各主要インデックスの終値Dow: 12958.44, +215.00 (+1.69%)
Nasdaq: 2580.80, +39.81 (+1.57%)
S&P 500: 1428.23, +21.01 (+1.492%)
今日の米国市場は、昨日の下落から反転して上昇して始まり、上下の変動はそれなりにあったものの、最終的には、各インデックス1.5%前後の上昇となりました。ほぼ昨日の下落分を取り戻した様な形です。
本日の主なニュース昨日、市場終了後に発表された、Citiに対するAbu Dhabi Investment Authority (ADIA)の75億ドルの出資のニュースは、市場に対しても好材料となった様で、本日、ファイナンス・セクターは全体としては大きく上昇しました。Citiの株価も上昇して始まりましたが、その後すぐにマイナスとなり、本日は1.24%下落して終了しました。ADIAに支払う金利が年11%と高いのが、投資家の失望を買ったようです。ADIAは今回の出資により、Citiの筆頭株主となるとのことです。
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Citigroup to sell $7.5 billion stake to Abu DhabiCiti's $7.5B Infusion Met With Criticism本日発表された、11月の消費者コンフィデンスのインデックスは4ヶ月連続下落して87.3となりました。これは、10月の修正値95.2から8ポイント下落しています。今回のインデックス値は、2005年10月の原油とガスの高騰に、ハリケーン・カトリーナによる災害があった月に記録した85.2に次ぐ低い値とのことです。また、下落幅に関しては、2005年9月以来で最も大きいものとのことでした。尚、アナリストの事前予想は、91.5で、それを大きく下回っています。
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Consumer confidence tumbles in November先週、第3四半期の決算で20億ドルの損失を発表したFreddie Macが、配当を半分に引き下げることと60億ドルの優先株の発行することを発表しました。これは、さらなる損失が予想されるための対応との事です。配当の引き下げは、株式を公開した1989年以来始めてのことです。Freddie Macの株価は本日5%上昇しています。
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Freddie Mac to sell stock, cut dividend市場終了後に、Wells Fargoが、第4四半期に14億ドルの損失を計上する見込みであることを発表しました。主な損失の理由は、家を担保に融資を得るホームエクイティ・ローンによる損失との事です。Wells Fargoの株価は、本日1.15%上昇しましたが、発表後のアフターアワーズでの取引では、4%以上の下落となっています。
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Wells Fargo to take $1.4 billion charge for bad loans主なセクター・株の動き(ファイナンス) Citi以外は、上昇しています。
(住宅) S&Pは、四半期ごとの中古住宅の販売価格は、第3四半期に4.5%下落したと発表しました。下落幅は、調査を開始した1987年からで最も大きかったとのことです。このニュース等から、ほとんどの住宅建設会社の株は下落し、今年最低の水準になっています。高級住宅に特化したToll Brothersは本日1.38%上昇してます。
(小売) 下がっているところが多いですが、下落幅はそれ程でもないように思えました。Bestbuyは上昇してます。Targetは3.41%下落しましたが、これは、金曜日に上昇した分の調整的な感じだと思います。
(テクノロジー) 今日は、ほとんどが上昇しました。 ちょっと気になったのは、AppleとGoogleはあまり上がっていません。Appleの場合、昨日、殆どの会社が下落する中、上昇したので、その調整的な可能性も考えられます。 Ciscoは1%下落と振るいませんでした。市場終了後にMarvellが決算発表を行い、結果は赤字でしたが、ストック・オプション等の経費を除いた利益は、アナリストの事前予想を大きく上回ったものの、株価は、アフターアワーズで10%近く下落しています。(日中は4.13%上昇) 正直、なぜこれほど大きく下落するのか分かりません。ちょっと気になっています。
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Marvell Technology beats despite lossまとめ・コメント昨日の下落により、DOWとS&Pは最高値から10%下回る水準となり、これにより、正式にWall Streetは
リセッション'Correction'(市場の調整)に入ったとの報道がWSJを含め各メディアで報道されました。尚、最近過去5回の同様のケース(
リセッション'Correction':最高値から10%下落)は、内4回に関しては、6ヶ月後以降には上昇に転じており、一部では“買い“のサインでもあるとの見方もあるようです。
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It's Official: Wall Street Correction ここのところ大きく下がっていたので、反発の勢いが高まっていたようで、CitiのADIAの融資の発表を材料に、市場は大きく上昇しました。
一方で、11月の消費者コンフィデンスは、予想を上回る落ち込みを見せています。米国の経済の3分の2をしめる消費者の購買が失速した場合、影響は大きいので、経済動向としてはかなり注意が必要な状況だと思います。
また、市場終了後に発表されたWells Fargoの損失計上のニュースは、クレジット関連の問題が引き続きあることを示しています。特に注意したいのは、今回のWells Fargoの損失は、住宅ローンではなく、ホームエクイティ・ローンの損失だと言うことです。一般に、ホームエクイティ・ローンは、住宅の時価に対して負債との差分の80%を上限に融資を行うもので、利用者はそれを利用して、自由にお金を使うことができます。使用例としては、家の改築費やクレジット・カード等金利の高い負債の返済等につかったりするのですが、人によっては、家具や車などぜいたく品の購入にも使います。住宅価格が高騰して、時価が上がったため、ホームエクイティを利用する人は、最近まで非常に増えていました。ここにきて、住宅市場価格が下落したため、必要以上に融資を得たりした一部の負債者にとっては、家計の圧迫、貧窮につながっていると思います。このホームエクイティの問題は、住宅価格が下がれば、さらに大きくなる可能性があり、今回のWells Fargoの発表を含め、今後、サブプライムの破綻に関連したクレジットの問題に加え、新たに大きな問題となる(破綻件数の増加など)可能性があります。
今日は反発しましたが、本日発表されたニュースを見ると、悪い材料が多い気がします。明日以降の上昇するための材料はあまりなく、下落に関しては材料がさらに増えている気がします。また、上に書きましたが、今日の市場終了後のMarvellの決算に対するアフターアワーズでの市場の反応が気になります。アフターアワーズでの取引の値動きは時として、非常におかしな場合があるので、そうであれば良いのですが、、、個人的には、今の株価のレベルで、今回の発表結果で大きく売られるのは、(市場のセンチメントが非常に悲観的でない限り)理解できません。
個人的に注目しているFedの金利引下げに関するニュースは、今日の市場終了後に発表されたこの記事です。
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Fed officials lean toward no "holiday" rate cut この記事は、シカゴの中央銀行のCharles Evans氏と、フィラデルフィアのCharles Plosser氏が、来月にFedが金利を引き下げる観測が高まっていることに対して、否定的な発言をした、との事です。この記事の中で、金利が引き下げることによる弊害の懸念を表明し、現行の金利水準が適切とし、今の時点で金利の更なる引き下げは必要ではない、との見方を示しているようです。
一方で、Wall Streetの関係者の間では、更に大幅な金利引き下げの予測(期待)が高まっているようです。この記事の中でも、Goldman Sachsの見方として、リセッションの可能性の高まりから、従来の必要とされる金利見込みを4%から3%に引き下げているとの事です。(これは、恐らく12月の時点での金利目標ではなく、来年のことだと思います。)
恐らく、今週後半から来週にかけて、再びFedの12月の金利引下げに関する業界関係者の駆け引きが活発になってくると思います。
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