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1月30日の米国市場 

30-Jan-2008.png

主要インデックスの終値

DOW: 12442.83 -37.47 (-0.30%)
Nasdaq: 2349.00 -9.06 (-0.38%)
S&P500: 1355.81 -6.49 (-0.48%)

本日の主なニュース

FedがFFレートを50bp引き下げ3.0%にすることを発表しました。声明の中で、
”Today’s policy action, combined with those taken earlier, should help to promote moderate growth over time and to mitigate the risks to economic activity.  However, downside risks to growth remain.  The Committee will continue to assess the effects of financial and other developments on economic prospects and will act in a timely manner as needed to address those risks.”

「先週の金利引き下げと本日の(金利引き下げ)政策は、経済活動の(停滞の)リスクを押さえ、今後の緩やかな成長を助長することに貢献するでしょう。コミッティーは、ファイナンスとその他の経済活動に対する効果を引き続き検証し、それらのリスクに対して 、必要に応じて素早く対応をとって行きます。」(多少、英語と日本語表記の差を考慮し、意訳しています)と語り、今後も積極的に金利を引き下げる姿勢を示しています。

FOMCニュースリリース

(コメント)
50bpの削減はほぼ予想(期待)通りとなりましたが、先物の短期金利の動向から、次回のFOMCでFedがさらに50bp金利を引下げる可能性は52%とのことです。
関連記事: Fed slashes rates to blunt economic slowdown

Commerce Departmentが発表した10月から12月のGDPの速報値は、0.6%の伸びにとどまり、2002年以来で最も悪い数値となりました。2007年の伸びは2.2%で、過去5年間で最も悪いものでした。
政府ニュースリリース

関連記事: Economy nearly stalled in 4th quarter


(コメント)
発表の順番としては、GDPの速報値は市場開始前に発表されており、市場は若干昨日よりも低い所で停滞したまま、午後のFOMCの発表待ちと言った形でした、Fedが50bp引き下げを発表した後は、市場は大幅に上昇しましたが(DOWは200ポイント近い上昇でした)、CNBCのCharles Gasparinoが番組で、AmbacとMBIAのレーティングが引下げられるだろうと語った事が切っ掛けとなり、反転して急激な下落となり、市場は前日比マイナスで終了しています。

市場終了後にAmazon.comが決算を発表しました。結果は、利益が112%上昇の2億700万ドル、EPS48セントで、アナリストの事前予想を上回りました。 しかし、粗利が昨年の21.3%から20.6%に減少した事が、大きく問題視されまれました。 第1四半期の見込みとしては、売り上げが187億5000万ドルから197億5000万ドルで、利益が1億5500万ドルから2億ドル間であると発表しました。アナリストの予想平均は、売り上げが181億ドル,利益が9億6400万ドルでした。(売り上げは予測より高いものの、マージンの低下から、利益は予想を下回っている)Amazonの株価は、日中は0.35%の増加でしたが、アフターアワーズでは、12%を超える下落となっています。
Amazon profit margins squeezed

主なセクター・株の動き

(ファイナンス)上昇組と下落組に分かれています。E-Tradeは、経営陣が自社の株を買った事が明らかになり、そのニュースで本日は10%以上上昇しています。

E-Trade Shares Rise As Execs Buy Stock

(住宅)日中は上昇しているところも多かったのですが、最終的には下落して終了している所がほとんどです。

(小売り)主要な企業の株はほとんど下落しています。その中で、Wal-Martは少し上昇しています。

(テクノロジー)多くが下落する中、Sun, Apple, HP, Intel, Cisco, RIMM, TI, Oracle等は上昇しています。昨日四半期の決算を発表し、今後の業績への不安が高まるYahooは8.46%の下落でした。

まとめ・コメント

朝に発表されたGDPの速報値は景気の減速を明らかに示す値でしたが、思いの外、市場は下がらずFOMCの発表を待つ様な形で推移しました。そして、Fedは市場の期待通りの50bpの引き下げを発表しました。発表後に、DOWがどんどん上がって行き、200ポイント近くまで上昇しているのを見ました。その時、友人と電話で話していて、「50bpは織り込み済みなはずなのに、すごいね」と話したところ、「今が、売り時かもね」との返事をされました。そう言われて、「多分、今の様な会話をしている人が全米にたくさんいるだろうな」と答え電話を切って、別の事をしていました。市場終了間際にもう一度、市場の数値を見た所、マイナスになっていてちょっとびっくりしました。

上にも書きましたが、CNBCの放送が切っ掛けだった様ですが、モノラインの企業の状況は急激に悪化しており、レーティングの引き下げは必至の状態だと思います。このこともFedの今回の積極的な金利引き下げの一つの理由だと思っていました。しかし、モノラインの企業の株価のここ最近の変動はもの凄いものがあります。

mono-line-3month-trend-Jan08.png

昨日書きましたが、明日市場がどの様に動いたとしても、焦点は金曜日の雇用統計の結果だと思います。個人的には、雇用統計が悪くなるのは(今ではなく)これから先だと思っています。(仮に今回悪化したとして、将来はもっと悪くなる)

この様なダウンサイドに対して、Fedの今回の非常に積極的な金利引き下げ、政府の景気刺激策がどの程度効果を発揮し、食い止める事ができるのか、と言った所が、この先、数ヶ月間の熾烈な攻防となる様な気がします。また、米国の景気の減速が明らかになる中で、BRICsやその他主要国の経済動向がどうなるのかも、非常に注目です。

いずれにせよ、短期的な大きな分岐点となるのは、金曜日の雇用統計の結果だと思います。

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