各主要インデックスの終値Dow: 12501.11, -277.04 (-2.17%)
Nasdaq: 2417.59, -60.71 (-2.45%)
S&P 500: 1380.95, -35.30 (-2.49%)
本日の米国市場は、市場開始前に発表されたCitigroupの予想以上に悪い決算発表と12月の小売の低迷を示す結果などから、大きく下落し終了しました。
本日の主なニュースCitigroupの第4四半期の結果は、98億3000万ドルの損失で、一株当たり1.99ドルの赤字でした。売り上げは、昨年同四半期と比べ70%ダウンの72億ドル(昨年は238億3000万ドル)でした。尚、Citiによると12月31日の時点でサブプライム住宅ローンに直接関わっている総額は3ヶ月前の546億ドルから減少して373億ドルとのことです。 Citiの株は本日7.3%下落しています。
Citi Loses Almost $10B, Slashes Dividend(コメント) 個人的にもかなり悪いだろうと予想していましたが、結果は予想以上でした。売り上げが70%減と聞いて、間違えじゃないかと思いCitigroupのホームページを見てみましたが、その通りでした。
Citigroup第4四半期決算ニュースリリースしかも、サブプライムに関わる部分は、減少したもののまだ370億ドルちょっとあるとは、さらなる損失の可能性が残っていることを示していると思います。この結果では、市場全体に対しても影響を与えてしまうのは、仕方ないと思いました。
CitiとMerrill Lynchが、海外の投資家から合計で211億ドルの資金投入を得ることを発表しました。
US banks get $21bn foreign bail-out米国政府発表の米国の昨年12月の小売店の販売状況は、11月に比べて0.4%の減少でした。また、昨年10月から11月の変動幅に関しては発表済みの1.2%の上昇から1.0%の上昇に下方修正されました。
国税調査局(Census Bureau)ニュースリリース米国内の軟調な消費の状況から、リセッションの可能性が高まっているとの見方が強まってきているとの事です。
Soft retail sales may signal recession市場終了後にIntelが決算を発表しました。結果は、昨年同四半期に比べ51%増のEPS38セントでしたが、アナリストのコンセンサスの40セントを下回りました。売り上げも予想を下回り、今後への不安も高まって、発表後のアフターアワーズで、株価は14%以上の大幅な下落となっています。
Wall Street Pounds Intel on 4Q Results(コメント) 結果は、アナリストの事前予想を下回りましたが、それ程大きく下回ったわけではないのですが(EPSで予想より2セント低い)、良い結果を発表するだろうとの期待が高かったため、大きな失望を呼んだ様です。
主なセクター・株の動き(ファイナンス) 主要な企業は殆ど下落しています。
(住宅) 主要な企業は殆ど下落しています
(小売) 昨日、大きく下落したTiffanyは今日4.76%の上昇で、下落分を取り戻しています。それ以外の主要な企業は殆ど下落しています。
(テクノロジー) 主要な企業は殆ど下落しています。
まとめ・コメント 今日は朝から悪いニュースが続き市場心理はさらに悪くなってきています。Citiの結果も予想以上に悪く、しかも、今後に関しても不安が払拭されていない情況であることを示しており、これでは、今日の下落は致し方ないものだったと思います。
さらに問題はIntelの決算結果で、結果自体は利益も順調に伸びていて、今後に対しても堅調だろうとの見方を示していたのですが、市場の受け取り方は非常に否定的でした。私は、決算発表のカンファレンスコールを聞いていたのですが、Intel自体は堅調にビジネスが推移しており、今後に関しても大丈夫だろうとの見方を再三示していたのですが、市場関係者の反応はかなり失望を買っていたようです。
個人的にも、Intelの結果に期待をしていたのですが、失望しています。現在のバリュエーションから見た場合は、今日の時点での株価でもアンダーバリューだと思っているのですが、市場は過激に反応しており、アフターアワーズで15%近くも下落しています。 ちょっと信じられないくらいの下落なのですが、それだけ市場心理が悪化している証拠でもあるので、現実として受け入れるしかない、と思っています。
今日のIntelの結果とアフターアワーズの株価の動きを見ると、明日のハイテク・セクターへの影響もかなりありそうな状況となっています。
明日は、市場開始前にJP Morgan ChaseとWells Fargoが決算を発表します。これらが予想以上に悪い場合は、明日も今日に引き続き大きく下落する可能性が高いと思います。
正直なところ今日までの展開は、私が想定していたシナリオのワースト・ケースを下回っています。(下落するレベル自体は想定の範囲ですが、時期、スピードが予想以上に早まってしまっている) 私のポートフォリオも信じられないほどの打撃を被ってしまいました。明日以降の展開にもよりますが、戦略の大幅な見直しが必要となってきています。
ここ2週間の下落の中で、ヘッジ分を解消し、ロングのポジションを積み上げていたのですが、それが完全に裏目になってしまいました。損失幅も膨大で、正直かなりショックなのですが、こういったときこそ冷静に対処する必要があると思い、今後の対策、投資方針の見直しを行う予定です。
(追記)今日は、悪いニュースが重なり下落しましたが、まだ、市場のセンチメント主体での動きが中心である様に思います。2007年第4四半期の企業の決算発表は始まったばかりです。米国景気の減速に関しては明らかですが、決算の結果により、景気悪化の度合い等がより明確になってくるのでは、と思います。