各主要インデックスの終値Dow: 132958.44, -218.35 (-1.66%)
Nasdaq: 2593.38, -43.86 (-1.66%)
S&P 500: 1433.27, -25.47 (-1.75%)
本日の米国市場は、ゴールドマン・サックスがCitigroupのレーティングをダウングレードしたこと、住宅関連資材小売(日本で言えば、日曜大工センター)全米第2位のLowe’sの第3四半期の減益と07年の見込みの引き下げの発表等をきっかけに、市場全体が全面安となりました。NYSE、Nadaqの約8割の株が下落しました。
本日の主なニュースゴールドマン・サックスのアナリストが、Citigroupのクレジット関連の損失は、第4四半期に110億ドル、来年第1四半期に40億ドル計上する見込みであるとし、レーティングを“Sell”にダウングレードしました。Citiの株は本日5.88%下落しています。
関連記事:
UPDATE 4-Citigroup falls on "sell," $15 bln writeoff seen住宅関連資材小売(日本で言えば、日曜大工センター)全米第2位のLowe’sが第3四半期の結果を発表しました。純益は、前年同期比で10.2%下落、売り上げは、微増(昨年112億ドルに対して、今年116億ドル)でしたが、開店後最低1年経過した店での売り上げ比は4.3%下落しています。EPSはアナリストの予想41セントに対して43セントで上回りましたが、問題は第4四半期の利益見込みを、EPS25から29セントに落としており、アナリストの予想の36セントを大きく下回っています。この発表で、本日のLowe’sの株価は7.56%と大きく下落しています。
関連記事:
Lowe's 3Q Profit Falls, Cuts Outlook尚、市場終了後に、HPが第3四半期の決算を発表しました。結果は、純利益が年同期比28%増の約22億ドル、EPS81セントの好決算でした。アナリストの事前予想は、もろもろの費用を考慮する前の段階で、82セントで、それに対して結果は86セントでした。第4四半期の見込みに対しても、明るい見通しを示しています。また、80億ドルの自社株買(ストック・バイ・バック)が取締役会で承認されたと、発表しました。HPの株価は、本日2.58%下落しましたが、アフターアワーズでの取引でこのエントリーを書いている段階では、1%弱上昇しています。 良い結果発表だったにも関わらず、それ程、アフターアワーズで上がっていないのは、(事前予想以上に)好決算になるだろうとの見込みが株価に既に織り込まれていたからだと思われます。
関連記事:
HP profit rises as notebook PC sales growそして、Nordstromも市場終了後に結果を発表、こちらも事前予想を上回る結果でした。第3四半期利益は22%増でアナリストの予想を上回っています。こちらの方は、予想以上に厳しいのではないか、との懸念があったので、本日は6.12%下がっていましたが、アフターアワーズで、10%を上回る大幅な上昇となっています。
主なセクター・株の動き(ファイナンス) Citiを筆頭に主要企業の株は、それなりに大きく下落しています。主なところで、Citi 5.88%, BofA 3.49%, JP Morgan Chase 3.99%, Wachovia 2.63%, Goldman 2.09%, Morgan Stanley 3.35%, Lehman 2.93%, Bear 5.07%, Merrill 3.99%、下落しています。 また、E-Tradeは13.42%、Countrywideは12.43%と大きく下落しています。
(住宅) 主なところで、DR Horton 7.48%, Lennar 8.68%, Centex 5.91%, KB Home 6.51% 下落しています。
(小売) 先週大きく下げたTargetは今日はほぼ変わらず(微増)でしたが、それ以外の小売関連の企業の株は殆どが下落しています。 Home Depot 3.03%, Kohl’s 4.21%, Wal-Mart 1.88% 下落しています。
(テクノロジー) 下落しているところがほとんどですが、AppleやGoogleはそれ程下がらず、MicrosoftやYahooは殆ど下落していません。
まとめ・コメントゴールドマンのCitiの損失見込みに関して、今四半期は既にCitiが発表している見込み額(上限ですが)に沿っており、来四半期にも損失するだろうとの見込みが新しいものの、殆ど予想された範囲で、特別に新たに問題を提起したものではない様に思えるのですが、この発表が今日の市場に与えた影響は大きかったようです。Lowe’sに関しても、かなり悪いだろうと予測されていたので、特別驚くべき様なものではなかったと思います。個人的には、今日の値動きが、先週あるべきだと思っています。(一つ前のエントリーでも書いていますが、先週の値動きは少し変でした。)
尚、市場終了後に発表されたHPとNordstromの結果は、明日以降の値動きに与える影響は大きいと思います。これらの結果が、悪かった場合、恐らく市場心理は非常に悲観的になっただろうと考えています。結果は、HPに関しては、ほぼ予想通り、しかし内容自体は非常に良く、しかも、今四半期に対しても大丈夫といった安心感を与えるものでした。これで、Ciscoがきっかけとなったハイテク・セクターに対する(必要以上に)悲観的な不安・見方は多少なりとも払拭されたと思います。個人的には、市場センチメント・認識にHPの結果があたえる影響は非常に大きいと思います。
また、Nordstromの結果は、完全にポジティブサプライズだと思います。明日の市場は、これらの企業のニュースで、大きく下落する可能性は減ったのではと思います。
今日は米国市場はそれなりに大きく下がりましたが、日本市場がどれだけ下がるか注目です。今日、あまり下がらない、または、万が一上がる様なことがあれば、市場トレンドの重要な転換期となると思います。 多分、アメリカにつきあってそれなりに下がってしまうと思っていますが、その様な悲観的な見方を裏切ってくれる期待をこめて見守りたいと思います。
(お役に立てる様な情報だった場合、クリックしていただければ幸いです。)
人気blogランキングへ