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3月24日の米国市場 

24-Mar-2008.png

主要インデックスの終値

DOW: 12548.64 +187.32 (+1.52%)
Nasdaq: 2326.75 +68.64 (+3.04%)
S&P500: 1349.88 +20.37 (+1.53%)

本日の主なニュース

今日一番のニュースは、なんと言ってもJPMorgan ChaseがBear Stearnsの買収価格を、従来の一株当たり2ドルから急遽5倍の10ドルに引き上げることを発表した事です。
今回の変更された取引案は、JPMorganが、Bear Stearnsが新規に発行する9500万株を購入する(実際には、Bear一株当たりJPMorganの0.21753株で交換)条件です。Bearの取締役会は、この提案に賛成しています。この変更案によって、JPMorganはBear Stearnsの39.5%を所有することになります。
JPMorganはこの購入案は、4月8日までに完了する見込みとの事です。

JPMorgan raises Bear bid, grabs stake

この発表に併せて、ニューヨーク連邦準備銀行がプレスリリースを発行しています。

全米不動産協会(Notional Association of Realtors)が発表した2月の中古住宅の販売状況は、下落の予想に反して上昇となりました。2月の中古住宅は、年間販売に換算して503万戸で、1月に比べ2.9%の上昇となりました。(アナリストの予想は、486万戸)尚、一戸建てと集合住宅の販売価格の中央値は、19万5900ドルで、昨年同時期に比べ8.2%の大幅な下落となっています。一戸建てのみの場合、中央値は昨年同時期に比べ8.7%の下落で過去40年間で最大の下落幅との事です。

全米不動産協会発表資料
関連記事: Home sales rose in February

Tiffanyが予想よりも良い四半期の決算を発表、また、今四半期の収益予想を前回に比べ引き上げました。好決算の理由は、 米国内の売り上げは停滞しているものの、 好調な海外販売、特にヨーロッパでの売り上げがドル安ユーロ高の恩恵を受け好調との事です。株価は本日10.49%の大幅な上昇となりました。
Tiffany shares rise on profit, strong outlook

主なセクター・株の動き

(ファイナンス)上昇と下落に分かれています。主要なところで上昇したのは、Bear(88.76%上昇、株価はJPMorganの提示価格よりも上です。), Citigroup, BofA, JPM, USB, Merrill等、下落したのは、Wells Fargo, Wachovia, Goldman, Morgan Stanley, Lehmanでした。

(住宅)ほとんどが5%を超える大幅な上昇でした。

(小売り)順調に上昇しています。一方で、Kraft, JNJといった消費者向けの製品の製造販売の大手が下落しています。

(テクノロジー)全般的に上昇していますが、上昇幅に関してはかなりばらつきがあります。また、MicrosoftとYahooは下落しているのが注目です。

まとめ・コメント

大幅な上昇となった木曜日を経て、 連休開け、どうなるかと思っていましたが、JPMorganのBear買収額の大幅な引き上げと言う驚くべきニュースにより、市場センチメントは一気に向上し大幅な上昇となりました。

今回JPMorganが発表した価格は、一週間前に発表した価格と比べて5倍となっています。先週の米国の日曜日の夜の発表が、かなり無理をしたものだったかを、暗に示していると思います。先週の日曜日、JPMorganのBear買収が発表される直前に一部メディアが、JPMorganとFedがアジア市場開始までに発表を間に合わせようとしている、と報道しましたが、恐らくそうだったのだと思います。週末に非常に短時間で無理矢理価格を設定し、後で調整した、と言った感は否めません。先週の、Bearの株は発表された2ドルよりもはるかに高い価格で取引されていましたが、恐らく、一部には価格の再交渉の情報が流れていたのでは、と思います。

いづれにせよ、Bearの件で市場が非常に大きく上下に動いているのが先週から本日にかけての市場の状況だと思います。今回の発表で、4月8日には株式取得を行なうとあるので、多分この件は、これで一旦は収束するかと思います。

本日Nasdaqは3%以上も上昇し、他のインデックスと比べて突出した上昇となりました。セクター間のパフォーマンスの差はかなり大きかったのが今日の市場の動きの特徴です。

テクノロジー関連で好材料となる大きなニュースがあったわけではないので、ちょっと気になります。考えられるのは、市場センチメントの大幅な向上の中、バリュエーションと下落リスクに対する相対的な評価から買われたのか、と想像していますが、今回のインデックスの差は突出しているので、注目しています。尚、大手で事業が順調にも関わらず最近調整が進んでいたApple(4.7%), Google(6.23%), RIMM(6.57%)が大きく上がっているのが特徴です。また、上にも書きましたが、MicrosoftとYahooが下落しているのも非常に興味深いところです。

住宅セクターは大幅上昇に対して、ファイナンスは上昇と下落に分けれ、上昇しているところも上昇幅はBearを除きそれ程でもなかったことは、注目です。この二つのセクターは通常は相関関係があるのですが、今日はかなり異なりました。

2月の中古住宅販売結果が予想以上に良かったことが住宅セクターの上昇の材料となったのだと思いますが、販売価格の中央値は大幅な下落となっており、予断は許さない状況だと思います。おそらく住宅価格下落が、ファイナンスセクターに対してネガティブに作用したと推測しています。ファイナンスセクターの下落は妥当な気がしますが、一方で住宅セクターが大きく上昇するのは、投機的な動きが中心の気がします。

住宅関連はLennarが今週四半期の決算を発表しているので注目です。この結果がセクターの今後の動きに提供を与えると思っています。しかし、最近の市場の動きを見ると、投機的な取引が非常に活発になっている様に思えるので、どうなるのかまったく予想がつきません。

中長期的に見た場合、今日の2月の中古住宅の販売状況の発表でも住宅価格の下落傾向が顕著になってきており、この影響が心配されます。明日は、2月の新築住宅の結果が発表される予定です。先週から、住宅販売セクターが大幅な上昇をしているのですが、それが明日の結果が織り込まれているからなのか、興味深いところです。個人的には、投機的な動きが非常に活発なため、と想像していますが、明日以降の動向に注目しています。

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