主要インデックスの終値DOW: 12552.24 +178.83 (+1.45%)
Nasdaq: 2373.93 +53.89 (+2.32%)
S&P500: 1367.21 +18.35 (+1.36%)
発表された1月の米国の小売りの売り上げのダータが予想以上に良かった事等から、米国内消費の急速な減速等の懸念が後退したとの見方が強まったのか、市場センチメントは一気に楽天的な見方が強まり、上昇した昨日に続き、今日も大幅な上昇となりました。特に、Nasdaqは本日他のインデックスよりも大幅に上昇しました。
本日の主なニュース政府が発表した1月の米国小売りの販売額は、アナリストの予想の前月に比べ0.3%減に対して、0.3%の上昇となりました。しかしながら、ビジネスの在庫は、予想よりも多くなってきており、景気が停滞しつつある状況の中で、店舗の在庫が増えてきている兆候なのでは、と言った懸念をいだかせるデータもあります。
Stocks end higher on upbeat sales dataRetail sales surprisingly strong in Jan.
農耕機器製造の最大手Deereが決算上の第1四半期(カレンダー上は第4四半期)の結果を発表しました。利益はアナリストの予想を上回る3億6910万ドル、EPS83セントで、昨年同期に比べ55%の大幅な増益となりました。尚、決算上の第2四半期の見込みは、アナリストの予想を下回っており、株価は本日1.09%下落しました。(08年トータルの見込みは引き上げています。)
Deere profit rises, but forecast disappointsコカコーラが07年第4四半期の決算を発表しました。結果は12億1000万ドルの利益、EPS52セントで、昨年同期に比べ大幅な増益となりました。(昨年は、6億7800万ドル、EPS29セント)諸費用を除いたEPSは、58セントで、アナリストの予想の55セントを上回りました。コカコーラによると、ドル安による為替レートのため、売り上げが8%上昇する事に寄与したとの事です。
Coca-Cola profit rises sharply昨日市場終了後に発表された半導体製造装置最大手のApplied Materialsの第4四半期の結果は、利益が2624億ドルEPS19セントで、昨年同期の4035億ドル、EPS29セントから比べると大幅な減益となりました。しかし、授業員向け株の報償の費用とその他の出費を差し引いたEPSは23セントで、アナリストの予想EPS20セントを上回りました。株価は本日10%を超える大幅な上昇となりました。
Applied Materials profit tops Street forecastsMicrosoftからの買収提案を拒否したYahooが、News Corp.とパートナーシップを結ぶ話をしていると、WSJが報道しました。尚、添付の記事等によると先週、 News Corp.のマードック氏はYahooを買収する事には興味がないとかたったものの、MySpaceとの共同事業等の可能性に関しては、態度を明確にしなかったとのこと(可能性の含みを持たせた)です。
Yahoo exploring alliance with News Corp.主なセクター・株の動き(ファイナンス)上昇しているところが多いですが、Goldman, Lehmanは下落しています。
(住宅)順調に上昇しています。
(小売り)Wal-Mart, Targetは上昇していますが、他は下落しているところが多かったです。
(テクノロジー)順調に上昇しています。RIMMは5.75%の上昇、Apple, Googleも3%を超える上昇となりました。
まとめ・コメント市場は、昨日と本日でかなり順調に上昇しています。参考までに、過去5日間の主要インデックスを以下に添付します。

ご覧になると分かりますが、直近5営業日の合計で、Nasdaqは5%近く、DowとS&P 500は3%を上回る上昇となっています。先週の前半は大きく下がりましたが、逆にここ5日間は大きな上昇と、相変わらず株価の変動がかなり激しい状況が続いています。
本日の上昇は、予想以上に良い1月米国内の小売りの結果が一つの大きな要因だたったと思いますが、小売りのセクター自体はそれ程大きく上がっていないのが興味を引きました。恐らく、小売り関連の企業の決算は、今後厳しくなるとの投資家の見方は変わっていない事が背景にあるのでは、と思います。
一方で、米国の国内景気が急速に減速し、リセッション入りするとの見方から、大きく売られていたセクター、特にテクノロジーに関しては、リセッションリスクの低下やバリュエーションの観点等から、見直し買いが入っている様に思えます。
Applied Materialsの決算結果は、アナリストの予想を上回りましたが、大きく利益を落としており、今年は減益になる見通しは変わっていない状況で、特に大きな上昇要因となる程の新しい話はなかった様に思えます。その一方で、株価は10%以上上がっている事等は、上記の様な今後に対する極度な悲観的観測から過剰に売られていた株が、バリュエーションの観点から、見直し買いが入った事が要因に思えます。
投資銀行系は、ここ数週間大きく値を下げており、ここ5日間の市場の上昇にも関わらず、値をほとんど戻していません。恐らく、3月に発表される決算の結果がかなり悪いとの見込みがあり、それを先取りした動きだと思います。
昨日今日の大幅な上昇は、昨日のバフェット氏のモノラインに対するオファーと今日の小売りの統計データ(それと、結構厳しいだろうと見られていたコカコーラが予想外に好決算を発表した。ポジティブさプライズ)が主なもので、米国景気の今後に対して、今までの見方を変えさせる様なニュースがあった訳ではないので、あまり楽観視はできないと思います。