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3月4日の米国市場 

4-Mar-2008.png

主要インデックスの終値

DOW: 12213.80 -45.10 (-0.37%)
Nasdaq: 2260.28 +1.68 (+0.07%)
S&P500: 1326.75 -4.59 (-0.34%)

本日の主なニュース

Citiが第1四半期に更に大きな損失(新たに180億ドル)を計上するとの予測、さらに巨額な資金注入が必要であるとの見方、配当を引下げざる終えないだろうとの観測が高まってきている様です。これらに関連して、Dubai International CapitalのChief ExecutiveのSamir al-Ansari氏が、プライベート・エクイティカンファレンスにおいて、Citiを救うには、湾岸諸国の最も裕福な投資家達、Abu Dhabi Investment Authority, Kuwait Investment Authority, そしてSaudi Prince Alwaleed bin Talal全てが協力する以上のものが必要である、と語った事が切っ掛けでCitiの先行きの不安が高まりつつある様です。Citiの株価は本日4.29%の下落となりました。
Citi falls on worries about cash levels

バーナンキ議長が住宅ローンの問題は高まっており、破産件数は引き続き増加するとの見方を示し、住宅ローン破綻の増加を防ぐために更なる手段を早急に取る必要があると語りました。簡単にできることではないと、しながらも、一つの提案として、住宅ローン提供会社や他の金融会社に 元本の軽減を行なう様、提言しているとの事です。この提言は、破産させるよりは、元本を減らして救済した方が結果的な損失は少ないと言う事が、一つの根拠の様です。
Fed chief: Mortgage crisis to continue

投機的な動きの高まり等から原油価格は更に上がる可能性・見込みが出てきている様です。
Speculation adds to oil price surge

これらのニュースから市場は日中かなり下がっていましたが、2時過ぎにAmbacの救済案が近いうちに発表されるとの見方が高まった事、CiscoのCEO ジョン・チャンバース氏が長期的な伸びの見込みに対して楽観視していること、経済の問題は長く続かないだろうとの見方を示したことが、好感された様で、急速に値を戻して、Nasdaqは前日比で若干の上昇、DowとS&P 500は若干の下落で終了しました。

主なセクター・株の動き

(ファイナンス)日中は大きく下落しているところが多かったのですが、かなり戻し、多少の下落で終了しているところが多いです。 MerrillとAmexは上昇となりました。

(住宅) 上昇しています。

(小売り)ほとんどが下落していますが、下げ幅は大きくありません。Target, Circuit City等は上昇しました。

(テクノロジー)上昇と下落に分かれています。Microsoft, Yahoo, IBM, Apple, HPは上昇、Google, Dell, Cisco, Oracleは下落でした。ちょっと注目なのは、ハードディスク製造メーカのSeagateとWestern Digitalが順調に上昇しているところです。バリュエーションから見ると以前からかなり値ごろだったのですが、ここに来てハイテクが売られても底堅い動きをしています。

まとめ・コメント

日中に一旦市場の状況を見た時はどこも大きく下がっており、「これはいよいよだめかな」と思ったのですが、市場終了後に場を見たところ大きく戻していたので少し意外でした。戻した理由はAmbacの救済案が順調にまとまりつつある、とCNBCで報道された事が一つの切っ掛けだった様です。これに加え、Ciscoのチャンバース氏の経済の問題は短期に終了するだろうとの見方が、買いを引き入れる材料に加わった様です。チャンバース氏の発言の根拠がどこにあるのか、知る由もありませんが、彼の発言はいつものことなので、、、相変わらずだな、と思いました。

バーナンキ議長の発言、(住宅ローンの問題は深刻で破綻は今後増える見込みと語った)も市場センチメントを悪化させた様ですが、ホームビルダーの株は今日は順調に上昇しています。一見理解に苦しむところなのですが、先物の債券価格から見た場合、次回のFOMCで75bp引下げる確率は80%とのことなので、更なる金利引き下げにより、住宅販売のピークの春に好材料となってきたと考えているのかもしれません。

非常に不安定な状況となってきている様に思えますが、目先の大きなイベントは18日のFOMCと3月中旬以降に発表される投資銀行の決算かと思います。既に市場は75bpの引き下げを織り込み済みとなると、やはり注目は投資銀行の決算結果かと思います。後、気になるのはCitiの状況です。どうやら相当悪いみたいです。新たに180億ドルの損失を計上するとのアナリストの予測がある様ですが、それで終わりとはならないと思うので、金融不安等に発展する可能性もあるのでは、と考えています。

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