各主要インデックスの終値Dow: 12743.44, -237.44 (-1.83%)
Nasdaq: 2540.99, -55.61 (-2.14%)
S&P 500: 1407.22, -33.48 (-2.32%)
Thanksgiving後のクリスマス商戦は、小売業界の積極的な販売戦略もあり、思いの他、堅調な滑り出しとなった様です。米国内の消費が失速しているとの懸念が一部払拭され、市場開始時は小高く始まりました。その後、午後2時ごろまでは小康状態を保っていましたが、2時過ぎから下落のトレンドへ一気に変わり、各主要インデックスは2%前後の下落となり終了しました。S&P 500は、年初から比べマイナスになりました。 S&P 500は、今月に入ってから9.2%下落しており、一月の下落率としては、過去5年間で最低のレベルに近づいているとのことです。
本日の主なニュースShopperTrakの発表によると、ブラック・フライデー(11月23日)の小売店の売り上げは、103億ドル、続く24日土曜日は61億ドルの計164億ドルとなり、昨年と比べ7.2%増でした。尚、ブラックフライデーは、昨年比8.3%増、土曜日は5.4%増とのことです。
BLACK FRIDAY SHOPPING MOMENTUM CONTINUES THROUGH SATURDAYUBSが、Freddie MacとFannie Maeのレーティングをを“Buy”から“Neutral”にダウングレードしたとの発表がありました。株価は、Freddie Mac 7.44%、 Fannie Mae 10.19%それぞれ大幅に下落しています。
また、CNBCがCitigroupが、大規模なレイオフの発表をまもなく行うとの報道をしました。レイオフの規模は、現従業員の15%にあたる45000人に達するかもしれないとのことでした。
関連記事:
Citi Aims to Cut Costs; Layoffs PossibleFederal Home Loan Bank of AtlantaがCountrywide Financialに貸付していくる額が増加しており、それに対して、Charles Schumer下院議員が懸念を表明し、調査を要求していることが、報道されています。Countrywideの株価は本日10%を上回る下落をしています。
関連記事:
UPDATE 1-U.S. Sen. Schumer questions Countrywide borrowingGoldman SachsがHSBCが米国のサブプライム住宅ローンとホームエクイティローンで更に120億ドルの引き当てが必要となると予想しているとの事です。HSBCは、月曜日(本日)に傘下の2つのSIVの救済のために最大350億ドルを用意する予定であることを発表しています。
関連記事:
HSBC backs SIVs with $35 billionこれらのニュースから、クレジット関連の問題の懸念がさらに高まり、ファイナンス・セクターは本日大きく下落し、市場全体にも影響を及ぼした様です。
主なセクター・株の動き(ファイナンス) 上に書いた様に、クレジット関連の問題の新たなニュース等もあり、セクター全体として、今日は大きく下落しました。E-Tradeは、住宅ローン関連の問題により、売却先の候補の会社(SchwabまたはAmeritrade)が懸念を持っているとの報道があり、今日は、13.7%と大きく下落しました。
(住宅) この様な市場状況の中で、住宅セクターは大きく下落したところがありました。KB Home 9.41%, Meritage Homes 10.08%, Centex 7.92%, が大きく下落しました。
(小売) 下がっているところが多いですが、下落幅はそれ程でもないように思えました。Bestbuyは上昇してます。Targetは3.41%下落しましたが、これは、金曜日に上昇した分の調整的な感じだと思います。
(テクノロジー) ほとんどが、下落している中、Appleは微増。下落幅は、会社によって差があります。ちょっと注目は、HDDのメーカーのSeagateとWestern Digitalが上昇しています。Valuation的に買いなのは十分に理解できるのですが、主要顧客のPCやServerのOEMも下落しており、ストレージ・メーカーのEMCやNTAPが下落している中での上昇は、ちょっと理にかなっていません。 (まあ、時々あることですが、ただ普通は何か理由があります。)
まとめ・コメント今日は、それなりに大きく下落しました。クレジット関連の問題の新たな発表、報道がある中で、懸念が高まっているので、ある意味、下落は納得できなくもありません。ただ、Technologyセクターも大きく売られているのが気になります。
金曜日の上昇は、主に個人投資家の買いが理由にあったと思うのですが、Thanksgivingの休暇も終わりヘッジ・ファンド等の、プロの投資家(機関投資家)がポジションを縮小している動きが続いている様に思えます。
正直な所、私自身も今週、来週に市場が上昇するようであれば、不確定要因に対するリスクを低減するために、ある程度のポジションを縮小しようと思っていました。プロは、アクションを取るのが早いので、出遅れ気味かな、と思っています。
プロの場合は、年内中のパフォーマンスで、ボーナスや査定が決まるので、年末までにポジション変更等いろいろ動きがあるのは、周知の事実です。自分の場合は、その様な制約、事情はないので、落ち着いて対応を考えようと思っています。今の時点では、米国のポートフォリオの構成に関しては、現在の状況でもある程度対応できると考えているので、それ程、あわてて取引をするつもりはありません。(ある程度のポジション変更はしたとしても) 日本のポートフォリオの方は、できるだけ早く対応案を検討する必要があります。(取引はしなくても、準備をする必要がある。)
ちょっと気になるのが、今日のニュースにはFedの利下げに対する期待等の報道がほとんどなかったことです。実際、今発表されているクレジット関連の問題は、Fedが金利を下げたとしても、状況が劇的に変わるわけではないので、当然と言えば当然のことだと思います。今まで、Fedの金利引下げが、状況を劇的に解決するようなイメージで市場が捉えていたことが、おかしいと言えばおかしいのですが、、、だんだん市場は状況を冷静に把握してきている様に思えます。このことは、Fedが金利を引き下げたとしても、今までのように投資家のセンチメントが劇的に変わり、市場全体が大幅に上昇する様なケースから、状況が変わってきている様にも思えます。
この辺りは、ここ2週間くらいの市場の動きやセンチメントで明らかになってくると思います。
(お役に立てる様な情報だった場合、クリックしていただければ幸いです。)
人気blogランキングへ