この前のエントリーに追記で書こうと当初は思ったのですが、それなりに長くなりそうなので、別のエントリーとして投稿します。
まずは、この件に関して、私が目にした一般的なメディアのヘッドラインとリンクを以下に記します。
Berkshire has worst year, Buffett still optimisticBerkshire net sinks; Buffett says economy in shambles私の愛読するブログでの関連記事も以下に添付します。
Buffett: Our Worst Year Ever(
The Big Picture)
Buffett's Letter to Shareholders
(
Calculated RISK)
(冒頭のセクションを読んだ)私の感想バファットさん自身が語っている様に、2008年のバークシャーのパフォーマンスは彼が経営してきた過去44年間で最悪となりました。ただし、下落の幅は、S&Pの37%に対して、9.6%と相対的にはかなり低い下落率です。また、毎年恒例の最初のページのバークシャーとS&Pのパフォーマンスを示したテーブルを見ると分かりますが、バークシャーの純資産・簿価(Book Value)が前年に比べて減ったのは、44年で昨年を含めて2回しかありません。バークシャーの過去のパフォーマンスの実績が如何に高いかを示していると思います。
冒頭のセクションで、バフェットさんはS&Pの過去44年の内、75%が上昇の年でこの先の全体の市場の年で見た場合の上昇と下落の比率は似た様になるだろうと語っています。これは、バフェットさんは、米国の株式市場の今後に対してそれ程悲観的に見ていない事を示しています。実際、彼は長期的には米国は大丈夫だろうと本セクションでも書いています。尚、バークシャーの場合は、過去95%以上が上昇の年です。
つまり、バフェット氏としてはこの先の株式市場に対しても長期的な視点では大きな変化はないと考えていることを示しています。
個人的に非常に興味を持ったのはセクションの最後のくだりで、2009年の経済はかなり酷いものとなり、恐らく当分の間はその状態が続くだろう、と語った上で、だからと言ってそれは株式市場の先行きもそうなるとは限らないと言っているところです。以下原文を引用します。必要に応じて、前エントリーの訳を参照して下さい。
Take a look again at the 44-year table on page 2. In 75% of those years, the S&P stocks recorded again. I would guess that a roughly similar percentage of years will be positive in the next 44. But neither Charlie Munger, my partner in running Berkshire, nor I can predict the winning and losing years in advance. (In our usual opinionated view, we don’t think anyone else can either.) We’re certain, for example, that the economy will be in shambles throughout 2009 – and, for that matter, probably well beyond –
but that conclusion does not tell us whether the stock market will rise or fall.2009年は経済の状況は悲惨となることは確実だ。しかし、だからと言って株式市場もそうなるとは限らない。と語っています。つまり、上昇する可能性もあることを示しています。まあ、例によって自分も誰も将来を予知する事はできない、としっかりと釘を刺した上でのことですが、、、と言う訳で、上昇するだろうと言っている訳でもありません。
どうしても経済の状況、先行きを考えると悲観的な見方になってしまいますが、株式市場の動向がそうなると決まったわけではない、と言う事を頭に入れておくのは、自分としては参考になりました。個人的には、依然として、アメリカの投資家達は少なからずかなり楽観的に考えている人達も多い様に思うので、市場のセンチメント、トレンドがどっちへ向くのかは本当に分からないと思います。
バフェットさんの話は、昔から、やることも言う事も常に首尾一貫しているので、特に目新しい話はこのセクションにもありませんでしたが、それでも自分としては参考になりました。