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S&P 500の第3四半期は前年同期比で減益に転落 

11月25日のThe Big Pictureに、"Read it here 1st: Profits Flip Negative for Q3"と言うタイトルのエントリーがあります。これは、The Big Pictureの11月20日の"S&P 500 Profit Flips Negative for Q3"の続きです。

この記事は、S&P500の企業の内90%以上の企業が第3四半期の決算を発表し、結果は、利益が前年同期比で8.5%の下落に転じたことに関して書かれています。

(以下、The Big Pictureの11月20日の"S&P 500 Profit Flips Negative for Q3"から一部引用し、訳しています。)

S&Pの米国企業の第3四半期の収益見込みは、前回の水準から下落しており、本四半期はマイナスになりました。前年同期比で見た場合、S&P 500の第3四半期の利益は8.5%のマイナスになっており、減益となったのは、2001年以来(-24.2%)のことです。10月の時点でのコンセンサスは3.3%の上昇でした。

第4四半期の数字は、前回の予想より低くなっています、ただし第3四半期の状況ほどではありません。 まるで、アナリストは、第3四半期の結果は常軌を逸しているとして、受け入れていないかの様です。ロイターによると、第4四半期のS&P 500利益見込みは5.9%の上昇で、この予想は先週の7.6%の上昇よりも下がっています。恐らく、GMの390億ドルと言う巨額の引き当てを計上したことが、(第3)四半期が振るわなかった理由と解釈しているようです。

もしGMが(第3四半期の問題の)原因だったとするのであれば、我々は、住宅、クレジット、消費者のセクターの三位一体のひどい状況を考慮しなくて良いことになります。
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第3四半期に消費者向けのセクターは、前年同期比で38.9%下落しており、ファイナンス・セクターは33%下落しています。いくつかのセクターは良好な結果をだしており、特にヘルスケアとテクノロジーに関しては、12%と15%それぞれ上昇しています。

SP500 Q3 Earnings

(引用終わり)

通常、ファイナンス・セクターがS&P 500の収益の30%程度のシェアがあるとのことなので、今回(第3四半期)にファイナンス・セクターがマイナスになったことが、S&P 500全体がマイナスになった一つの大きな要因と考えられます。今の時点での第4四半期のアナリストの利益予想はプラスの様ですが、最新の状況を考えると、第4四半期のファイナンス・セクターの結果はさらに悪くなることが予想されるので、第4四半期のS&P 500もかなり厳しい状況になると思われます。

また、The Big Pictureの"Read it here 1st: Profits Flip Negative for Q3" エントリーで引用しているBarron'sの記事において、Merrill LynchのDavid Rosenberg氏は、企業の収益に関して言えば、既にリセッションになっている、と語っています。引用しているBarron'sの記事のリンクを添付します。(記事の具体的な内容を読むためにはサブスクリプションが必要です)

Skeleton at the Feast
By Alan Abelson
Up and Down Wall Street
Barron's, November 26, 2007
http://online.barrons.com/article/SB119586356074702600.html

米国企業の第4四半期の結果は、かなり厳しいものになることが予想されます。また、著名なエコノミスト(David Rosenberg氏)が既にリセッションだ(収益に関して、と限定していますが)、と語っていることも注目です。

このBarron'sの記事は、ほとんどの業界関係者は読んでいると思います。

(後記)
後で読んでみて、これを読んで不安に思われる方もいらっしゃるかと思いました。私の主旨としては、注意を払った方が良いのでは、といった観点で、このエントリーを書きました。このエントリーは、米国のメディア、業界関係者が読んでいるものをベースにしているので、重要と思ったため取り上げました。この情報は、数多くある市場情報の一つでしかありません。今後の見方に関しては、人それぞれですし、明るい見通しをする意見も当然あると思います。

尚、私自身は、今の時点で日本と米国とも所有する株を売っていません。状況を十分に見極め、今後の動向を考慮した上で対応を考えようと思っています。自分としては、このエントリーの内容も、今作成中のシナリオ・プランニングとそれに応じた自分の投資戦略を立てるため上で、考慮する情報の一つとして位置づけています。

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