主要インデックスの終値DOW: 12620.49 +1.22 (+0.01%)
Nasdaq: 2341.83 -8.28 (-0.35%)
S&P500: 1365.56 +0.85 (+0.06%)
本日の主なニュース(経済指標関連)
フィラデルフィア連銀の発表した製造業景況指数は、3月のマイナス17.4からさらに下落し-24.9 になりました。これで、5ヶ月連続でマイナスとなっています。また、多くの企業が仕入れのコストが上昇しているとしており、出荷価格も上昇となっていると報告しています。尚、6ヶ月先の見込みに関しては、3月の-0.5に対して、13.7に大きく上昇しています。(37%が上昇を予測、24%が下落を予測しているとの事です。)
Business Outlook Survey - フィラデルフィア連邦準備銀行(企業決算関連)
Merrill Lynchの第1四半期の結果は、21億4000万ドル、一株当たり2ドル19セントの赤字となりました。第1四半期に新たに計上した損失は65億ドル以上になるとのことです。また、3000人の人員の削減を併せて発表しています。
アナリストの事前予想は、一株当たり1ドル99セントの赤字で、それよりも悪い結果でした。CEOのJohn Thain氏は、後数ヶ月、あるいは数四半期はさらに厳しくなる可能性があり、それに備えていると語っています。
Merrillの株価は本日4.05%の上昇となっています。
Merrill Lynch posts steep first-quarter loss on write-downsNokiaの結果は、利益は予想よりも良かったものの、今後の見通しに対して投資家の失望を買い14%を上回る大きな下落となりました。
Nokia Earnings in Line, Market View Hits Stock大手製薬会社のPfizerも決算を発表し、EPSは61セントで、アナリストの事前予想の66セントを下回りました。株価は本日3.32%下落しています。
市場終了後に注目のGoogleが決算を発表しました。結果は13億1000万ドル、EPS4ドル12セントの利益でした。特別な出費を除いたEPSは、4ドル84セントでした。アナリストの事前予想は$4.55で予想を上回りました。株価は、本日は1.21%の下落でしたが、発表後のアフターアワーズでは、17%を超える大幅な上昇となっています。
Google beats estimates amid worry over 'paid clicks'また、E-Tradeも決算を発表。結果は予想を上回る大幅な赤字となりました。 赤字は、アナリストの予想の一株当たり10セントに対して、一株当たり20セントでした。 赤字の理由はホームエクイティ・ローン(住宅を担保にして貸し付けを行なう金融商品)の損失が主な要因とのことです。株価は本日8.71%上昇し、アフターアワーズで更に3.5%程度上昇しています。
UPDATE 1-E*TRADE 1st-qtr net loss higher than expected主なセクター・株の動き(ファイナンス)主要なところはほとんど上昇しています。
(住宅) Meritage Homeが7%と比較的大きく下落しましたが、それ以外は上昇、下落に分かれていてもあまり大きな値幅ではありません。
(小売り)上昇と下落に分かれています。
(テクノロジー)昨日市場終了後に好決算を発表したIBMは、本日上昇しましたが、下落しているところが多かったです。。
まとめ・コメント大きく上昇した昨日から明けた本日、どの様に動くか注目でしたが、全体としては比較的落ち着いており、DowとS&P 500はほぼ変わらず、Nasdaqは若干の下落となりました。比較的落ち着いている様に思えますが、細かく見るとかなり荒い(大きな)値動きをしている株も多くありました。
昨日市場終了後のIBMの好決算と08年の見込みの引き上げは、IBM単体の株価の上昇に留まり、テクノロジーセクター全体としては下落となりました。また、それ以外の企業の決算発表とそれに対する株価の反応も極端な動きをしているところが目につきます。
まず、本日の朝に発表されたMerrill Lynchの結果は、予想よりも悪い決算結果で今後に関しても慎重な見方を示しているにも関わらず、株価は4%を上回る大きな上昇となりました。一方、Nokiaの結果はアナリストの予想通りの増益でしたが、今後の動向に対しての不安から14%を超える大幅な下落をしています。決算結果に対する反応としては、両方とも極端で、しかも対照的なのが印象的です。
E-Tradeの結果も、予想よりも悪かったことが発表されても、株価は大きく上昇しました。
注目のGoogleの結果は、ここ最近高まっていたたビジネスの急速な停滞に対する不安を払拭する結果だったため、アフターアワーズで17%を超える大幅な上昇となっています。Googleの今回の結果は、約30%の増益で企業の規模を考えれば、素晴らしい結果だと思いますが、P/E等で見た場合再びオーバーバリュー気味になってきました。利益を今後とも大きく伸ばす事ができれば、問題はない株価の水準ではありますが、今後の事業動向によっては、ダウンサイドのリスクは再び高まっていると思います。
今日の決算結果と株価の動きを見ると、投機的な取引が活発に行なわれている様に思えます。今の時点の事業結果よりも、今後、状況が改善すると見られる株に買いが集まり、状況が悪化する可能性がある株は売られる、といった状況にあると、解釈することもできるかと思います。
最後に、フィラデルフィア連銀の製造業景況調査の4月の結果は悪かったものの、今後に対しては、慎重ながらも改善の見込みをする企業が多くなってきている点が注目だと思います。単月の結果だけで判断するのは危険ですが、今後に対して改善の見込みを予想する企業が増えている事は、興味深い点です。この点に関しては、来月以降の結果と比較してどうなるのか、引き続き注意して見ていきたいと思います。