますので、GPhone発売の発表は近いと思います。(期待です^^)

最近の株価の急上昇については私も、『GPhone』に対する期待値や来週に発表される決算に対する期待が大きいと思いますが、期待が大きい分決算後に株価が下げてしまうのも特徴です^^;(前回も$50近く下げました)

正直、Googleのビジネスモデルは類似企業が存在しないため将来の予測がとても難しいです。調べれば調べるほど分からなくなる会社だとも思ってます。

ぐっちさん、

こちらこそありがとうございます。ぐっちさんの記事を読まなければ、このエントリーは書かなかったと思います。本当は、もう少し色々思うところがあるのですが、、、時間とパワーがあまりないので、苦戦しています。

Googleの株は、ここまで上がってしまうと買うといった面での興味はありませんが、製品・ビジネスに対する興味はつきません。(Appleも同様です)

Googleはソフト、事業モデルも非常に洗練されているので、どういったことをするのか楽しみですね。 

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