主要インデックスの終値DOW: 12532.60 -16.04 (-0.13%)
Nasdaq: 2341.05 +14.30 (+0.61%)
S&P500: 1352.97 +3.09 (+0.23%)
本日の主なニュース発表された3月の米国消費者の景況感(Consumer Confidence)は2月76.4から64.5(1985年を100として)に下落しました。エコノミストの予測の中央値は73.5だったので、予想よりもかなり低い(悪い)状況でした。Conference Boardのプレスリリースによるとこの数値は、2003年の3月に記録した61.4以来、過去5年間で最低のレベルになったとのことです。また、今後の見込みのインデックス(Expectations Index)は、過去35年で最低、オイルショックとウォータゲート事件の時以来ない、レベルとのことです。
The Consumer Confidence Press ReleaseS&P/Case-Shiller Home Price Indicesの1月の米国の住宅の価格は10.7%下落したと発表されました。このインデックスの20年の歴史の中で最も大きい下落幅の記録を更新したとの事です。S&Pのプレスリリースの中で、インデックスコミッティーの会長David Blitzerのコメントとして、以下の発言が含まれています。
「残念ながら、2007年、年間を通して下落の記録を更新した後の2008年の初めは住宅市場の回復の兆候は(まったく)みられません。」
S&Pプレスリリース
Record Declines in Home Prices Continued in 2008 According to the
S&P/Case-Shiller Home Price Indices
また以下の関連記事の中でも、夏頃にならないと、回復の兆候は見られないだろう、と言った様なエコノミストの見方が引用されています。
US home prices drop in Januaryこの様な指標が発表される中、JPMorganのアナリストが、住宅市場は底を打ったとの見方から、ホームビルダーの株をアップグレードしたことが発表されました。(何を根拠に言っているのか、詳細はまったくわかりませんが、非常に大胆な見方だと思います。)
JMP upgrades home builders, cites bottom
(上の様なタイトルと記事がロイターから報道されましたが、後で読もうとしたところリンクが削除されていました。サーチしても見つかりません。)
尚、Barron’sにも同じ様な主旨の記事がアップされています。(こちらは有料)
Home Builders May Have Found a Floor(私はBarron’s購読しているので、記事を読んでみましたが、JPMの分析を掲載したものです。(つまり元ネタは一緒)記事を書いた人の名前もきちんと掲載している(当然の事ですが)ので、書いた人は内容に自信があるのでしょう。)
主なセクター・株の動き(ファイナンス)今日も上昇と下落に分かれています。ただし、変動の幅はそれ程大きくありません。
(住宅)Meritage Homesが10.42%も上昇しました。それ以外の主要なところは最終的には下落となったところが多いです。ただし、下落の幅は大きくありません。
(小売り)下落しているところが多いです。昨日大幅な上昇となったTiffanyは今日も上昇しました。
(テクノロジー)上昇しているところが多い中、Googleは2.12%の下落となりました。CitigroupのアナリストがYahooはマイクロソフトの買収提案を受ける事になるだろうとの見方から、Yahooをアップグレードし、株価は本日4.4%の上昇となりました。
まとめ・コメント発表された消費者コンフィデンスは過去5年間で最低、今後の見通しに対しては、オイルショック以来の35年間で最低の水準となるなど、消費者が非常に悲観的となっていることが伺えます。まあ、住宅価格が下落して、オイルは高騰、インフレ懸念、雇用に対する不安が重なれば納得できる内容かと思います。
また、S&Pが発表した住宅価格のインデックスも非常に厳しい状況をしめしており、住宅市場は回復の兆しがまだ見えないとのコメントが発表されています。
上に書きましたが、この様な状況の中、JPMorganのアナリスト2名が住宅市場は底を打ったとの見方を示し、ホームビルダーの株をアップグレード、ターゲットの価格の引き上げを行ないました。Meritage Homeはこのアップグレードの発表からか、株価が10%を超える上昇となっています。過去5日間の主要なホームビルダーの株価の推移のグラフを添付します。ほとんどが過去5日間で20%以上上昇しています。

今週は、3月の新築住宅の販売状況、LennarとKB Homeが四半期の決算を発表する予定です。恐らく2社とも赤字の決算になるかと思いますが、株価の反応がどうなるのかは、予想がつきません。
住宅価格の低下が顕著になってきています。住宅価格が今後さらに低下すると、様々な弊害、問題が浮上してくる可能性が高いと思っています。米国の経済を引っ張ってきた旺盛な消費者の支出は今後さらに減速する事は明らかです。幸いな事に国際的に事業を展開している企業は、海外の売り上げ増によって、米国内の落ち込みをカバーし、好決算を発表しているところが目立ちます。
つまり、悪いニュースだけではなく、堅調な決算を発表する企業も少なからずあると言うのが 今の時点での状況だと思います。ただ、ここにきて値動きが激しいのはファイナンスや住宅セクターの株なので、投機的な動きが非常に活発であることの表れだと思っています。
一方、個人的にちょっと気になっているのが、ここ数日間Nasdaqが他のインデックスよりも良いパフォーマンスとなっていることです。背景にテクノロジーに対する見直し買いが入ってきていて、これが明確なトレンドになるといいな、と少し期待したりしています。
ただ、マクロで見た場合 、市場の状況は非常に不安定で、先行きに対しても不透明要因、不安材料は多数あるので、油断はできないと、思っています。