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3月27日の米国市場 

27-Mar-2008.png

主要インデックスの終値

DOW: 12302.46 -120.40 (-0.97%)
Nasdaq: 2280.83 -43.53 (-1.87%)
S&P500: 1325.76 -15.37 (-1.15%)

本日の主なニュース

本日Nasdaqは他のインデックスと比べ大幅に下落していますが、下落の主な要因は、OracleとGoogleのニュースです。昨日市場終了後に発表されたOracleの決算結果において、新規のソフトウェアの売り上げが落ちている(昨日のエントリーを参考にして下さい)こと、そして本日comScoreが、Googleの2月の検索数と支払い(課金)クリック数が落ちていることを発表した事です。

以下添付のFortuneの関連記事からの抜粋と要訳です。

comScoreのレポートによるとGoogleの2月の検索のトラフィックは1月に比べ4.6%下回り、支払い(課金)クリック数は3%下落しました。もしcomScoreの数字が正確であった場合、課金クリック数は今四半期(08年第1四半期)12%以上下落する状況にあります。Piper JaffrayのアナリストGene Munsterはこのレポートで示されている下落のトレンド(兆候と方向性)はウォールストリートが予測している第一四半期8%の売り上げ増と一致しない事を指摘しています。

Piperは、Googleは売り上げは第4四半期と比べて同じレベルから5%上昇を予想しています。これは、前回のターゲットの8%から下がっています。Lehmanも同様に第1四半期の売り上げ見込みを6%増に修正しています。
Google slowdown gouges stocks

このcomScoreの先月のレポート発表が今年に入ってからのGoogleの株価の下落の一つの大きな要因となっています。先月comScoreがGoogleの課金クリックが07年12月に比べ7%も下落したのかについて、説明するレポートを発表しています。
Why Google's surprising paid click data are less surprising

本日発表の数値に関しても、市場はかなり注目していた様です。結果は1月に続き2月も下落となったため、株価は本日3.08%の下落となりました。

ホームビルダーのLennarが四半期の決算を発表しました。結果は、8億8200万ドル、 一株当たり 56セントの赤字でした。アナリストの事前予想は平均でEPS$1.01だったのでそれよりも良い数字でした。売り上げは、昨年の27億9000万ドルから10億6000万ドルと半減以下となっています。アナリストの売り上げ予想は11億3000万ドルで、予測を下回りました。
Lennar Posts Loss, Beats Estimates

Lennarの株価は本日1.76%の上昇となりました。

尚、KBHomeの四半期の結果発表は明日の午前中になった様です。

主なセクター・株の動き

(ファイナンス)主要な銀行系は全て下落しています。下落で目立ったのは、Lehman 8.9%, Merrill 5.67%等です。

(住宅)上昇しているところが多いです。

(小売り)下落しているところが多いですが。

(テクノロジー)ほとんどが下落しています。昨日25%の増益を発表したOracleは本日7.21%の下落となりました。主要なところで下落が目立ったのは、RIMM 5.08%, Motorola 5.19%, Intel 3.52%, Apple 3.32%等です。

まとめ・コメント

住宅建設販売の大手Lennarの決算は赤字でしたが、アナリストの予想を下回った(赤字が予想より少なかった)ことが好感され、住宅セクター全体が上昇しました。住宅建設販売会社の決算は、不良資産をどれだけ計上するかで収益が大きく異なるので、単純な話、計上を先送りする事で、目先の収益を多少なりとも良く見せる事ができます。そのため、不良資産をいつ計上するかで、収益が異なるので、アナリストの予想にもばらつきがでます。Lennarのアナリストの予想の数値も、ばらつきがかなり大きかったので、単純に平均値より良かっただけで、上がってしまうことに、非常に危うさを感じました。

KBHomeも本日決算発表予定のはずでしたが、明日に変更になった様です。こちらもLennarと同じ様な展開になる可能性もあります。

何回か既に書いていますが、住宅とファイナンス・セクターの株価の動きが以前は同期する傾向が強かったのですが、 最近の傾向として、相関関係が薄れてきている様に思えます。本日、ファイナンス・セクター、特に投資銀行系は大きく下落したところが多かったです。これは、先週の上昇、特に株価上昇時の空売り解消による踏みあげに対する調整とも考えられますが、ちょっと注目すべきトレンドかと思います。

テクノロジーに関しては、OracleとGoogle関連のニュースがきっかけとなって、全体として大きく下落しています。昨日のエントリーにも書きましたが、バリュエーション的にもそれ程高くないOracleが25%の増益を発表して、大幅下落となるのも、典型的な最近の市場の傾向とも言えます。一般的に言えば、25%の増益は好決算だと思いますが、、、

個人的には、comScoreのレポートと今後のGoogleの収益動向が気になっています。本当に今後Googleの収益が頭打ちになってくるのか、どうなのか、気になります。

また、Googleはテクノロジーの会社であるが、ビジネス動向に関しては、通常のテクノロジーとは異なると私は考えています。そのため、今日の様にGoogleの収益に対する不安から(または、Oracleの件だけで)、テクノロジーが売られると言うのは、変な事だと思っているのですが、これも、市場の傾向としてはそうである、のが通例なので現実の市場の傾向としては、納得しています。

恐らく「住宅セクターは、悪いニュースが立て続けに発表され、決算も赤字、きっと今が底だろう」、「テクノロジーは、今のところ利益を伸ばしているが、これから大幅に悪化する可能性がある。株価は上がるよりも下がる可能性の方が高いだろう」といった市場の考え方があるのでは、と想像しています。連続して赤字を発表した住宅株が上がり、増益を発表したテクノロジー株が大幅下落する、と言うのは皮肉ではありますが、恐らく上に書いた様な、今の市場の考え方を反映していると思います。

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