旅行中のため、今週の更新は不定期です。いつもの米国市場のエントリーも簡略にしています。(今晩の飛行機で帰ります。)
主要インデックスの終値DOW: 11951.09 -194.65 (-1.60%)
Nasdaq: 2212.49 -51.12 (-2.26%)
S&P500: 1288.14 -27.34 (-2.08%)
本日、市場の開始直後は昨日と変わらないところからスタートしました。また、発表された2月のCPIは予想よりも(予想は0.2%上昇)良く1月と変わりませんでした。これを材料に上昇するかと思われましたが、そこにBear Stearnsのニュースが流れ、市場の空気は一変しました。
以下に今週一週間の主要なインデックスの動きを添付します。今週の最高値と最低値との差は約5%もあります。如何に上下の変動が激しかったのか良く分かります。激しく変動しましたが、結局金曜日の終値は今週の初めとあまり変わらないレベルで終了しています。
本日の主なニュースBear Stearnsのキャッシュポジションが急速に悪化し、破綻の可能性が高まったため、FRB New YorkとJPMorganが緊急融資を行なう事を発表、Bearの資金繰り悪化による破綻は一旦回避されましたが、Bearはもう単独では生き残れないとの観測が強まってきています。
Fedの固有の会社に対する救済はLTCMの破綻以来との事です。Bear Stearnsの株は本日45.88%の下落となりました。
Bear Stearns Dives After Fed Steps In With Bailout Funds主なセクター・株の動き(ファイナンス)全てが大きく下落しています。5%程度の下落の場合、下げ幅が小さい方です。Lehman Brothersは、14.63%の下落でした。
(住宅)大きく下落しています。(ざっとみたところで、平均で5%程度)
(小売り)下落していますが、下落の幅は大きくありません。
(テクノロジー)ざっと見たところ、主要なところは数%程度下落しているところが多い様に思えました。その中で、Google 1.15%, IBM 0.54%, Apple 1.04%の下落に留まっているのが目につきました。また、ハードディスク・ベンダー大手2社は若干ながら上昇でした。(なんか、あるのかな?2社とも上がっているので、予期せぬ発表があるとかでは、なさそうです。前から書いていますが、HDD vendorのバリュエーションはテクノロジー全般の中でもかなり低いので、値ごろ感、下落に対する耐性があることを材料に買われているのかもしれません。注)テクノロジーの個別の株の値動きは非常に激しいので、この様な情報を元に、あまり解らない人が株を買う事は非常に危険です。)
まとめ・コメント3月に入ってからBearの株は大きく下落しており、その頃から経営危機の噂があったのですが、今週に入ってからその噂の角度が高まり、今日の発表はそれを完全に裏付けるものとなりました。いくつかのニュースによると、Bearの資金繰りの悪化はかなり酷く、24時間以内に破綻する可能性が高まってきたため、JPMorganとFedの緊急融資の救済に至った様です。ご存知の方も多いと思いますが、今週Fedは、流動性の問題を解決するために、問題のある住宅ローン債権を担保にした債券等に対しても、計2000億ドルの融資を行なうと発表したばかりでした。このTerm Securities Lending Facility(TSLF)は、3月27日から毎週のオークションを行なう予定だった様ですが、Bearはそこまで待てる様な状況ではなかった様です。
上記、添付の記事等によると、今回のFedの救済はLTCMの時よりはるかに関与したものとのことです。なぜかと言うと、今回のJPMorganのBearに対する救済融資の損失を保証しているためとのことです。(多分、TSLFの様に破綻の可能性のある債券を担保にしてFedが融資をしているのだと思います。)
今日の状況で、市場は来週のFOMCでFedが100bpの引き下げを行なう可能性が急速に高まってきたと見ている様です。Fedもなりふり構わずに、徹底した救済策をこうじている様に思えます。ただし、LTCMの時と違って、特定の企業だけの問題ではないので、非常に難しい状況です。
この様な状況の中で、Bear Stearns, Lehman, GoldmanそしてMorgan Stanleyが四半期の決算を発表します。(Bearは来週の月曜日です。FOMCは木曜日と金曜日です。。。)
恐らく市場は、これらの企業決算の発表結果とFedの金利政策の結果に注目が非常に高まっていると思います。ここ最近ずっと書いていることですが、Fedの金利政策の方はかなりの面、予測も可能で市場も織り込んでいる部分が多いと思います。予測しづらく、不安定な材料があるのは投資銀行の方です。
どうなることでしょうか?