注目されていたGEの第1四半期の決算の結果が発表されました。結果は予想を下回る6%下落の43億ドルの純利益、EPS43セントでした。アナリストの予想はEPS51セントでした。また、GE自身の見込みとして公表していた50セントから53セントを下回りました。
さらにGMは、2008年の利益予想を引き下げ、EPS2.2ドルから2.3ドルの間に修正しました。従来のGMの予想は2.42ドルで、アナリストの予想は2.43ドルでした。
GEの株価は、12%を上回る下落となりました。GEにとっては、87年のブラックマンデー以来で最大の下落幅とのことです。GEの予想外に悪い結果から、市場はリセッション入りしたことを示す結果との反応から、市場全体が大幅な下落となりました。
以下、
GEのプレスリリースのハイライトからの抜粋したものを訳したものです。
- 継続して行なっている事業は、44億ドルの利益となり、昨年第1四半期の49億ドルから12%下落。
- 継続している事業からのEPSは44セントで、昨年の48セントから8%の下落。
- 基盤設備の事業は、二桁の利益増で、業務用ファイナンス(Commercial Finance)、GE Money、健康管理事業の二桁の下落を埋め合わせした。
- 中止した事業の影響を含んだ場合、2008年第1四半期の利益は43億ドル(一株当たり43セント)で、2007年の第1四半期は46億ドル(一株当たり44セント)。
- 継続して行なっている事業の売り上げは、8%増加し、422億ドル。金融サービス事業の売り上げは3%増加し18.1億ドル、産業向け(Industrial)の売り上げは242億ドルで2007年第1四半期に比べ12%の増加。
(コメント)
安定した事業を行なっているGEが、予想を下回る結果をとなり、しかも、今後の利益見込みを引下げたのは、市場に与える影響は大きかったと思います。
特に海外の事業は二桁の伸びにも関わらず、米国内の事業、特にファイナンス関連の事業の下落が大きく、全体として見込みを下回る結果となった事は、着目すべき点だと思います。
今回のGEの発表は、以下の様な状況を意味していると思います。
- 米国内の景気の停滞が顕著になってきており、企業の収益を引下げてきていることを明確にしめしている。
- 海外の事業を展開している会社でも、海外の伸びがあっても、米国内事業の下落を全体の収益として吸収できていない。
- 不動産、金融の市場から、企業収益の悪化が他のセクターの企業にも広がりつつある。
今までは依然として好調な海外、特に新興国の需要が減速してきた場合、更に収益が落ちるリスクがあると思います。また、海外事業の比率が低い企業、あるいは、米国内の事業が中心の企業の収益動向は、もっと厳しいことになる可能性が高くなると思います。
売り上げは伸びていながら、利益が減っている事も気になります。これは、利益率・マージンが低下していることを意味します。まだ詳細等調べていませんが、これは内容的には非常に悪い材料となる可能性があると思います。(例:売り上げが今後停滞したり、下落した場合、利益はさらに落ちる)
今回のGEの発表は、かなり注意しなければならない点が多くある気がします。