ここ最近の著名な投資家の動き、発言やゴールドマンの投資家向けのレポート等から、彼らがBRICsの株式市場でのポジションをクローズ、または、縮小していることが、明らかになってきています。主な例として、いくつか以下に挙げます。
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バフェット氏がペトロ・チャイナ株を全て売却- ジム・ロジャーズ氏が「米国は疑いなくリセッション(景気後退)にある」と発言
U.S. "undoubtedly in recession": Jim Rogers (Wed Oct 24, 2007)
以前のエントリーで、Fortune誌でのジム・ロジャーズ氏の市場に対する見方をとりあげました。まだ読まれていない方は、是非一読をお勧めします。(
ジム・ロジャーズの意見)
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ゴールドマン・サックスの新興国株式投資のポジション縮小また、日本の株式市場に関しても、海外の(機関)投資家を中心にポジションを縮小していることが、最近株価の下落の一つの要因だとされています。
確たる情報があるわけではないのですが、米国の株式市場に関しても、最近の動きを見ていると、機関投資家の一部は、ポジションを縮小しているのではないか、と感じています。
ここ数週間の市場関連のニュースを見ても、米国景気の失速を示す様な記事を目にすることが多くなってきました。住宅関連市場も、改善の見込みは見えない状況、ファイナンスに関してはクレジット関連での大幅な損失を計上する企業が多くなってきており、さらに、このクレジットの問題は年内で収束する様な見方は、急速に後退してきています。小売店の10月の販売状況、クリスマス商戦の見込みも、厳しい状況を示す発表がされています。これまで、米国経済を支えてきた、旺盛な消費活動が今後停滞する可能性が高くなってきています。
この様な状況にも関わらず、2週間前にそれなりの調整はありましたが、先週は若干上昇しており、市場は大きく崩れていません。 先週の一部銘柄の株価の動きを見ていると、もっと下がってもおかしくない様な銘柄が上がったり、もう少し上がってもおかしくない銘柄がそれ程上がらない、または下がったりしています。この様な動きの要因として、機関投資家が、空売りの解消、利益確定、レバレッジ・ポジションの縮小を行っていることが、考えられます。
また、VIXも再び上昇(先週は下落)しており、今後、市場は変動が激しくなることが予想されています。今年の夏、ヘッジファンド、特にQuantsに関しては、市場の激しい変動の際に大きな損失をだしたところがあったことは記憶に新しいところだと思います。今後予想される市場の変動に備えて、ヘッジファンドでは、一旦、ポジションを解消、縮小する様なところもあるのでは、と思います。 (もちろん、全てではなく、中にはポジションを拡大するところもあると思います。)
良く知られていることですが、市場の暴落、恐慌時は、著名な投資家等にとって、絶好の投資機会とされています。市場の先を行く機関投資家たちは、既にそういったイベントに備えており、その次のレベルの投資家達が今、準備を始めているような気がしています。
ここから先は、プロ達の熾烈な戦いが展開される様な状況になってくるのでは、と思います。一般の投資家にとっては、かなり注意が必要だと思います。 あわててポジションを変更する必要はない(すべきでない)と思いますが、万が一の状況、厳しい投資環境に備えての準備をする必要があると思います。
一般的には、Value投資株の長期所有やインデックス・ETFのドルコスト平均法で購入する様な手法・戦略であれば、この様な状況でも問題はないと思います。しかし、私の場合、今、市場が大きな調整に入ったり、長期的に下落のトレンドが続くような状況になった場合、私の今のポジション、投資戦略だと大きな痛手を被るリスクがあります。
今週のThanks Givingの休暇を利用して、頭を整理して、今後のシナリオ、対応策を準備する予定です。
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