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バフェットからの手紙 (4-4)- 2007年版  

昨日のエントリーのセクションの訳の続きです。
2008年2月29日に掲載されたウォーレン・バフェット氏の株主向けの文書をセクション毎に訳した物です。
http://www.berkshirehathaway.com/letters/2007ltr.pdf

バフェットからの手紙 (4-3)- 2007年版の続き)

告白の時間がやってきました。先にお断りしておきますが、コンサルタント、取締役会、あるいは投資銀行家のだれも、これから私がお話しする間違えを、私が犯す様にさせていません。テニスにおいて、ミスは全ては強制されたものでありません。それと同じです。

(In tennis parlance: parlanceは一般的に話法、話し振り、といった意味ですが、この場合、テニスをやっていておかすミスは、強制されたものではなく、自分のミスである。、と言った様な意味で、その前のセンテンスでバフェット氏が語っていることを、サポートしている表現だと思います。)

まず最初に、私はもう少しのところでSee’sの購入を取りやめるところでした。売り手は3000万ドルを要求していて、私は2500万ドルを上回る額には絶対応じない姿勢でした。幸いな事に、彼は降参してくれました。もしそうならなければ、私は吠えた(叫んだ)事でしょう、そして13億5000万ドルは他の誰かに渡っていたことでしょう。

See'sを購入した同時期、Tom Murphy、その後Capital Cities Broadcastingを経営する事になります、が電話をかけてきて、ダラスフォートワースのNBC局を3500万ドルで購入しないか、と提案してきました。その局は、フォートワース紙を買収して、傘下に収めていました。そして、共同所有の決まりのため、Marphは手放さなければならない状況でした。私は、TV局は事実上資本投資が必要なく素晴らしい将来性を持つSee’sの様な事業であると思っていました。彼らは、経営するのは簡単で、その所有者にお金を降らせてくれる、と考えていました。

さらに、Murphは、親しい友人で、素晴らしい人格を持ち、かつ素晴らしい経営者であると私は称賛していました。彼は、テレビの事業の表も裏も知っており、その買収がうまく行くと信じていなければ、私に電話をかけてこなかったことと思います。実際に、彼は私の耳元で「買いなさい」と囁いていました。しかし、私は聞かなかった。

2006年に、そのテレビ局は7300万ドルの税引き前利益を稼ぎ、私がその提案を断ってから、最低でも総額10億ドルの収益-そのほとんど全てはその所有者の他の目的に使える-を獲得していると思います。更に、資産は現在、8億ドルの資本価値があります。なぜ私は、「ノー」と言ったのでしょうか?私の脳は休暇中でそれを私に伝える事を忘れていた、としか説明がつきません。(私の傾向は、政治家のMolly Irvinsのものと似ています。彼は、以前この様な事を言っています:「もし彼のI.Q. がこれ以上低くなったら、あなたは彼に一日に2回水をあげなければなりません。」)

最後に、私はもっとひどい間違いを犯しました。それは、1993年に4億3300万ドル分のバークシャーの株で購入した、靴の事業、Dexterに対して、「イエス」と行った事です。私が評価した持続性のある競争における優位性は、数年の内に消えてなくなってしまいました。しかし、それはほんのはじまりでした:バークシャーの株を使用する事により、私はこの間違えを加算させることになりました。その行動は、バークシャーの株主に対して4億ドルではなく35億ドルのコストを与えることになりました。結局、私は、価値のない事業を購入するために、現在2200億ドルの価値がある 素晴らしい事業の1.6%を手放したのです。

今日の時点で、Dexterは私が手がけた中で最悪の案件です。しかし、私は将来、もっと間違えを犯すでしょう。それにあなたは賭けてもらってもかまいません。(保証します)Bobby Bareのカントリーソングの一節に、買収において、しばしば起こる事が説明されています:「私は、醜い女性とベッドを共にしたことはない、だけど何回かはそうだったことがある。」(目が覚めた時、一緒だった事が何回かある)

それでは、バークシャーの4つの主な事業分野について検証しましょう。それぞれのセクターは、大きくことなるバランスシートと事業収入の特徴(性質)をもちます。そのため、それらを一緒にすると分析に支障をきたします。それでは、チャーリーと私が区分けして見ている4つに分けた事業についてご紹介します。

(引用終わり)

これで、このセクションは終わりです。今回のエントリーはバフェット氏らしさが、すごく表れているエントリーだと思います。バークシャーの事業は全体として非常にうまく行っており、投資家として第一人者として崇拝されているにも関わらず、失敗談をユーモラスをまじえながら語っています。

この次のセクションからは、再び、淡々とした事業の状況の話に移ります。

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