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2月14日の米国市場 

14-Feb-2008.png

主要インデックスの終値

DOW: 12376.98 -175.26 (-1.40%)
Nasdaq: 2332.54 -41.39 (-1.74%)
S&P500: 1348.86 -18.35 (-1.34%)

ここ数日大きく上昇してきましたが、本日は、Fedのバーナンキ議長が議会で、景気が悪化してきており、さらり更なる利下げの必要性を示唆した事等から、株式市場は売られ、DOWとS&P 500はほぼ昨日の上昇分を帳消しにする下落、Nasdaqは大きく下落して終了しました。 

本日の主なニュース

今日のニュースはやはりバーナンキ議長の声明発表だと思います。以下、添付記事からバーナンキ議長の発言の抄訳です。
Bernanke warns economy worsening

「景気の見通しは、ここ数ヶ月の間に悪化してきており、上昇を妨げる下落要因のリスクは増加しています。」「今日の時点で、ファイナンスの問題による経済に対する最も大きな影響は住宅マーケットに見られます。ご存知の通り、住宅市場は過去2年に渡って急激に悪化してきています。」

「住宅建設とそれに関連する事業活動に対する更なる削減が行われると思います」と語り、この様な景気の先行きに対する危険要因に対して、「Fedは、(経済の)伸張を補助し、下落のリスクに対する適正な対応を必要に応じて適時行って行きます。」と述べ、更なる金利引き下げの行う姿勢を示唆しました。

尚、今回のバーナンキ議長の議会での発言に際して、Henry Paulson氏とSECの議長Chris Cox氏も一緒に参加しました。Paulson氏とバーナンキ氏は米国経済がリセッション入りするとは思っていない見方を堅持しています。

Paulson氏は、「伸び幅は少なくなるが、私は経済は引き続き伸びて行くと信じています。」と語り、バーナンキ議長は、来週発表予定の新しいFedの見込みは「伸び幅はより少なくなる。。。上昇基調は弱くなると見ています。しかし、それでもポジティブ(上昇)です。」と語ったとのことです。
(引用は以上です。良くまとまった記事なので、良かったら読んでみて下さい。似た様な内容の記事もネット上に多く掲載されています。)

昨日市場終了後に第4四半期の決算を発表したNvidiaは、利益が57%増の2億5700万ドル、EPS42セントの好決算でアナリストの予想を上回り、しかも今四半期の売り上げ見込みに対しても引き上げを発表しました。しかし、買収に関わる費用等、経費が上昇するとの見込みを示した事が、大きな失望要因として取られ、株価は16.3%の大幅な下落となりました。

UPDATE 3-Nvidia profit rises on brisk graphics chip sales
Nvidia takes hit on rising expenses

ケーブルTVのサービス会社米国最大手のコムキャストが第4四半期の決算を発表しました。利益は6億200万ドルで、アナリストの事前予想を2セント上回るEPS20セントでした。決算発表時に、1999年3月以来で初めて配当(配当額は一株当たり25セント)を行うことを発表しました。株価は本日8.03%上昇しました。

Comcast brings back dividend as profit surges

主なセクター・株の動き

(ファイナンス)全て下落しています。

(住宅)主要企業の株は全て下落しています。

(小売り)下落しています。

(テクノロジー)下落しているところが多いですが、コムキャストの影響でケーブルTV関連会社の株は上昇しています。Yahooも少し(0.33%)上昇しています。

まとめ・コメント

昨日、一昨日の上昇がかなりのものだったことと、その上昇の要因がその上昇を支える様な確固たるものではなかったので、少し心配でしたが、バーナンキ議長の発言により、あっさりと昨日の上昇分はなくなりました。

火曜日の上昇の背景となった、バフェット氏のモノラインに対するオファーは、モノラインの救済ではなく、高まっている住宅ローン保険の方の問題とも関係ないので、上昇自体があまりにも安易だと思っていました。(バフェット氏の提案は、当然、バークシャーにとって有利と思われる提案をする訳で、それが、モノラインの救済と言う表現で取り上げられている記事が多かった事にちょっとびっくりしていました。)

本日のWSJの記事によると、昨日の1月の米国小売りの統計結果は、確かに予想の下落に対して、上昇した数値としては良い値でしたが、上昇の要因の一つはガソリン価格が上がった事によるものでした。また、自動車の販売が0.6%上昇した結果となっており、現在の自動車販売の状況を考えると疑問が残る内容でした。ガソリンと自動車販売の数値を除いた場合の統計結果は、フラットとの事です。

今日のバーナンキ議長の声明は、上記、今週の上昇要因となった見方に対して水を差す様な形となった気がします。今後、Fedが引き続き金利を下げて行くことを示唆しましたが、好材料とはなりませんでした。今回の発言で、次回以降のFedの金利引き下げはほぼ確実となり、市場もそれを完全に織り込む形となっていると思います。

昨日は大幅な上昇となったテクノロジー・セクターでしたが、今日は逆に大きな下落となりました。特にNvidiaの好決算発表と売り上げ予測の引き上げに対して、株価が10%を超える下落となったことは、昨日のAppliedの結果とは好対照です。(Appliedは今日は3.62%の下落でした)

個人的にはテクノロジーは売られすぎていて、バリュエーション的にも魅力がある株が多い様に思えるのですが、市場の大勢はそう思ってない様です。(だから売られて、安い)良い決算結果が出れば、市場もついてくると予想していたのですが、今日のNvidiaが典型的な例ですが、その様にはなっていません。

こういった状況がいつまで続くのか、また、その先のトレンドがどうなるのか、非常に不透明な状況が続いています。遅かれ早かれ、落ち着いてくるとは思いますが、、、その時、明確な下落トレンドになっていることも可能性としてはあるかと、思います。

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