各主要インデックスの終値Dow: 12799.04, -211.10 (-1.62%)
Nasdaq: 2562.15, -34.66 (-1.33%)
S&P 500: 1416.77, -22.93 (-1.59%)
Thanksgiving前の本日の米国市場は、下落で始まり一旦はかなり戻したものの、引けにかけて再び下落して終了しました。今日も変動が激しい一日でした。また、昨日と同様に、セクター間、銘柄によっての差が大きかった様に思えます。
本日の主なニュース今日はそれ程、経済動向などに直接影響する様な大きなニュースはありませんでしたが、以下が主なものだと思います。。
米財務長官Henry PaulsonがWSJのインタビューで、2008年の住宅ローンの破綻件数は、2007年に比べて非常に多くなるとの見方を示したことが、報道され市場センチメントに影響したようです。関連記事:
Paulson Shifts on Mortgages (Wall Street Journal)本日発表された、失業保険申請件数は、前回に比べ1万1千件減少の33万件で、雇用状況は堅調に推移していることを示しています。尚、これはほぼ事前予想通りの結果でした。
GAPが第3四半期の決算を発表し、アナリストの事前予想を若干上回る利益が26%増の好結果でした。しかし、売り上げの減少と、今後の見通しに対して、かなり厳しいとの見方を示したため、株価は本日6%以上下落しています。
関連記事:
Gap 3Q Profit Rises 26 Pct on Cost Cuts耕作機器メーカー大手のDeereの第4四半期(決算上)は、前年同期比52%増の好決算でした。農業向けの売り上げが大幅に伸びたためとのことです。株価は本日4.87%上昇しました。関連記事:
Deere 4Q Profit Climbs, Beats Forecast主なセクター・株の動き(ファイナンス) Hank Paulson氏のWSJのニュース等により、今日も市場のクレジット不安は強く、セクター全体として、今日も下落しています。ただ、日中の最安値からはかなり戻したところが多かった様に見受けられます。大きく下がったのは、Countrywideで8%以上下落しています。E-Tradeは、今週は再び大きく下がっていたのですが、今日は12%以上上昇しました。それ以外では、主要投資銀行が比較的大きく下がったのが目に付きました。Goldman -3.67%, Merrill Lynch 3.45%, Morgan Stanley 3.81%, それぞれ下落しています。
(住宅) 昨日に引き続き下落している所が多かったです。
(小売) セクターの指数としては、S&P 500 Retailing Index が0.3%下落、consumer discretionary sectorが1.0%の下落で、意外に堅調でした。また、昨日決算発表後に大きく下落したTargetは、今日は反対に4.66%上昇となりました。
(テクノロジー) 今日も、銘柄によっての上下落の差が大きかったです。主要な所では、Google, RIMMが上昇、Appleはほぼ変わらず、Intel, CiscoがNasdaq指数以上に下げています。
まとめ・コメント今日も市場は、非常に激しく上下に変動しました。昨日に引き続き、セクターや、セクター内の銘柄による差もかなり大きかった様に思いました。今日を含み今週は、特に直接的な景気・経済に関わる大きなニュースがない中で、市場センチメントだけで大きく変動している様に思います。
既に何度か書いていますが、ここのところの市場の動きを見ると、ヘッジファンドや主要機関投資家の間でポジションの縮小を進めている様に思えるのですが、その傾向がさらに強くなっている様に感じます。
次々と発表され、収束がまだ見えないクレジット関連の問題、財務長官Paulson氏も語っているように、恐らく更に悪化することが確実な住宅市場と住宅ローン市場、引き続き厳しい状況がつづくことが確実視されている自動車業界、等、市場環境は非常に厳しい状態にあると思います。さらに、自動車ローンにも破綻が増えてきているとのニュースや、米国内小売業も今四半期からかなり厳しい状況にあると見られており、米経済環境は悪化の材料が増えてきています。
ここ数日で、ある程度の調整が進みましたが、後は、12月半ばの主要投資銀行の決算発表とFedの金利政策がどうなるのか、と言ったところに焦点は集まってきていると思います。それまでの間は、Fedが何か特別な発表をする、等がない限りは、相変わらず市場心理で株価が変動する状況が続くのではと思います。
年内までの見通しとして、12月の投資銀行の決算発表でポジティブ・サプライズ等があるとは、非常に考えづらい気がします。また、“底を打った”、“悪材料は全て出た”と言った状況にはまだならない様に思います。 市場好転となる材料として、唯一とも言えるのは、Fedの更なる利下げだと思います。
何となくですが、余りにも(現実的に)状況が悪化してきて、この“Fedの利下げ”効果も市場に対する有効性が落ちてきているのでは、と思います。
2002年の2月にアニュアル・レポートの中の投資家向けのレターで、バフェット氏が語った有名な言葉:
"After all, you only find out who is swimming naked when the tide goes out. "
「潮が引けた後、最後になって、誰が裸で泳いでいたのか分かります。」
(全文は
こちらです)
何となく、潮が引けてきている様に思えます。気のせいだと良いのですが、、、
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