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5月21日の米国市場 

21-May-2008.png

主要インデックスの終値

DOW: 12601.19 -227.49 (-1.77%)
Nasdaq: 2448.27 -43.99 (-1.77%)
S&P500: 1390.71 -22.69 (-1.61%)

本日の主なニュース

(市場全般)

急上昇している原油価格は、今日さらに上昇し$130をあっさりと上回ってしまいました。原油の7月の供給分のNew York Mercantile Exchangeでの取り引きの終値は、$4.19上昇し$133.17で終了しています。本日の上昇の主な要因は、Energy Departmentが発表した原油の貯蓄量(在庫)が、先週に比べ500万バレル以上も減ったと発表したことです。アナリストは、若干の上昇を予測していました。添付の記事は現在のオイルの市場の状況を非常に良くまとめて解説しています。是非ご覧になってみて下さい。
Oil prices pass $133 after report of supply drop

4月のFOMCの議事録が発表されました。FF金利の引き下げはこれで終わりとし、当面引き下げを行う予定はない姿勢であることを示唆した(most members viewed the decision to reduce interest rates at this meeting as a close call.)表現があることが、大きな注目点です。また、今後の見通しに関しては、08年のGDPの伸びの予想を引き下げる一方で、失業率、物価指数に関しては予想を引き上げています。
2008年4月29-30日のFOMC議事録
Fed lowers growth forecast, raises inflation view

米国航空業最大手のAmerican Airlinesが、燃料費の高騰と米国経済の低迷から、航空機の削減、数千人の人員削減、預け荷物に対する課金等の大規模なリストラクチャリングを行う計画であることを明らかにしました。AMRの株価は本日24.15%の大幅な下落となりました。
American Airlines to slash jobs, charge for bags

(企業決算関連)

婦人服販売のTalbotsの第1四半期の結果は、予想よりも良かったことから、株価は本日5.91%上昇しました。
Talbots operating earnings top view, shares jumpb

市場終了後にNordsonが4月31日締めの決算上の第2四半期の結果を発表しました。結果は、アナリストの予想を上回るEPS97セント、59%の増益でした。株価は本日1.74%の下落でしたが、発表後のアフターアワーズでは、10%近い上昇となっています。
Nordsonニュースリリース

主なセクター・株の動き

(ファイナンス)ほとんどが下落しています。下落で目立ったのは、Lehman Brothersで5.81%の下落でした。

(住宅)  ほとんどがそれなりに大きく(5%程度)下落しました。下落で目立ったのは、Meritage Homes 7.99%, Lennar 7.43%, DR Horton 6.22%等です。

(小売り)ほとんどが下落しています。大きく下がったのは、Kohlsで4.72%の下落でしたが、アフターアワーズでは、下落分以上に上昇しています。。

(テクノロジー)下落している方が圧倒的に多い様です。今日は、昨日多くの企業が下がる中上昇していた優良企業、Google 4.94%, Apple 4.15%, RIMM 4.12%が大きく下がっているのが印象的でした。

まとめ・コメント

大きく下落した昨日に続き本日も、朝発表となった原油の貯蔵量が予想の上昇に対して、減少となったことを切っ掛けに原油価格がさらに大きく上昇しました。市場は朝の段階では下落基調だったものの、昼を挟んで戻し、FOMCの議事録発表を待つ雰囲気でした。

発表されたFOMCの議事録は、上にも少し書いた通り金利の引き下げはこれで当面しない方針であることを明確に示唆する内容でした。これに加え、GDPのフォーキャストを引き下げる一方で失業率、インフレの上昇予測を引き上げる等、今後の米国景気の先行きに対して悪化する見込みとインフレに対する懸念が高まってきていることを示していました。

FOMCが行われた時から比べ、更に大きく上がってきている原油価格の現状を考えると、今日のFOMCの議事録は昨日から高まっているインフレ懸念をだめ押しする様な内容だったと思います。また、現在の原油価格やコモディティ価格を考えた場合、 状況が大きく変わらない限り、今後のさらなる金利の引き下げの可能性は非常に低いことが予想されます。

FOMCの議事録を読みましたが、この中でも金利引き下げによりドル安を誘発し、それがインフレ懸念となるリスクについて述べており、ここ最近の状況はまさにこのリスクが現実となってきていることを示していると思います。現在の市場の状況、原油その他の価格の状況を考えると、昨日に続いて今日の大きな下落はいたしかたない印象を受けました。

また、再びファイナンス・セクターの株に対して空売りする動きが加速してきている様です。
Short Stocks: Bets build against financials

株式市場はここのところ、比較的落ち着きつつありましたが、これで再び投機的な動きも活発になって、変動も激しくなりそうな気がします。

American Airlineのニュースを上に取り上げましたが、航空機業界は燃料費の高騰と米国景気のスローダウンの影響をもろに受けつつある様です。本日、AMRの株価が大幅に下落しましたが、航空機業界全体は当面はかなり厳しい状況となることは免れそうもありません。

一方で、Nordsonの予想を上回る好決算は、関連する製造業も堅調な状況であることを間接的に物語ってていると思います。昨日のHP決算結果や今後の見通しを始めとして堅調なテクノロジーセクター等、セクターによって今後の事業動向はかなり差が出てくるのではと思っています。

短期的には、原油価格の動向が市場に与える影響が更に強くなってきていると思います。

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