主要インデックスの終値DOW: 11972.25 +21.16 (+0.18%)
Nasdaq: 2177.01 -35.48 (-1.60%)
S&P500: 1276.60 -11.54 (-0.90%)
本日の主なニュース今日の主なニュースはなんと言っても昨晩発表されたJPMorgan ChaseによるBear Stearnsの買収と、それに対する市場の反応がどうなのか、だったと思います。JPMorganの買収価格は、大きく下落した先週金曜日の終値の10分の1以下と言う大方の予想を遥かに下回る物でした。
JPMorganの買収発表に合わせる形で、Fedもニュースリリースを発表しました。Fedは、新たに二つのイニシアティブを 発表しました。発表の概要は以下の通りです。(ニュースリリースからの要訳)
一つ目は、ニューヨーク連邦準備銀行がプライマリー・ディーラーの証券市場に対する貸し付けの能力を向上させるために、レンディング•ファシリティーを作る。そのファシリティーは、3月17日から発動する事。貸し付けの期間は最低6ヶ月で、延長が可能な事。様々な種類の債券に対して提供する様、対象を広げる事。貸し付け金利に関しては、ディスカウント・レートと同じ金利となること。
二つ目は、ディスカウントレートを現行の3.5%から3.25%に引下げる事を連邦準備精度理事会が満場一致で承認した事。金利は直ちに適用となる事。プライマリー・クレジット・ローン(銀行に対する一時貸し付け)の満期に関しては、従来の30日から90日に延長すること。
Fedニュースリリース主なセクター・株の動き(ファイナンス)Bearを買収するJPMorganは、Fedのサポートの恩恵を受けると好意的に受け止められ、本日は10.32%の上昇となりました。Wells Fargo, BofA, USB等も上昇しています。一方で、主要投資銀行の方は下落しています。中でも、Lehman Brothersは、先週の金曜日に引き続き、大きく下落しています。しかも一日の変動幅も常識的な範囲を大きく超えています。
以下主要投資銀行の本日の値動きです。

Lehman以外は、ほぼ5%から10%前半の下落の間を推移しています。Lehmanの動きが突出しています。
(住宅)こちらも、一日の変動は大きかったです。大きく下落しているところ(KBH, CTX, LEN)とそれ程でもない(TOL, DHI, MTH)ところに別れています。
(小売り)大手では、Wal-Martが上昇、Targetは下落(2.67%)と別れています。変動の幅は、比較的小さい方だと思いました。
(テクノロジー)Nasdaq全体としてみた場合、下がっているのですが、大手は多くはないですが上昇(Microsoft, Intel, TI, HP, Apple, IBM等)、または、ほとんど下落していない(Cisco, Dell)ところも目につきました。一方で、大手のGoogle, Yahoo, RIMM等はそれなりに下がっています。
まとめ・コメント市場の焦点は、Bear Stearnsが引き金となり同様の破綻を起こす会社があるのか?、と言う事と、Bearの問題と同じ様な状況を抱える会社がどの程度あるのか?、等、様々な不安と混乱がある様に思えます。
それなりに大きく下落して始まりましたが、全体としてみた場合はDOWは結果としては上昇となりました。しかし、個別株、セクターによってかなり大きな下落や変動をしています。
上に添付したグラフの様に、Lehmanの株価は一日で非常に激しく動いており、また、取引株数も通常の10倍以上の数量が取引されました。Lehmanは明日の朝に四半期の決算を発表する予定なので、それで少なからずはっきりしてくることと思います。
またシンガポールの大手銀行のDBSが、LehmanとBearと新たな取引をしない様にとのメールをトレーダーに送っていた事が報道され、それも、LehmanがBearと同じ様な状況に陥るのではとの不安を呼んだ様です。
After Bear Stearns, Is Lehman Next?Bearのニュースにより、従来から続いていた非常に不安定な状況が極端に悪化しています。後は、明日以降に続々発表される主要投資銀行の四半期の決算結果とFOMCの発表の後、落ち着きを取り戻すのか、といった点が短期の大きな注目点だと思います。
一旦は楽観的な見方があった市場の今後に対する見方はほぼ一掃され、悲観的な見方も支配的になってきているので、何かを材料、切っ掛けに再び上昇する可能性もあるかと思います。
ちょっと着目したいのは、上のセクター毎の動きのところに書きましたが、テクノロジーの大手はおおむね堅調に推移しました。また、小売り関係もそれ程大きく崩れませんでした。(Wal-Martは上昇。日用品の製造メーカーの株も堅調でした。)動きが大きかったのは、ファイナンスと住宅セクターでした。どちらのセクターも、セクター内の企業間での差が大きかったのも今日の動きの特徴だったと思います。