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ウォーレン・バフェット FBN インタビュー: 続き 

昨日の続きです。(Source: FBN (Fox Business Network) on Oct 18, 2007) 以下、10月18日に放送されたウォーレン・バフェット氏のインタビューの中でのペトロチャイナ株売却に関しての部分を抄訳、(一部意訳)しています。

ペトロチャイナ

LC 「ペトロチャイナの株は全て売ったのですか?」

WB 「全て売却しました。5月のAnnual Meetingの時は、米国ドルで時価総額が約$110B位(約1100億ドル)でしたが、それが今では倍以上になっています。残念ながら売るのが少し早かったようです。ペトロチャイナの売却に関しては、100%企業価値(Valuation)の判断からです。

我々がペトロチャイナの株を買った時、ペトロチャイナ(会社全体)の時価総額は$35B(350億ドル)でした。売却した価格を平均した場合、購入価格に対して約8倍程度になりました。元々の購入価格はアメリカドルで20ドルで、売却価格は160ドルから200ドルの間です。5億ドルの元手で、35億ドルの利益を得られました。しかしながら、少し売却するのが早かったようです。多量のお金をテーブルに残してしまいました。」

LC 「価格が上昇し続けている時に、(永久に上がり続けるわけではないので)いつ売るべきなのか、と言う判断をすることは非常に難しいことだと思います。一般の投資家に対して、売却の判断をする上でのアドバイスは?」

WB 「我々は、いくらで売られているか、それが(将来)いくらの価値があるのか、を考えます。我々が購入した時、ペトロチャイナの時価総額は350億ドルで、我々は最低でも1000億ドルの価値があると思いました。」

LC 「どうやって、ペトロチャイナの様な会社を発見し、注目したのですか?」

WB 「私は、オフィスにて、座って、アニュアルレポートを読んだのです。幸いなことに英語で書かれていました。オイル・リザーブ、精製法、使用している薬品等を含め、良く書かれており、非常に良い会社であることが分かりました。それを読んで、私は、この会社は少なく見積もっても1000億ドルの価値があると思いました。

私は価格(株価)を先に見ません。ビジネスを先に見て、いくらの価値があるのか、考えます。もし価格を先に見てしまうと、それに影響を受けてしまうからです。ですから、私は、会社を先に見ます。そして、価値がどれ位あるのか、見積もります。 その後で価格を見た時、それが見積もった価格より大幅に低い場合、買います。」

LC 「どの様に見積もるのですか?」

WB 「そこが厄介なところです。(それがトリックです。) 重要な判断基準としては、もしできるのであれば、ビジネス全体(その事業全体)を購入したいと思えるかです。

株を売った時、ペトロチャイナの時価総額は2500億から2750億ドル位でした。我々は、その価格は適正な価格帯だと思いました。オイルは、買った頃の1バレル30ドルから、売る時には75ドル程度に上がりました。今はもっと上がっていますね。そして、今日、昨日の時点でペトロチャイナはGEを抜いて、Exxonに次ぐ世界第2位の企業価値の会社になっています。

もしも価格(株価)が大幅に下がることがあれば、また買うと思います。」

LC 「政治的な圧力で、株を買ったり、売ったりすることはありますか?」

WB 「いいえ。 中国政府は、ペトロチャイナ(の株式)を88パーセントを所有しています。そして、中国の最も大きい上位30社の内、29社に関して所有、監督しています。スーダンとの関わりがあるのは、中国政府です。 もし、あなたが取引されている中国の上位30社の株を所有する場合、大株主である中国政府がパートナーとなります。そして、質問は、あなたは、そのことに(スーダンを支援していることに)、責任があるか?と言うことです。」

LC 「あなたは、別の中国の会社に投資するつもりですか?」

WB 「答えは恐らく、Noです。私は、投資する場合に、国といった様な範疇で考えません(国として投資の対象の判断をしません) できるだけ多くのレポートを読んで、何か値ごろなものを見つけようとするだけです。」

(コメント)
ペトロチャイナの投資は、投資額に対して8倍以上の値で売却していたとのことです。このインタビューの部分で、バフェット氏の投資手法、考え方が良く分かります。バフェット氏の投資手法は、有名で、今回話している内容も、基本的には、従来と変わりませんが、いくつか印象に残った部分をハイライトします。

- 購入の判断材料は、アニュアル・レポートの内容
- アニュアル・レポートを読んで、(潜在的)企業価値を見積もる
  (バフェット氏の手法は、まずその企業のIntrinsic Valueがどれ位あるのかを見積もる)
- 見積もりに対して、時価と比較する。ペトロチャイナの場合、当時の見積もった潜在的な価値は約1000億ドル
- 見積もりよりも時価が安い場合、購入する。ペトロチャイナの場合、当時の時価は、約350億ドル
- 売却の判断は見積もり価格が基準となる。(状況に応じて、見積価格の見直しは行っていると思います。)

興味深いと思ったのは、バフェット氏は、国単位ではなく、企業、事業として検討すると言っていることです。とは言え、当然、事業を行っている会社の市場性の点、他で、国固有の状況も考慮していることとは思います。

バフェット氏の発言を聞いて、アニュアル・レポートを読むことの重要性を再認識しました。また、今後の自分の投資戦略・手法に取り入れるべき部分等を検討したいと思いました。

(ご訪問ありがとうございます。)
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この記事へのコメント

感謝です!

Alphaさんこんばんは!

バフェットさんのインタビューを紹介(翻訳)していただいてありがとうございます。大変興味深い内容でとても参考になりました!
かなり面白い内容です^^

TBをさせていただきました。

ぐっちさん、

コメント・トラックバックありがとうございます。ぐっちさんの記事拝読しました。非常に参考になりました。

これからもよろしくお願いいたします。

簡単にですが、お礼のみ。まろさんのブログから来ました。
翻訳、とても感謝しています。
ありがとうございます、これからも同様のことをされてくだ
されば幸いです。

ケングリフィーさん、

コメントありがとうございます。お役に立てたのであれば幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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  • [2007/10/25 19:22]
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