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バフェットからの手紙 (8)- 2007年版  

金融と金融商品 Finance and Finance Products

このカテゴリー(分野)における我々の主要な運営する事業は、全米で最も大きいマニュファクチャード•ホーム(組み立て住宅)の製造販売会社Clayton Homesです。

(注:マニュファクチャード•ホーム(組み立て住宅)は、前もって組み立てられた(通常モジュール形態の)家で、購入先に巨大なトラック等で運び設置するものです。一般的に、現場で建てるよりもかなり安く済みます。Clayton Homesのサイト,http://www.clayton.net/our_homes/what_is_a_manufactured_home/index.cfm)

Claytonは、昨年過去最高の31%のシェアを獲得しました。しかし、業界の数量は引き続き小さくなってきています。昨年、マニュマクチャード・ホームの販売数量は9万6000戸で我々が Clayton を買った年の2003年の13万1000戸から下落しています。(その当時、何人かのコメンテーター(評論家達)は、(Claytonの)取締役は周期の底で会社を売ったと批判した事を思い出すべきだと思います。)

Claytonは、住宅の製造と販売の両方を行ないお金を稼いでいますが、殆どの利益(収益は)30万人の借入者を持つ110億ドルのローンのポートフォリオから得ています。ですから、我々は Claytonの事業を金融のセクション(部門)に入れています。2007年、住宅金融(の分野で)は多くの問題が表面化してきましたが、 Claytonのポートフォリオは順調でした。昨年の滞納、抵当流れ、破産の率は、一昨年我々が経験したものと近い数値でした。
(コメント:マニュファクチャード・ホームは通常の建て売りよりもかなり安いので、対象顧客は低所得者層が中心です。当然、いわゆるサブプライムに該当する顧客層が中心なので、問題の発生率が2006年と同程度、と言うのは非常に驚くべきことだと思います。(顧客の支払い能力を超えた無理な融資をしていないことの表れだと思います))

Claytonの(住宅)ローンのポートフォリオは、バークシャーから融資されています。この資金調達のため、我々は Clayton バークシャーの借り上げのコストに1%を上乗せして提供しています。その費用は昨年8500万ドルに達しました。 Claytonの2007年の税引き前利益の5億2600万ドルは、この費用を払った後のものです。この取引の否定的側面は、バークシャーは8500万ドルを利益として計上しています。この部分は、下のテーブルの“その他”に含まれています。

brk-table5.png

テーブルに表記されているリース業務は、トレイラーのレンタルのXTRAと家具のレンタルのCORTです。トレーラーの利用状況は2007年に大きく下落しました。それが、 XTRAの収益の下落の要因となっています。 XTRAは昨年4億ドルを借入し、その収益をバークシャーに分配しています。金利上昇の結果、 XTRAの支払いは増え、収益は減ってしまっています。

Clayton, XTRA, CORTは、Kevin Clayton, Bill Franz, Paul Arnoldによって非常にうまく経営され、どれも良い事業(ビジネス)です。バークシャーの傘下に入ってから、それぞれは吸収合併を行なっています。更なる吸収合併が今後もあります。

(これで、このセクションは終わりです。このエントリーは続きます。)


一昨日のエントリーの続きです。尚、このエントリーのシリーズは、2008年2月29日に掲載されたウォーレン・バフェット氏の株主向けの文書をセクション毎に訳したものです。
http://www.berkshirehathaway.com/letters/2007ltr.pdf

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