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6月10日の米国市場 

10-June-2008.png

主要インデックスの終値

DOW: 12289.76 +9.44 (+0.08%)
Nasdaq: 2448.94 -10.52 (-0.43%)
S&P500: 1358.44 =3.32 (-0.24%)

本日の主なニュース

本日の原油価格は、朝は上昇して始まったものの、その後下落に転じ本日のNew York Mercantile Exchangeでの7月供給の終値は$3.04下落し$131.31で終了しています。ドルがユーロに対して上昇してこと、Energy DepartmentとIEAが、2008年原油の需要のフォーキャストを引下げたことが、今日の下落の主な要因の様です。ただし、IEA(International Energy Agency)は、中国の5月の震災の復興の需要等があるため、今年の中国の原油の需要が5.5%上昇することを予想しています。
IEAニュースリリース
Oil falls on strong dollar, demand forecasts

昨晩、Federal Reserve Bank of Bostonのアニュアル・エコノミック・カンファレンスで、Fedのバーナンキ議長がスピーチを行いました。このスピーチの中で、インフレに対する警戒を強調しました。Fedの金利の更なる引き下げはなく、今後は引き上げを行っていく方向に転換していくとの認識が強まってきています。これを受け、本日ドルは大きく上昇しました。
Outstanding Issues in the Analysis of Inflation
Chairman Ben S. Bernanke

上記声明を読んでも、Fedが今後インフレ抑制に対しての強い姿勢を明らかにした一方、金利引き上げを明確にしてはいません。実際に金利は上げずに何とか、ドル高にもっていくことで、原油価格やインフレを抑えたいと言うのが、 Fedの本音の様に思います。と、考えていたら、似た見方のCNBCの記事を見つけました。以下にCNBCの記事を添付します。
Fed Is Hoping to Talk Down Inflation, Not Boost Rates

PepsiCoが2008年の収益見込みを従来の予想を堅持する発表を行いました。株価は本日、3.38%上昇しました。
PepsiCo shares rise ahead of guidance reiteration

主なセクター・株の動き

(ファイナンス)上昇と下落に分かれています。大きく上昇したのは、WaMu 6.88%, Wachovia 4.61%等です。Lehmanは、今日も6.72%の大幅な下落となりました。

(住宅)  主要なところは全て上昇しています。上昇で目立ったのは、Toll Brothers 4.71%増でした。

(小売り)上昇しているところが多い様に思えます。

(テクノロジー) 下落しているところが多いです。特に下落で目立ったのは、TI 2.90%, Broadcom 4.22%, Marvell 5.18%, Rambus 4.92%下落でした。一方、Appleは, 2.22%の上昇でした。

まとめ・コメント

本日は、朝は原油価格が上昇して始まったこと等から、下落して始まりましたが、その後は上昇に転じ昨日とあまり変わらないレベルで終了しました。全体としては、あまり大きな変動はありませんでしたが、個別の株では大きな下落、上昇するところも目につきました。今週に入ってからブルーチップを買う動きが再び顕著になってきました。やはり、インフレやその他今後の市場の不安要因も少なからずあるので、安心して買える大手の優良企業に買いが集まってきている様です。昨日のMcDonald’sの5月の順調な販売状況、本日のPepsicoの収益見込み堅持、Deutsche BankがCoca-Colaのレーティングをアップグレードし大きく上昇する等、国際優良企業関連で明るいニュースが報道されたことが、Dowの上昇に寄与している様です。

バーナンキ議長の昨晩のスピーチでの、Fedがインフレに対して注意を払っていることが大きく報道され、本日は大幅なドル高となりました。また、ドル高が原油価格を引下げることに大きく貢献した様です。ただ、上にも少し書きましたが、Fedは、インフレ懸念に対して強調することで、実際には金利を上げずに何とか、ドル安やインフレを抑えたいと言うのが本音の気がします。個人的には、これは短期的には効果があっても、中長期的には効果が薄く、今の状況だと遅かれ早かれ金利を上げざる終えなくなってくると思います。

次回FOMCは、6月24日と25日が予定されていますが、ここでは恐らく据え置き(もちろんその時の市場の状況によると思います。)となると言うのが大方の予想だと思います。 ECBに関しては、来月金利を引き上げる可能性を示唆しており、実際に金利を引き上げた場合、再びドル安、原油高、と言った状況になってしまうのでは、と思っています。それも考慮してなのか、 原油価格はMorgan Stanleyは、7月4日までに、Goldmanは8月には$150に達する可能性があるとの見方を示しています。

この原油の高騰によるインフレの影響は今後高まってくることは、ほぼ確実だと思います。ドル高となるのかドル安となるのかが、原油の価格に与える影響が現在強まってきています。Fedは非常に難しい舵取りが求められていると思います。Lehmanは既に四半期の結果の概要を明らかにしていますが、GoldmanとMorgan Stanleyの結果がどうなのかについても、大きな焦点になってくると思います。今までは、Fedがどの位金利を引下げるのかに注目が集まってきましたが、今度は、Fedがいつ金利を引き上げるのかに注目が移っていきそうです。


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