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バフェットからの手紙 (9-3)- 2007年版 

前回のエントリーのセクションの訳の続きです。
2008年2月29日に掲載されたウォーレン・バフェット氏の株主向けの文書をセクション毎に訳した物です。
http://www.berkshirehathaway.com/letters/2007ltr.pdf

(バフェットからの手紙 (9-2)- 2007年版の続き)



バークシャーにおいて我々は、2007年中にたった一つの貨幣のポジションを保有しました。それは、、、息を止めておいて下さい。

ブラジルのリアル(レアル)です。

ちょっと前まで、ドルをリアルと交換(スワップ)する等と言う事は、考えられないことでした。なんといっても、過去100年の間に、ブラジルは5種類(バージョン)の貨幣を持ち、実際、紙切れに変わってしまったこともありました。多くの国でその国の通貨が周期的に弱くなりそして死んできた事は実際にあったので、裕福なブラジル人達は、時として彼らの富を保存するため巨大な額を米国に隠し持っていました。

しかし、この一見、思慮分別のある(慎重な)方針を取ったブラジル人達はだれでも、過去5年の間に、彼の純資産を半分にしてしまったことでしょう。リアルとドルの2002年末から2007年末の年ごとの記録(指数)は以下の通りです。100; 122; 133; 152; 166; 199. 毎年リアルは上昇し、ドルは下落しました。さらに、この期間のほとんどの間、ブラジル政府は実際にリアルの価値を抑制しようとし続け、ドルを市場で買うことによって我々の通貨をサポートしていました。

我々の直接通貨によるポジションは過去5年間で税引き前利益として23億ドルをもたらしています。さらに、我々は他の通貨に対して下落した米国企業の債券を保持することによって、利益を得ています。例えば、2001年と2002年に、我々は3億1000万ユーロのAmazon.com, Incの債券(償還期間(満期)2010年, 利息6.875%, 割引現在価値率57%: 6 7/8 of 2010 at 57% of par)を購入しました。本当は全くそうではないのですが、当時、アマゾンの債券は、信用が“ジャンク”としての価格付けになっていました。

(はい、バージニア(Yes, Virginia)、時折、市場は馬鹿げたくらい効率的でないことがあります。または、最低でも、有名なビジネス・スクールのファイナンス部以外の、どこかでそういったものを見つける事ができます。)

(注: Yes, Verginia,…は1897年9月21日のニューヨーク・サン紙の一面の見出しに”Is There a Santa Claus?”と書かれ(Verginiaと言う名前の女の子が「サンタはいるの?」と聞いて、それに対して、 “Yes, Virginia, there is a Santa Claus”と答えたやりとりの有名な記事です。 “Yes, Virginia, …“と言う形で使われます。
http://en.wikipedia.org/wiki/Yes,_Virginia,_There_is_a_Santa_Claus)

アマゾンのユーロ通貨(建て)の債券は、我々にとって、重要でその上さらに魅力的なものでした。2002年に我々が購入した時、ユーロは95セントでした。つまり、我々のドルでのコストは、たったの1億6900万ドルになりました。
(注: Approximate calculation - 310Million Euro x 57% x 0.95)

今、そのアマゾンの債券は(割引)現在価値率102%で売られており、ユーロは1ドル47セントの価値があります。2005年と2006年に、我々の債券のいくつかは、償還となり、我々は2億5300万ドルを受け取りました。我々の持つ残りの債券は、年末の時点で時価は1億6200万ドルでした。我々の確定利益の2億4600万ドルと含み益(unrealized gain)の内、約1億1800万ドルはドルの下落によるものです。通貨は重要です。

バークシャーにおいて、我々は直接的そして間接的な海外での収益源を更に増やそうと試みています。 しかしながら、もし仮に我々がそのことに成功したとしても、我々の資産や収入は常に米国内に集中すると思います。我が国の多くの不完全さや、絶え間なく起きる種々の問題にも関わらず、アメリカの法律に基づくやり方、市場に呼応する経済システム、そして、実力主義制度の信念は、国民達に更なる繁栄をもたらし続けていくことはほぼ確実なことです。

************

以前申し上げた様に、我々はCEOの継承について十分な準備ができています。なぜなら、我々は3人の素晴らしい社内の候補者を有しているからです。 私の死あるいは能力が失われる等、私になにかあった場合、 取締役会は誰を選べば良いのか正確に分かっています。そして、そのことは、取締役会は二つのバックアップも残していることになります。

昨年、私は皆さんにバークシャーの投資の仕事の継承計画をきちんと完成すると申し上げました。そして、我々は今、実際に私を引き継ぎ、投資の運用・運営を行なう事ができる4人の候補者を既に選抜しています。その全員は現在、非常に巨額の運用を行なっています。

そして、全員が、もしも声をかけられた場合、バークシャーに来る事について強い興味があることを表明しています。取締役会は、その4人の強み(長所)を知っており、必要性が生じた場合、一人、あるいはそれ以上を採用すると予想されています。候補者達は、若年層から中年層で、上手にお金持ちになっています、そして、全員が給料・待遇を超えた理由でバークシャーで(のために)働きたいと希望しています。

(私は、 私の死後、私が引き続きポートフォリオの運用を行なうと言う考えを、不本意ながら、破棄しております。それは、“外側から物事を考える(thinking outside the box)”の表現の新たな意味を与えると言う私の望みを断念することです。)



(コメント)
これで、”投資”のセクションは終わりです。話に出てくるブラジルのリアルの投資、アマゾン・ドットコムのユーロ建て債券の投資も、素晴らしい投資結果となっています。驚くべきことは、投資のタイミングだと思います。一般があまり注目していない非常に初期の段階に既に種を蒔いており、5年以上の時を経て大きく伸びた後に収穫を行なっているところが非常に印象的です。これは、このセクションの最初のエントリーで書いたペトロチャイナの投資にも共通しているところだと思います。

バフェット氏は、バークシャーは海外での収益源を拡大しようとしていると語っている一方で、もしもそれが成功したとしても、資産や収入は引き続き米国に集中するだろうと語っています。

以前からバフェット氏は語っている事ですが、ドル安に対する政府の対応やファイナンス業界の問題を招いた新たなビジネスモデルについては、批判的ではありますが、長期的な米国の将来性、経済の発展性に対しては大丈夫だとの見方を明確にしています。

バフェット氏の後継者問題に関しても、準備は完了したと語っています。この件に関しては、昨年のTVインタビューで明らかにした内容等と変わっていません。しかし、バフェット氏後のバークシャーが実際にどうなるのかに関しては、なってみないと分からないと思います。バフェット氏の事なので、彼の死後にバークシャーをどの様に経営していくのかも、後継者選びも含め十分に考えられていることと思います。

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