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4月10日の米国市場 

10-Apr-2008.png

主要インデックスの終値

DOW: 12581.98 +54.72 (+0.44%)
Nasdaq: 2351.70 +29.58 (+1.27%)
S&P500: 1360.55 +6.06 (+0.45%)

本日の主なニュース

3月の小売店の販売結果が発表されました。全体としては予想通り悪く、3月の販売結果は過去13年で最も弱かったとの事です。

Wal-MartとCostcoは良好な結果を出した数少ない企業です。Wal-Mart、第1四半期の利益の見込みを引き上げ、また、4月の売り上げも従来の見込みを上回るであろうと発表しました。この2社の株は発表後の日中は結構上昇したのですが、その後多少下がり、終値はWal-Martは0.96%の上昇、Costco 0.74%の上昇でした。

一方で、その他のほとんどの企業は、販売状況がおもわしくなく、JC Penney, Gap, Limited Brandsは、売り上げの急激な下落を発表しています。また、これまで好調だった高級デーパートのSaksも売り上げが低迷している事が明らかになりました。株価に関しては、悪材料が既に盛り込まれていたためか、JC Penney 2.95%、Limited Brandsは2.47%の上昇となりました。Gap は0.67%下落でした。

今年は、イースターが昨年より2週間早く、販売日数が昨年より1日少ない等の理由からも、今年の第1四半期の小売りの販売状況は悪いだろうと予想されていました。

Retailers post sluggish sales in March

労働省が発表した先週の失業保険申請件数は、その前の週よりも5万3千件少ない、35万7千件でした。予想の38万3千件を下回りました。2月の貿易差損は、623億ドルで、1月の590億ドルから上昇となりました。これは、第1四半期のGDPに対してネガティブな要因となるとのことです。

Increase in trade deficit raises concern

先週の末から急速に盛り上がりを見せている、MicrosoftのYahooの買収提案に関連する動きが今日もありました。

本日のWSJの報道によると、対抗案として、YahooはTime WarnerのAOLとインターネットの事業で合併するとの案件をまとめようとしている、とのことです。WSJによると、この計画は、AOLのダイアルアップ(電話回線を使った接続サービス)を除いたAOLの事業を、Yahooと合併し(Yahooに吸収させる)、更に、Time Warnerが現金の投資を行ない、引き換えに合併した企業の20%を所有する計画との事です。Yahooは、得た現金を使って、自社の株を30ドルから40ドルの間で、買い戻しを行なう予定です。

一方のMicrosoftはNews Corporationと共同の買収案の話を進めているとの報道がありました。

これらのニュースにより、Yahooの株価は本日、2.95%上昇しました。

(コメント)昨日発表されたGoogleのテクノロジーを使用する話も、 AOLと合併するのであれば、対抗案としては十分に理解できるアプローチだと思います。ただし、このAOLと合併の話自体がどれだけ現実的なものなのか、もしそうだとしても、Microsoftとの合併に比べて、株主にとってメリットが提供できるのかは、大きな課題だと思います。

AOLの事業は完全に下落のトレンドにあり、Time WarnerもAOLの処遇をどの様にするかで迷走を続けており、確かにYahooとくっつけることは、Time Warnerとしてもメリットがあるとは思います。しかし、Microsoftの提示額を上回る様な案件にすることは、(資金繰りからしても)困難で、かつ、AOLと一緒になる戦略的なメリットがYahooにどれだけあるのか、と言う点では、大きな疑問符がつきます。

Yahooの一連の動きで、Microsoftが買収提案額を引き上げるのでは、との観測もありますが、Yahooの現在の株価は、今日の上昇を含めても、Microsoftの提案額よりも低いです。株価が低いのは、この案件が、まとまらない可能性があるためです。 つまり報道的には盛り上がっていますが、投資家は慎重に見ていることの表れだと思います。

主なセクター・株の動き

(ファイナンス)上昇と下落に分かれています。

(住宅) 主要企業の株は全て上昇しています。大きく上昇したのはMeritage Home 6.21%, Beazer Homes 5.17%です。

(小売り) 主要なところはほとんど上昇しています。

(テクノロジー)主要なところはほとんど上昇しています。

まとめ・コメント

3月の米国の小売り状況は、予想通り悪かったのですが、セクターは全般的に上昇しました。悪いニュースが発表になって株価が上がるのは、昨日のボーイングでもそうですが、最近良くあるパターンです。

今週に入り多少下落していた住宅セクターは、今日は上昇となっています。これは、政府の住宅ローン破綻に対する救済措置の法案が近いうちに可決する事を期待してのことだと思います。法案は、少なからずメリットはあるとは思いますが、それを材料にここまで上がると言うのは、何とも言えません。逆に言えば、大きな調整が再びおきるリスクは高まっているとも言えます。

今日のNasdaqが他のインデックスより大きく上がっているのは、Bank of Americaのアナリストが、半導体セクターをアップグレードした事等から、半導体を中心としてテクノロジー株全体が買われた事が主な要因です。これに加え、MicrosoftのYahoo買収に関わる話が盛り上がり、案件が近いうちにまとまるのではと言った期待も、テクノロジーセクターに好材料をもたらした様です。

前四半期の決算では、テクノロジーの多くの企業は大幅な増益を発表しても、株価は下落する様な場合が多くありました。今回もそれなりに良い決算を発表するところが多いと推測していますが、実際の決算がどうなのか、株価がどう動くのか注目しています。

また、全体として全四半期までは、ファイナンス・住宅といった特定のセクターは非常に悪かったものの、その他は堅調な決算を発表する会社が多かったのですが、今回、それらの企業、特定のセクター(例えば小売り、他)の決算のトレンドが低迷を示す様な兆候が明確になってくるのかが注目です。

消費者のコンフィデンスは非常に低くなってきている、原油等資源株は依然として高騰が続いている、失業率が上がってきている等、マクロで見てネガティブな材料がかなり多い気がします。

一方で、ドル安の恩恵や新興国での事業が順調に伸びていることによって、大きく業績を伸ばしている企業も多く目にします。 来週以降の決算発表がどうなるのかが注目です。まずは、皮切りとして明日GEが決算を発表するので、注目したいと思います。

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