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5月19日の米国市場 

19-May-2008.png

主要インデックスの終値

DOW: 13028.16 +41.36 (+0.32%)
Nasdaq: 2516.09 -12.76 (-0.50%)
S&P500: 1426.63 +1.28 (+0.09%)

本日の主なニュース

Conference Boardが発表した4月の米国景気の先行き指標(The US leading Economic index)は、0.1%上昇しました。これで5ヶ月下落から、反転し2ヶ月続けての上昇となりました。Economistの予想は0.1%の下落で、予想よりも良い結果でした。この数値から、米国景気はリセッションを回避できるかもしれない、との見方も出てきている様です。(添付記事参照)尚、全ての指数が良い訳ではなく、今後の幾重に関しては依然として不透明な部分、不安要因は少なからずあります。
U.S. LEADING ECONOMIC INDICATORS - Conference Board news release
Index: Weak economy may dodge a recession (関連記事)

San Disk CEO Eli Harari氏がBostonで行われているJPMorgan technology conferenceにおいて、原油価格の高騰が消費者の支出に影響を与えるだろうと語り、今後の先行きに対して慎重な姿勢を示したことが報道されています。このカンファレンスで、メモリーの価格が落ち着きつつあるものの、供給が依然として需要を上回っている状況が続いていることを示唆しました。この報道から、Sandiskの株価は急激に下落し、本日7.46%の下落で終了しています。
SanDisk CEO sees oil weigh on discretionary spending

MicrosoftがYahooに対して、買収ではなく、出資を含む技術提携等の代替え案を提案していることを明らかにしました。一つ前のエントリーでMicrosoftの声明等を取り上げています。尚、その後の報道では、Yahooのサーチの事業を買い取るとの噂も出てきている様です。
Microsoft plan on Yahoo involves buying search: source

AIGが200億ドルの資金調達を行なう見込みであることを発表しました。先週金曜日の時点で既に135億ドルを調達しており、最終的には約200億ドルに達する見込みであるとのことです。先月の決算発表の際には、125億ドルを調達する計画としていましたが、今回の発表で前回示した予定額よりもはるかに大きい資金調達を行うこととなった様です。
AIG to raise roughly $20 billion in capital

主なセクター・株の動き

(ファイナンス)日中は上昇しているところが多かったのですが、最終的にはほとんどが下落して終了しています。ただし変動幅はそれ程大きくありません。

(住宅)  下落しているところが多いです。

(小売り)下落しているところが多いですが、Targetは若干の上昇となっています。

(テクノロジー)日中は上昇しているところが多かったのですが、最終的には下落したところが多いです。一方、Barron’sのトップ記事となったOracleは上昇、TIもアナリストのアップグレードから上昇となっています。

まとめ・コメント

本日の午前中は、上に書いた発表されたConference Boardの指標が予想よりも良く、「思った程景気は悪くないのではないか」との最近強まっている見方を支持する様な結果だったこと等から、上昇して始まりました。上に添付したチャートにもある様に、2時少し前までは順調に上昇していました。

2番目に取り上げたSan DiskのCEOの発言のニュースが2時頃に発表になり、その事が切っ掛けとなった様で、テクノロジーを筆頭に下落基調に転換しました。好決算を発表する企業も多いこと等から、景気の影響をそれ程受けずに済みそうだとの見方が強まっていたことが、 ここ最近テクノロジーの上昇基調の背景の一つとしてあったと考えています。それが、このSan Diskの見方で、テクノロジーもやはり、オイル高等の影響を受けることは免れないとの、悲観的な見方と、短期的な利益確定の動きが今日の下落の理由の様に思います。

San Diskの場合、事業がメモリー(とそれを使用した派生製品(e.g. MP3 Player等))に特化しており、メモリーの市場は今の時点でも価格が厳しい状況が続いているので、全体の話とは別だと個人的には考えているのですが、投資業界の見方と反応は(少なくとも今日の株価を見る限り)私の考えとは異なる様です。

日曜日にMicrosoftがYahooに対する新たな提案を行う声明を発表し、本日メディアで大きく取り上げられています。今回の声明によって、再び買収の可能性が高まったとの見方、期待がある様ですが、まだ時期尚早の観があります。上に添付していますが、今日の市場終了後の記事でサーチの事業を買い取るとの見方がありますが、これはMicrosoftの考えを推測すると十分考えられる話だと思います。提案撤退発表後、Icahn氏の動きが活発になっている中で、仮にYahooが買収の再交渉をしよう、と言ってきた場合に対する釘を事前に打っておくといった考えが背景にある気がします。

AIGの予定よりもはるかに大きい200億ドルの巨額の資金調達の発表は、今後、更に損失が大きくなることに備えたものとも考えられ、先行きに対する様注意材料とも受け取れるかと思います。この発表がある前の本日の朝のニュースで、バフェット氏がクレジット・クランチによる影響は、まだこれからであるとの発言をしたことが報道されています。この発言の詳細はまだ入手していませんが(以下に関連記事のリンクを添付します)、恐らく以前からバフェットさんが言っていることとあまり変わりはないと思っています。
No end in sight to market woes say Trichet, Buffett

景気の先行きに対しては、楽観的な見方が再び強まってきていますが、原油価格は本日も上昇、AIGの巨額の資金調達等のニュースからも、先行きに関しては依然として予断を許せる状況ではないと思います。


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