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4月14日の米国市場 

14-Apr-2008.png

主要インデックスの終値

DOW: 12302.06 -23.36 (-0.19%)
Nasdaq: 2275.82 -14.42 (-0.63%)
S&P500: 1328.32 -4.51 (-0.34%)

本日の主なニュース

Wachoviaが第1四半期の決算を発表しました。結果は、驚くべき事に3億5000万ドル、一株当たり20セントの赤字でした。アナリストの予想平均はEPS47セントでした。Wachoviaが赤字となったのは、2001年以来で初めての事です。同時に、70億ドルの資金調達を行なった事、配当の削減と人員削減を発表しました。

資金調達は、35億ドル分の普通株式を24ドルで販売することと、35億ドル分の転換優先株(7.5%の配当と30%のプレミアム)で計70億ドルを調達する見込みとのことです。このオファーは15%まで拡大、合計で80億ドル5000万ドルに達する可能性があるとのことです。

四半期の配当に関しては、41%減の一株当たり37.5セントに削減すると発表しました。また、今四半期中にコーポレートと投資銀行業務で500人を削減する予定との事です。

Wachoviaの株価は、8.13%下落となりました。

Wachovia posts surprise loss, raises $7 billion

国勢調査局発表の3月の小売りの販売結果は、前月に比べ0.2%の増加となりました。添付のニュースリリースの3ページ目にアイテム別の比較が載っていますが、ガソリンの販売が前月に比べ1.1%の増加、昨年同月に対しては18.9%の増加となって突出しています。(つまり、ガソリン価格の上昇によって、売り上げが上がっている。2番目に添付している記事の中でも、ガソリンの上昇がなければ、売り上げは横ばいだった、と書かれています。)

国勢調査局プレスリリース

Retail Sales Up a Bit, Led by Gas Costs

レンタルビデオ大手のBlockbusterがCircuit Cityに対して、一株当たり最低6ドルで買収する提案を発表しました。BlockbusterはCircuit Cityに対して6ドルから8ドルの間の提案額で、既にアプローチをしていましたが、今回、提案額を公にしました。この提案額で換算した買収の総額は、10億1000万ドルから13億5000万ドルの間です。Circuit Cityの株価は本日27.44%の上昇、10.22%の下落となりました

Blockbuster offers to buy Circuit City

(コメント)今回の買収提案も、業界再編の動きの一環だと思います。Blockbusterはレンタルビデオの最大手ですが、宅配のレンタルの事業を行うNetflixに追いつめられており、事業は低迷を続けています。Circuit Cityも家電販売で全米第2位ですが、事業は低迷を続けています。ちなみに、Blockbusterの時価総額はCircuit Cityよりも低く、500億ドル少しです。資金調達をできるのか、買収したところでうまくいくのか、と言った懐疑的な点は多々ありますが、どこかバックについていて(Carl Icahn氏との見方もあります。ちなみにIcahn氏は、Blockbusterのボードメンバーです)の提案だとは思いますが、生き残りをかけて勝負に出てきている様に思えます。

また、Delta AirとNorthwestが早ければ、明日にも合併を発表するとWSJが報道しています。


主なセクター・株の動き

(ファイナンス)主要なところは全て下落しています。

(住宅)  下落しています。下落幅は数%から5%程度です。

(小売り)上昇と下落に分かれていますが、幅はそれ程大きくありません。

(テクノロジー)下落しているところが多いのですが、その中で、IBM, HP, Apple, Oracleは上昇しています。

まとめ・コメント

先週金曜日のGEに続き、四半期決算を発表した大手銀行のWachoviaは、市場の予想を大きく下回り、しかも赤字となる決算を発表しました。この2社の決算結果から、企業の第1四半期の収益動向に対する不安が高まっています。

ファイナンスセクターは、当然のことながら下落となっています。今週、主要な大手の銀行が決算結果を発表するので、その他がどうなのか非常に注目です。テクノロジーも全般的に大きく売られているケースが目につきましたが、その中で、ほぼ間違えなく良好な決算を発表し、今後に対しても不安要因があまりない企業に関して、(特にIBM, Oracle, HP等はそうです)買われているのが、今日の動きの特徴でした。

3月の小売りの販売結果は、若干の上昇となり予想よりは良い結果でしたが、内容としてはガソリンの売り上げ増が寄与している部分が多いため、景気の動向の指針として好材料と判断できる様なものではないと思います。

明日は、主要なところではJohnson & Johnsonが決算発表の口火を切る予定です。J&Jは好決算になると予想されている様ですが、私もJ&Jは大丈夫だと思っています。市場終了後には、Intel, Infosys, Washington Mutual等が決算を発表します。

Intelは前四半期は、51%の増益だったもののアナリストの予想より少し低かった事等から株価は大幅に下落しましたが、今回はどうなるのか注目しています。Washington Mutualは結果はかなり悪いだろうと予想されているので、ある程度は株価に織り込まれていると思います。

水曜日、木曜日にさらに多くの主要企業の決算発表があるので、全体の流れとしては、今週が終わるまでは、その日毎のニュースで多少なりとも動く様な展開になると思います。今の時点では、GEとWachoviaのネガティブ・サプライズにより市場はかなり慎重・敏感になってきているので、さらなるネガティブなサプライズがあった場合、市場全体が大きく下落する可能性は高いと思います。一方、市場全体が大きく上がる様なシナリオはあまり想像できません。

いずれにせよ、今週来週の決算結果の動向によっては、市場全体のトレンドが明確になってくる可能性は大きいと思っています。

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