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5月20日の米国市場 

20-May-2008.png

主要インデックスの終値

DOW: 12828.68 -199.48 (-1.53%)
Nasdaq: 2492.26 -23.83 (-0.95%)
S&P500: 1413.40 -13.23 (-0.93%)

本日の主なニュース

(市場全般)

労働省が発表した4月のPPI(Producer Price Index)は、季節要因を考慮して0.2%の上昇となりました。今回の上昇は、1.1%上昇した3月と0.3%の上昇となった2月に続くものです。食料品と燃料費を除いたコアPPIは、0.4%の上昇でした。PPIの伸びはアナリストの予想よりも低かったものの、コアPPIはアナリストの予想を上回る上昇でした。
労働省ニュースリリース

原油価格は本日も上昇となり、最高値を更新して1バレル$129を上回って終了しています。
Oil settles above $129 for first time

(企業決算関連)

住宅関連用品の小売り最大手のホームデポの四半期の決算は、EPS41セントでアナリストの予想37セントを上回りました。しかし、既存店の売り上げは6.5%減となっており内容が悪く、また、今後の見通しに関しても、見込みの範囲の下の方になることを予想していることを明らかにしたことなどから、株価は本日5%を上回る下落となりました。Home Depot shares falls on cautious 2008 outlook

全米日用品小売りの大手Targetの第1四半期の結果は、8%の減益となる6億200万ドルの利益、EPS74セントでした。アナリストの予想は、EPS71セントで予想よりも良い結果でした。既存店の販売は、0.7%の減少でした。 Target CEOのScovanner氏は今後の見通しは、08年全体としてはアナリストの予想の範囲にあるとしたものの、第2四半期に対してはアナリスト予想の中央値EPS79セントより、ある程度弱いとコメントしました。Targetの株価は本日1.15%下落しました。
Target 1Q profit drops, cites higher costs

市場終了後に発表されたHPの経理上の第2四半期は、利益が20億6000万ドル、EPS80セントでした。昨年同期に比べ16%の増益でした。海外での事業が好調だったことが好決算の主な要因とのことです。尚、HPは先週のEDS買収の際、第2四半期の結果の概要を既に明らかにしていたので、今回の発表で特に目新しい点等はなかった様です。今後の見通しに関しても先週明らかにした数値を堅持しているとのことです。株価も発表後のアフターアワーズのこのエントリーを書いている時点では、微減でほとんど代わりはありません。
HP's 2Q profit up on strong demand outside US

主なセクター・株の動き

(ファイナンス)ほとんどが下落しています。下落で目立ったのは、JP Morgan Chaseで4.98%の下落でした。

(住宅)  ほとんどが下落しました。

(小売り)ほとんどが下落しています。。

(テクノロジー)下落している方が圧倒的に多い様に思われますが、その中で、事業が順調なApple, Google, RIMMは上昇でした。下落で目立ったのは、Microsoft 2.38%, Intel 3.18%, NVidia 2.59%, Broadcom 5.58%, EMC 3.84%等です。

まとめ・コメント

高騰し続ける原油価格から再びインフレの懸念が強まってきている様です。本日発表された小売り関係の大手企業の決算は、減益ではありますがアナリストの予想よりも良い結果でした。しかし、記録的な原油高からガソリン価格が今後さらに上昇することがほぼ確実で、これによる消費者の影響に対しての不安が再び高まってきています。

原油価格の高騰は先週から今週にかけて顕著で、ガソリン価格も上昇していると、連日報道されていたにもかかわらず、突然懸念が高まった様です。ただ、株式市場全体がかなり戻してきているので、調整的な動きとも考えられなくもありません。

PPIに関しては、予想よりも低くかったものの、コアは予想よりも高く、結果をどう解釈するか見方が分かれるところだと思いますが、原油価格の大幅な上昇からネガティブに受け取った方が多かった様です。

テクノロジーは本日大きく下落するところが多くありました。これに関しては恐らく短期的な利益確定、あるいは今後の懸念からポジション解消といった調整的な動きが背景にある様に思います。市場終了後に発表されたHPの決算結果は、先週、既に明らかになっていた通りなので殆ど材料視はされていない模様です。

個人的には、HPの好決算と今後に対しても楽観的な見通しを堅持していることは、HPだけでなく、他の優良なテクノロジー企業全体にも言えることだと思うのですが、少なくとも今日の市場の反応はその様には動いていません。

昨日当初の予定を大幅に上回る資金調達を発表したAIGは2.13%の下落で、それ程大きく懸念する見方はなかった様です。ファイナンス・セクターは本日は下落していますが、それ程でもありません。ちょっと気になったのはJPMorganが目立って下落していたことです。JPMorganはTargetのクレジット・カード事業を買収することになっているので、それが悪材料となったのかもしれません。クレジット・カード関連の株は本日は5%前後下落しているところがありました。

明日は、4月30日のFOMCの議事録の発表が予定されており、また、いくつかの小売り関係の企業の決算発表が予定されています。本日の下落が一時的な調整なのか、それとも、再びセンチメントが悪化していくのかが、短期的には注目です。中長期的には、やはりインフレの問題・懸念が高まることはほぼ間違えなく、また、消費者の動向が景気に与える影響が高まり深刻な問題となるのではと考えています。

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