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4月25日の米国市場 

25-Apr-2008.png

主要インデックスの終値

DOW: 12891.86 +42.91 (+0.33%)
Nasdaq: 2422.93 -5.99 (-0.25%)
S&P500: 1397.84 +9.02 (+0.65%)

本日の主なニュース

(経済指標関連)

4月のミシガン大学消費者コンフィデンスの指数は、3月の69.5から下落し、62.6となりました。この数値は、過去26年間で最低とのことです。下落の理由は、高い燃料費と食費、収入の増加の減少と住宅価格の下落のためとのことです。今後の見込みの指数(Consumer Expectation)は、3月の60.1から下落し53.3になりました。
プレスリリース

(企業決算関連)

昨日市場終了後に発表されたAmerican Expressの第1四半期の結果は、利益が6%減の9億9100万ドルEPS85セントでした。継続している事業からの利益は、昨年同期に比べ9%減の一株当たり84セントでアナリストの予想を4セント上回りました。American Expressの株価は、5.37%上昇しました。
プレスリリース

ハードディスクドライブの大手Western Digitalの第1四半期(経理上は第3四半期)の結果は、利益が2億8000万ドル、EPS$1.23でした。昨年の同期は、利益が1億2100万ドル、53セントだったので、今回の利益は倍増以上の大幅な増益となりました。次の四半期の、Western Digitalの利益の予想は、一株当たり77セントから83セントの間になると発表しました。アナリストの次の四半期の利益予想は、80セントでした。次の四半期の利益も予想の範囲内ではありましたが、一部の投資家の間では今後の収益に対する不安が高まった様で、株価は本日9.09%の大幅な下落となりました。
Outlook weighs down Western Digital shares

半導体ウェハー製造の大手MEMC Electronic Materialsの第1四半期の結果は、4180万ドル、一株当たり18セントの赤字でした。損失の原因は、所有する太陽光発電の機器製造のSuntech Power Holdingsの価値が低下したことによるものとのことです。ワンタイムコストを除いた場合、一株当たり84セントの利益でした。アナリストの予想は一株当たり85セントで1セント予想を下回りました。また、今後の見込み等に慎重な見方を示したことが、投資家の不安を高めた様で、本日株価は6.44%の大幅な下落となっています。

MEMC Reports First Quarter Results

主なセクター・株の動き

(ファイナンス)今日も上昇しています。上昇の幅が大きかったのは、Wachoviaで5.22%上昇しています。

(住宅)  今日も主要なところはほとんど上昇しています。

(小売り)主要なところは殆ど上昇しています。一方、消費者向け製品の製造メーカーの株は若干下落しているところが目につきました。(例:Johnson&Johnson, Kraft, P&G, Pepsico)

(テクノロジー)昨日市場終了後に決算を発表したMicrosoftは、6.19%の大幅な下落となりました。Yahooも1.83%の下落となっています。Apple, Googleは微増、Intel, HP, Cisco, Oracleは下落しました。

まとめ・コメント

本日朝、4月のミシガン大学消費者コンフィデンスの指数は過去26年の中で最低となったことが発表されました。しかし、Dow JonesとS&P 500は上昇して終了しました。個人的には、理解に苦しむところですが、上昇した理由として、以下に添付する記事の中で引用している投資関係者の話を抜粋します。

Dow ends up 43 as many investors overcome economic worries

「企業の第1四半期の業績報告は、投資家達に全般的に状況はそれ程悪くない、と確信させる様な結果だった。」Tom Lydon, president of Global Trends Investments

上記記事の中で、消費者支出が米国の経済の約70パーセントを担っている状況の中で、(ミシガン大学消費者コンフィデンスが大きく下がっていることに対して)S&P 500の企業について「米国のビジネス・アクティビティ(ビジネス活動)は強く、グローバルな分野では特にそうです。」「今後を計る上で見るものとして、それ(消費者コンフィデンス)は間違ったものです。」
David Bianco, UBS equities strategist

(引用終わり)

正直なところ、2番目の引用の発言に対しては「本気でそう思っている訳?」と聞きたくなる様な発言なのですが、実際にその様に思っている人もいるのだと思います。そうでなければ、今日の市場の動きは説明できないと思います。

しかし、消費者コンフィデンスが急激に悪化していることは事実で、本日発表のレポートでも下落の理由として挙げられている燃料費、食費の高騰、収入の上昇の低下、住宅価格の下落は全て、実際に起きていることです。今後、米国の消費者支出が下落することは、ほぼ確実と思われます。どの程度消費者支出が下落するのか、その米国経済にあたえる影響がどの程度あるのか、は不明ですが、与える影響はかなり大きいものとなると考える方が妥当だと思います。

ただし、今日の市場の動きもそうですが、上に書いた様な私の考えが仮に当たっていたとしても(普通そう考えると思いますが)、それが株価にすぐに反映されないのも現実だと思います。個人的には、ここ最近のファイナンス、住宅セクターの株価の上昇は”Irrational Exuberance” だと思っています。株価の動きに対して、そう思うことは、しょっちゅうあるのであえて書く程ではないのかもしれませんが、今日の市場の動きは典型的な気がしています。

一方で、全てのセクターで投資家のセンチメントが再び盛り上がっている訳ではありません。MicrosoftやWestern Digitalの株の大幅な下落等、テクノロジー株は決算発表後に大きく売られるケースが多くあります。2倍以上の大幅な増益の結果発表を行ない、今後の見込みに関しても大幅な減益あるいは赤字転落を予想している訳でもないにも関わらず、アナリストの予想より少し低かっただけで大きく下落したりしています。(Western Digital等)一方で、予想を大幅に上回る赤字を発表する住宅メーカーが、決算の発表後に上昇したり、減益が続き、資金繰りに窮し、(将来的な収入に対して明らかにネガティブな要因となる) 多額の資金調達を発表した金融企業の株が発表後にあがる等、セクターによって非常に対照的な動きが目につきます。

来週は、FOMCに再び注目が集まってくることとと思います。25bp引き下げが有力視されている様ですが、Fedも市場が底を打ったと見ている訳ではないと思うのですが、どの様な発表をするのか注目です。

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