金曜日25日のエントリーにも書きましたが、米国の消費者コンフィデンスが四半世紀以上(過去26年)で最低となったことが、発表された一方で投資家のコンフィデンスは急上昇している様です。
「クレジット・クランチの最悪の時期は終わった」との見方が強まってきており、投資家のコンフィデンスが上昇しているとの記事が、この週末のWSJ、FT、Barron's等で掲載されています。これらの記事で、特に興味を持ったものについて、以下に記します。
Wall Street Journal
Belief That Worst Of Credit Crunch Is over Lifts Stocks(コメント)
タイトル通りの記事で、簡潔に金曜日の市場の動向等をまとめています。
26日のMoney&Investingの一面に上記記事が掲載されているのですが、その隣(こちらの方が大きい)に、Peter Bernstein氏のインタビュー記事があります。Bernstein氏は今回の市場の問題は非常に深刻な問題を抱えており、解決するまでには非常に長い期間かかるであろうと、見ている。と語っています。(以下に添付の記事は、無料で読めます。是非、一読をお勧めします。)
One Guy Who Has Seen It All Doesn't Like What He Sees NowFinancial Times
Japanese bonds see biggest rout in five years(コメント)
この記事は、日本の債券が大きく下落したことを取り上げ、このことが全世界で債券市場の幅広い売りを誘発したと書いています。背景として、投資家のコンフィデンスが上昇し、債券を売り、証券を買う動きが顕著になってきているとあり、ヘッジファンドが先週の初めから債券を売り始め、証券を買う動きが活発に行われていると報道しています。
Barron's
Back in the Pool (オンラインのメインページのタイトルは”The Bulls are Back"です。)
(コメント)
米国のポートフォリオ・マネージャーに対する調査(アンケート)をまとめた記事なのですが、市場が今後上昇すると予想している投資家が非常に多いことを示しています。また、ファイナンス・セクターは、完全にアンダー・バリューとなっているため大きく上昇すると見ている様です。一方、住宅市場に関しては回復に対しては時間がかかるであろうとの見方が大勢を占めている様です。また、テクノロジーが最も上昇すると考えている人が多い様です。個人的には驚いたのですが、DOWが今年の終わりには15000に達し、来年はさらに大きく上昇すると見ている人も多くいる様です。このシナリオとして、OILの価格が半値になることを過程(前提条件)としている様ですが、個人的にはもっと色々な楽観的なシナリオの条件がなければそこまでは上がらないと思います。
非常に興味深い結果です。大勢の見方が、自分の見方と大きく異なる、と言った点で参考になりました。ファイナンスが大きく上昇する理由として、バリュエーションを挙げています。しかし、今後損失計上が大幅に減ったとしても、ここ数年の様なLBOのブーム等の恩恵で得られた莫大な利益は当分の間見込めず、巨額な資金調達をしたことにより、利息の支払等のコストの増加等が収益の増加の足かせとなったりすると、個人的には考えています。どの様に考えれば、収益が大幅に上がるシナリオが描けるのか、私には判りません。私も、5年10年と言った長期的な視点で見れば、ファイナンス・セクターの株はバリュエーション的に魅力的な水準だとは思いますが、短中期的に大幅な株価上昇を支える程、収益が得られるのか懐疑的です。
マクロのトレンドとして自分の見方は異なりますが、先週の市場の動きやBarron'sの記事、債券市場の動き等を見ると、少なくとも短期的には、買いのトレンドが強くなる可能性は高くなってきている様です。
来週以降、市場がどう動くのか注目です。やはり、FOMCが鍵を握るのでしょうか?