主要インデックスの終値DOW: 12576.44 -35.99 (-0.29%)
Nasdaq: 2348.76 -16.07 (-0.68%)
S&P500: 1365.54 -7.00 (-0.51%)
本日の主なニュースWashington Mutualが、プライベート・エクイティのTPGから70億ドルの資金供給を受ける事を発表しました。(昨日の報道では50億ドルとなっていましたが、調達資金は70億ドルとなった様です。)また、第1四半期の収益が11億ドルの赤字となる見込みを示しました。これは、一株当たり1ドル40セントの損失で、アナリストの予想平均の51セントの赤字を大きく上回る悪い内容となっています。この発表に併せて、四半期の配当を一株当たり15セントから1セントに引下げる事、3000人の人員を削減する計画を発表しました。
資金融資の計画は、WaMuの1億7600万株を、TPG が一株8ドル75セント(今日の終値は$11.81)で購入する事による15億4000万ドルと、55億ドル分の転換優先株(初期転換価格8ドル75セント)で購入する事等によるとの事です。また、TPGの創業者の一人で1996年から2002年までWaMuの取締役だったDavid Bonderman氏がWaMuの取締役になるとのことです。
株価は本日10.19%下落しています。メディアによると今回の資金調達による株式の希薄化が今日の下落の要因の一つと報道しているところがありました。
WaMu gets $7 billion infusion, cuts jobs, sees loss全米不動産協会(The National Association of Realtors)が発表した2月のペンディングの住宅販売は、インデックスを始めた2001年からで、最も低い数値となったことが明らかになりました。(ペンディングは、契約書にサインして、最終的な売却前の状態。尚、ペンディングで契約が行なわれないケースもアメリカでは良くあります。)インデックス値は、84.6で1月の86.2から下落しています。アナリストの予想は、86.3で予想を下回っています。昨年の2月は、107.6でした。統計を取り始めた時の数字を100としています。これまでの最低は、昨年の8月の85.8でした。
Pending home sales hit low in FebruaryFedが3月18日のFOMCの議事録を公開しました。内容としては、先日のバーナンキ議長の議会発言とほぼ同様で、実質GDPは2008年前半は下落となる見込みだが、後半から徐々に回復する事を予想しているとのことです。
3月18日FOMC議事録Fed: Severe downturn possibleIMFによると住宅ローン関連の損失は9450億ドルに達するかもしれないと、Bloombergが報道しました。レポートによると、IMFは最悪のクレジット・クランチはまだこれからあるかもしれない、としています。今の時点での金融機関の公表された損失の合計は2320億ドルなので、IMFの最悪時の予想額は、その4倍以上です。この記事の中で、IMFのレポートからの引用として、「最近の市場の混乱は、単なる流動性の(が起因した)問題ではなく、貧弱な資本と脆弱なバランスシートが元となっていることを反映しており、その影響は更に広く、深く、そしてさらに長引くこととなるでしょう。」、「深刻な資金調達(ファンディング)とコンフィデンスの危機により長期にわたって問題が続く危険性があります。」といった様なことが記事に書かれています。
IMF Says Financial Losses May Swell to $945 Billion (Update3) 主なセクター・株の動き(ファイナンス)下落しているところが多いですが、下落幅はそれ程大きくありません。Wachovia, Goldmanは若干上昇しています。
(住宅) 今日は下落しています。
(小売り) 上昇と下落に分かれています。TargetとWal-Martは上昇しています。
(テクノロジー) 下落しているところが多いです。その中で、HP, RIMMは微増、Ciscoはほぼ変わらず、となっています。
まとめ・コメントWashington Mutualの資金調達は、予想通り発表となりました。本件発表時に、今四半期の赤字が従来の予想よりも大きくなる事、人員削減、営業所の閉鎖等のリストラクチャリングを併せて発表しました。今日は10%ちょっとの下落でしたが、昨日の30%を上回る上昇と合わせると、昨日今日で2割以上上昇しています。
ペンディングの住宅販売の結果はやはり悪い数値でした。予想よりも悪かったので、さすがに今日はホームビルダーの株は下がっていますが、ここ最近の大幅な上昇を考慮した場合、かなり高い水準で、年初から見ても大きく上がっているところも多い様に思います。
FOMCの議事録をざっと目を通しましたが、予想としては今年の後半から回復といったソフトランディングのシナリオとなっていますが、 読んだ印象としては、Fedが、今の状況,今後の見通しにも楽観視できる様な状況ではないと、考えている様に受け取りました。
さらにかなり強烈なのが、IMFのレポートです。上に添付したBloombergの記事から引用しただけですが、かなり事態は深刻で、さらなる大きな危機が起こりうる可能性を示唆しています。(個人的には、見方としては、同意できます。)実際のところ、どの程度で収束するのか非常に興味を持っています。
セクター毎、個別の株としては大きく下落するものもありましたが、株式市場全体としては、それ程大きな下落とはなりませんでした。恐らく、来週から本格化する第1四半期の決算結果を見てから、動こうと考えている投資家が多いのでは、と想像しています。 今日のニュースを見てみても、市場が底を打ったとの可能性はかなり低い様に思えます。