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今日(12月17日)の米国市場 

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各主要インデックスの終値
Dow: 13167.20, -172.65 (-1.29%)
Nasdaq: 2574.46, -61.28 (-2.32%)
S&P 500: 1445.90, -22.05 (-1.50%)

本日は、下落して始まり多少変動はありましたが、下落トレンドを維持し終了しています。Nasdaqは他のインデックスと比べて大きく下落しています。

本日の主なニュース

米国の住宅建設メーカー(ホーム・ビルダー)の12月のセンチメントは3ヶ月続いて過去最低の状況が続いているとのことです。全米住宅建設協会(The National Association of Home Builders)は、速報値(暫定値)のNAHB/Wells Fargo Housing Market Indexの12月の数値は、前月に変わらず19で、統計を取り始めた1985年1月からで最低を維持だそうです。
関連記事: UPDATE 2-US Dec home builder sentiment holds at record low

先週のCPI, PPIの結果や住宅市場の低迷が長引くことが予想させている事等から、スタグフレーションの懸念が高まっているとの事です。

関連記事: US STOCKS-Ghost of stagflation past spooks Wall Street

上記記事の中から、業界関係者の発言の部分を引用、邦訳したものを以下に書きます。

「スタグフレーションの言葉があちこちで聞かれます。」「そしてそれは、工業、原料・素材、テクノロジーといった景気に敏感なセクターから、投資家達が利益確定をする動きにつながっています。」 (Frederic Dickson, Sr. Vice President and Market Strategist, D.A. Davidson & Co., Lake Oswego)

(コメント: 今日の市場は、確かにその様な形で動いたと思います。)

そして、やはり市場の注目はゴールドマンの決算発表に集まっているようです。添付の記事の中での市場関係者の発言を一部引用し邦訳したものです。
関連記事: NEXT UP-Investors await Goldman's every word amid credit woes

「皆、彼ら(ゴールドマン)が予想を上回る結果を出すことに慣れきってしまっています。リスクは彼らが予想を上回らなかった場合です。もしその様な場合、株式市場に良くない結果をもたらし、債権マーケットには良い結果となるでしょう。」(Lou Brien, market strategist, DRW Trading, Chicago)

「もし彼らが期待にこたえた場合、人々は他の会社が抱えている問題に注目を移すでしょう。もし彼らが失望させる様な結果だった場合、人々は「参った、ゴールドマンまでそうなって(だめになって)しまった。」と言う事になると思います。」 (Jim Awad, Chairman of W.P. Stewart Asset Management, New York)

「彼らは、他の殆どの会社よりもうまくこの困難な状況を切り抜けています。そして、皆は今回も上手く切り抜けることを期待しています。」「もし彼らが上手くこなさなかった場合、驚きがダウンサイドとなり、それがシステム全体にショックを与えることでしょう」(Tim Smalls, head of US stock trading at brokerage firm Execution LLC, Greenwich)

上記記事に関連する私のコメントは、下の“まとめ・コメント”セクションに書きます。

Adobeが市場終了後に決算を発表しました。結果はアナリストの予想を上回る好調な結果でした。株価は本日2.87%下落しています。そして、発表後のアフターアワーズでもさらに下がっています。
関連記事: Adobe's 4Q Profit Rises, Buyback Grows

主なセクター・株の動き

(ファイナンス) 市場全体と比べると下落幅は少ないところが殆どです。

(住宅) 上がったところと下がったところとありますが、変動の幅はそれ程大きくありません。

(小売) こちらもあまり大きな値動きをしているところは見受けられませんでした。上がっているところが多かったです。

(テクノロジー) 主力企業は下落しているところが多いです。Apple 3.15%, RIMM 5.4%, Broadcom 3.31%, NVidia 5.1%, Google 3.0%, Yahoo 4.24%, それぞれ下落しています。

まとめ・コメント

今日は、主要投資銀行の決算発表前なので、様子見と言った感じになるかと思いましたが、センチメントは悪いようで、金曜日に引き続き一貫した下落傾向で市場は修了しました。先週後半に発表されたCPI・PPI等の数値からスタグフレーションの懸念が強まったといった見方がでてきたことが、ある程度注目すべき点かと思います。今までは、プライス・インデックスが予想より高かった場合、“インフレ懸念”=“Fedの金利引下げのスローダウン”と言った観点で捉えられることが主でしたが、今回は、更に踏み込んだ“スタグフレーション”の可能性についての懸念が市場関係者の発言等にでてきています。

今週の第一の注目はやはり明日のゴールドマンの発表になると思います。上に報道された記事の中から、市場関係者の発言を取り上げましたが、かなり注目が集まっていることが分かると思います。また、ゴールドマンの決算結果は良いだろう、との期待が支配的なので、それに対して結果がどうなのか、皆、注目しているとの事です。

個人的には、ゴールドマンの結果はかなり良いだろうと、私も予想していますが、それよりも注目しているのは、彼らの今後のビジネスに対する見込みがどうなのか?です。ゴールドマンが予想を上回る好決算を発表しても、彼らが来年の市場環境が厳しいとの見方を示し、収益に対しても慎重な見方をした場合、市場が過剰に反応する可能性はあると思います。ゴールドマンのことなので、市場に与える影響が多大であることを十分に意識して、極力混乱を招かない様な適切な発言をするのでは、と思います。ただ、どんなに考慮した発言であっても、市場がどう受け取るかは、予想できない部分もあります。その辺りが個人的に注目しているポイントです。

また、明日はBest Buyも決算を発表します。Best Buyの結果は、米国の消費者動向がどうなのかを知る上でも参考になると思います。恐らくそれなりに良い結果だと予想しているのですが、結果は今後の傾向を占う上でも重要だと思います。尚、米国内の家電販売に関しては、厳しくなるのはクリスマス商戦本番のこれからと、来年だと思っています。(特に高額商品。ゲームに関しては、今後も堅調に推移すると予想しています。)

最後になりますが、今日の市場終了後のAdobeの決算発表後のアフターアワーズの反応、“好決算を発表したにもかかわらず、株価が下落したこと”はちょっと気になっています。この反応の理由として、一つ考えられるのは、アナリストの予想は上回ったものの、実際の期待はそれ以上だった。または、市場のセンチメントが悪化していることの表れ。もしくは、その両方が考えられます。

いずれにせよ、さしあたっては、明日のゴールドマン、Best Buy、そして今週引き続き発表される主要企業の決算発表に注目したいと思います。

(追記) 一昨日のエントリーで新しいバフェット氏の話を米国時間の週末にエントリーすると申しておりましたが、インターネット接続の問題とPCに問題が生じてできませんでした。お楽しみにされてご訪問くださった方、すみませんでした。お詫び申し上げます。このエントリーに関しては、今晩(日本時間の18日午後)に投稿する予定です。

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