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今日(1月17日)の米国市場 

17-Jan.png

各主要インデックスの終値
Dow: 12159.21, -306.95 (-2.46%)
Nasdaq: 2346.90, -47.69 (-1.99%)
S&P 500: 1333.25, -39.95 (-2.91%)

本日の主なニュース

Merrill Lynchが、第4四半期98億ドル、一株当たり12ドル1セントの大幅な赤字となったことを発表しました。 発表時に、住宅ローン関連で予想を上回る約160億ドルの損失を計上したことを明らかにしました。(アナリストの予想は、100億から150億ドルの損失) 損失の内訳は、CDOで115億ドルの損失、債権の保険で31億ドルの損失、そして9億ドルのAlt-Aの住宅ローンの損失を計上しました。 (Alt-Aは、一般的に、プライムとサブプライムの間に属するものと定義されています。特徴は、ローンを組む際に、収入を証明する書類が必要がなく、収入は申告のみで良いことから、収入が多くあるように偽って契約するケースが多々あるため、別名‘うそつきのローン’と呼ばれるものです。)
Merrillの株価は本日10.24%の下落となりました。
Merrill posts worst quarter in its history

発表された1月のフィラデルフィア景況指数は、製造業の景況著差が-20.9と大きく落ち込み、2001年10月以来、最低の値となったとのことです。事前予想の平均は、-1.5で、それを大きく下回りました。
The Federal Reserve Bank of Philadelphia, Business Outlook Survey January 2008

Moody’sが債権の保障会社のAmbacのレーティングを見直し、ダウングレードする方向であることを発表したことから、Ambacの株価は本日51.89%の下落で、一日で前日の半値以下の大暴落となりました。
Moody's to Review MBIA "AAA" Rating

Ambacと同業のMBIAもこの影響を受け、本日31.19%の大幅な下落となりました。

朝に発表された12月住宅建設着工数は100万6千件で、事前の予想を下回る結果でした。
米国 国勢統計局プレスリリース

尚、明日ブッシュ大統領が政府の景気対策案を発表する予定とのことです。フィラデルフィア景況指数発表時にバーナンキ議長も声明を発表し、政府の景気対策案を支持する姿勢を示したとの事です。
Bush, Bernanke both back lift for economy

これらが、今日の日中の主なニュースでした。今日の株価の動きは、一番上のチャートを見ても分かるように、一貫した下落の傾向を維持したまま終了しています。

尚、市場終了後にIBMが2007年第4四半期の決算結果を発表しました。この席上、2008年の収益見込みに関しては、8ドル20セントから8ドル30セントになることを明らかにしました。これは、2008年のアナリストの収益予想平均の7ドル94セントを上回ったため、株価はアフターアワーズで5%近く上昇しています。
IBM's forecasts strong earnings

また、私が昨日注目していると書いたハードディスク・メーカー最大手のSeagateが、市場終了後に第4四半期の決算を発表しました。 結果は、昨年同四半期に比べ、利益が3倍となる好決算でしたが、EPSが73セントで、アナリストの事前予想の75セントを下回ったことと、今後の収益見込みに慎重な見方を示したと受け取られ(私自身はCEOのWatkins氏の発言はその様には取れませんでしたが)、株価は日中に6.01%も下落していたにもかかわらず、アフターアワーズでも更に2%を上回る下落となっています。
Seagate 2Q Profit Jumps by $263 Million

主なセクター・株の動き

(ファイナンス) 主要な企業は殆ど下落しています。

(住宅) なぜか上がっているところが多いです。(明日のブッシュ大統領の景気対策案に何か関係があるのかも?)

(小売) 下落している所が多いですが、下落幅はそれ程、大きくありません。

(テクノロジー) 上昇、下落、明暗が分かれています。Sunが今日も上昇、AppleとDellも上がりました。一方、HP, Intel, Cisco, Google, Oracle等は下落しています。

まとめ・コメント

Merrillの予想を上回る損失の発表を始め、その他のニュースも景気の悪化を裏付ける様なものばかりだったため、市場心理はさらなる冷え込みになってきている様です。バーナンキ議長の声明も殆ど材料視されませんでした。

Seagateの決算結果は、非常に良かったにもかかわらず、ここ最近急速に下落してかなり価格が下がっているにもかかわらず、日中と発表後のアフターアワーズを合わせて10%近い大幅な下落となったことが非常に印象的でした。Intelの最近の株価動向と決算結果の状況と非常に似た形になっています。

一方で、IBMに関しては、2008年の収益見込みが予想以上に良かったため、アフターアワーズで5%の上昇となっています。アナリストの予想を少しでも下回った場合、大幅な下落、予想を上回れば買いが集まるような、動きとなっている様に思えます。個人的には、まったく納得できない様な株価の動きをしているのですが、現在の市場心理等を考えた場合、これが現実なのだ、と認識すべきだと思います。

明日はそれ程業界全体に影響を与えるような決算発表はなさそうなので、取りあえずは、今週の決算発表はここでひと段落となり、来週以降に市場の注目は移っていくと予想しています。明日、ブッシュ大統領が景気対策案を発表する予定らしいので、それがどの程度のもので、市場の反応がどうなのかは、ちょっと気になります。今日、住宅メーカーの株は他が大きく下がる中、概ね堅調だったので、もしかすると何か関係があるのかもしれません。

今週の時点で発表されたテクノロジー・セクターの企業の決算結果は、ほとんどが堅調な結果だったにもかかわらず、あまり市場では評価されていません。今後の展開によっては、テクノロジーが再度見直される可能性もありますが、今の時点では、私の投資は大失敗となっています。どうやら、テクノロジーは今は良くてもこれから悪くなるだろうとの見方が市場筋に非常に強くあるようです。この様な、市場心理、反応を十分に読めなかったことが、現時点での私の敗因です。

明日から3泊の予定でスキー旅行に行きます。信じられないくらいの損失を被り、贅沢ができる状況ではなくなってしまっているにもかかわらず、既に手配しているため、行かざるをえません。とても楽しめる様な心理状況ではないのですが、これも気分を入れ換える良い機会と考えて、リフレッシュしてこようと思います。ブログの方の更新はしたいと考えているのですが、今の時点ではどうなるのか分かりません。来週の月曜日に帰ってくる予定です。

少し早いですが、皆さん、良い週末をお過ごし下さい。市場は厳しい状況が続きますが、これも将来への糧となる機会と思いがんばっていきましょう!!

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