昨日のエントリーでゴールドマンサックスが投資家に中国の株式投資のポジションを一旦クローズ(利益確定)する様に推奨しているとの
記事を紹介しました。
当該エントリーに対しての
かえるさんからコメントを頂きました。かえるさんがコメントでおっしゃられている様に、BRICsの定義、その将来性はゴールドマンのJim O'Neill が元々提案したものです。”Dreaming With BRICs: The Path to 2050”のレポートには、Brasil, Russia, India, Chinaの4国は世界経済の中で巨大な存在となり、2025年までに、4カ国を合わせた経済規模はG6の半分以上の規模になり、2050年までに、4カ国の経済規模は、G6を上回るだろうと予測しています。また、その時に現行のG6諸国の内、世界経済上位6カ国に残れるのは、米国と日本だけだろうと予測しています。
ゴールドマンのレポート:
Dreaming With BRICs: The Path to 2050尚、以下のリンクをクリックすると、ゴールドマンのWebサイトのJim O'NeillによるBRICsのプレゼンテーションのWebcastが見られます。非常にお勧めです。一見の価値はあると思います。
The BRICs Dream: Web Tour(Source: Goldman Sachs)
ゴールドマンは積極的にBRICs諸国への投資を進めてきました。そのゴールドマンの今回のニュースは、ゴールドマンのBRICs戦略に変更が起こったのか?と言った点が興味深いところです。以下に、今回のゴールドマンの動きと彼らの戦略に対しての、私の見方を書きます。
今回の話に関しては、加熱する中国株式市場において、一時的な反動のリスクが高くなっているための、措置と思われます。取り上げた記事の最後にもありますが、中国の将来性に対しての見方が変わった訳ではない、と思います。また、当該記事にもありますが、株式投資に関しては、既に利益を確定してポジションをクローズしているようです。市場が大きな調整等があれば、再度参入するとのことですが、取りあえずは様子見、と言った状況にある様です。
その間の投資活動に関しては、恐らく以下の様な戦略を取るのでは、と思います。
ー 現地通貨の現物保持をし、次の投資タイミングを待つ。通貨のまま持っていたとしても、将来的には、ドルに対する価値の上昇による利益増が見込める可能性が高い。(この戦略は、特に中国向けに限ったものだと思います。ジムロジャーズ氏の戦略と基本的に近い考え方だと思います。)
ー 株式市場に対しての投資は行わないものの、現地企業とのジョイントベンチャーやビジネスに関しては、積極的に投資活動を継続する。
ー ジョイントベンチャーが順調に立ち上がり、無事IPOとなれば、大きな利益を得ることができる。
高騰し同時に不確定要素も高まっている株式市場に対する投資のリスクを回避しつつも、有望な市場に対する投資活動に関しては継続することを、投資戦略として取っている様に思えます。恐らく他の投資銀行も似た様な戦略を取りつつあると思います。
このシナリオを想定した場合、BRICsの株式市場は内外の個人投資家の比率が高まることとなります。だから市場が下がるのか?と言えば、そうとは限らないと思います。個人投資家の熱が高ければ、市場は継続して上昇していくことも十分に考えられます。ただし、変動率、不確定要因は高まると思います。この様なケースは、日本でも新興市場の動きが似た様なケースとして考えられます。(個人投資家中心で、急激に上昇したものの、変動が激しい。)
上記シナリオは、新興国の株式市場の変動がさらに激しくなることが予想され、また、何かのきっかけで大きく下落し、世界の株式市場に対しても影響を与える可能性もあると思います。はっきり言って、新興国の株式市場の暴落をプロが手ぐすね引いて待っている、と言った様なシチュエーションになっていく、もしくは、もう既にそうなりつつあるのかも知れません。
株式市場からスマートマネーが一時的にせよ、撤退しつつある様な状況にあるとも考えられます。
もしかするともの凄く当たり前のことを書いてしまったのかもしれませんが、念のためエントリーします。
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