各主要インデックスの終値Dow: 13727.03, +101.45 (+0.74%)
Nasdaq: 2718.95, +12.79 (+0.47%)
S&P 500: 1515.96, +11.30 (+0.75%)
FOMCを一日前に控えた本日、市場は上昇して始まり、その後若干の変動はあったものの、先週金曜日より上昇して終了しました。
本日の主なニュースUBSが新たにサブプライム関連で100億ドルの損失を第4四半期に計上する見込みを発表しました。これにより第4四半期と、場合によっては、2007年通年も赤字となるかもしれない、との見込みです。この発表と平行して、シンガポールのGICが110億スイスフラン(約975億ドル)をUBSに投資することを発表しました。今回のGIC資金投入に際して、名前が非公開の中近東の投資家が20億フラン融資しているとのことです。
UBSは、11月の中頃まで第4四半期は黒字になるとの見込みを示していました。UBSの株価は本日2.34%上昇しています。
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Subprimes Force UBS to Write Down $10Bマクドナルドが既存店の11月の売り上げを発表しました。結果は、売り上げが8.2%の上昇と好調でした。好調の要因は、朝食の事業が堅調だったとの事です。地域ごとでみた場合、ヨーロッパが10.8%も上昇しています。(米国内は4.4%の上昇で、こちらもまずまずだと思います) 株価は本日2%近く上昇しています。
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McDonald's November same-store sales up 8.2 percentWarburg Pincusが住宅ローン債権等の問題から資金難が噂されているMBIAに10億ドルの投資を行うことを発表しました。この発表で、MBIAの株価は本日13.17%上昇しました。
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MBIA to Get $1 Billion Capital Infusion市場終了後、Washington Mutualが住宅ローンとクレジット市場の問題から、予想されていた以上の損失(15から16億ドル)を第4四半期に計上する見込みと発表し、同時に、半分以上の営業所(店舗)の閉鎖と3100人の人員削減を発表しました。本日株価は、4.47%上昇しましたが、発表後のアフターアワーズで8%以上下落しています。
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Mortgage crisis forces big cuts at WaMu主なセクター・株の動き(ファイナンス) 主要なところは全て上昇しています。大きく上がったのは、Countrywideで8.41%の上昇でした。WFC、BAC、JPMと言った主要銀行も3%前後の上昇でした。投資銀行系も同様に好調でした。
(住宅) 殆どが上がっています。上昇が目立ったのは、DR Horton 6.49%, Lennar 3.82%上昇しています。
(小売) ほとんが上がっていますが、上げ幅はそれ程でもありません。
(テクノロジー) あまり目立った大きな動きはありませんでした。一旦、大きく調整したAppleとGoogleは、再び過去最高の水準に近い所まで戻してきています。ここ最近Yahooの株価が思わしくありません。
まとめ・コメント全般的に、明日のFOMCの発表待ちといった状況にあり、大きな動きはありませんでした。取引数量もやはり多くありませんでした。セクターとしては、ファイナンスセクターが今日も順調に値を上げています。UBSが100億ドルの損失を計上する発表にもかかわらず、株価は上昇し、セクターとしても、悲観的な受け取られ方はなかった様です。尚、UBS、MBIAに対する資金投入もセンチメントに貢献したと思います。
ただ市場終了後にWaMuが第4四半期の損失が当初予定されている以上(約2倍)の損失となること、営業所の閉鎖と人員の大幅な削減を行うとの発表があり、アフターアワーズで大幅な下落となっているので、これが明日どうなるのか、注目しています。恐らく市場全体への影響は大きくないと思いますが、やはりFedの金利引下げしだいと言う気がします。
市場の見方としては、25bpの可能性が高いとの見方の様ですが、ここのところのファイナンス・セクターの値動きを見ていると依然として50bpの期待が高まっている様に思えます。そのため、もし明日下げ幅が25bpだった場合に、ファイナンスセクター全体が失望売りとなる可能性はあると思います。
もし、50bpだったら、、、どうなるのでしょうか?取りあえずは、お祭り状態になるのでしょうか?ただ、もしそうなった時は、ショートの方も活発になる気がしますが、、、考えてもしょうがない(関係ない)のでお任せです。市場が大幅に上がるようであれば、予定通りポジションを落とす予定です。
明日だけでなく、その後の市場がどう動くか、トレンドはどうなるのか、注目です。週の後半に発表される11月の小売店販売状況、CPI、PPI等の経済指標も、FOMC発表後の市場トレンドを決める上で重要となると思います。特に小売店の販売状況は、米国国内経済の今後を占う上でも重要だと思います。更に、13日木曜日のLehman Brothers, そして来週の主要投資銀行の四半期決算発表と、これらのニュースの内容によって、短期的に市場が大幅に変動する可能性は高く予断は許しません。
恐らく、この1~2週間の間に、一旦、ショートポジションを解消する動きがかなりあったと思われます。その動きが市場の上昇の底上げに貢献していると想像しています。これで、Fedの金利発表の後、再びヘッジファンドやアクティブに運用するファンドマネージャーを中心として駆け引きが活発になると思います。当然のことながら、一部ではショートポジションの積み上げが活発に行われると予想しています。また、今年はウィンドードレッシングの動きも活発になることが予想されます。当たり前のことですが、皆、何とかうまく乗り切って、クリスマス、新年を迎えたいと思っていることと思います。
これらの動きによるいくつかのシナリオを考慮した上、冷静に対応しようと思っています。現時点では、余程大きく変動しない限りは、多少ポジションをいじる程度で乗り切ろうと考えています。自分としては、来週いっぱいを目安に取引は終了して、のんびりクリスマス休暇を過ごしたいと考えています。さてさて、どうなることでしょうか?