ヤードスティック(Yardsticks: ものさし、尺度、基準)バークシャーは、価値基準として二つの大きな分野を持っています。一つは、我々の投資:株式、債券、そして現金に相当するものです。年末の時点で、それらの総額は、1220億ドル(我々のファイナンスとユーティリティの事業が所有する投資を含みません。それらは、次の価値の器の方に割り当てています。)その総額のうち約585億ドルは、我々の保険のフロートによって資金提供されています。
バークシャーの二つ目の価値の構成部分は、投資と保険以外の事業から得られる収入です。これらの収入(収益)は、96ページに項目別に掲載されている、我々の67の非保険(保険以外)の会社からもたらされるものです。我々は、この計算において、 保険での収入を除外しています。 なぜかと言うと、我々の保険事業の価値は、投資可能なファンド(注:フロートの事を意味しています。)が生み出すもので、我々はこの部分を最初の器(バケツ)に含めているためです。
2008年、我々の投資は、バークシャーの一株当たり90,343ドル(小額の利息を引いた後の)から7793ドルに減少しました。減少は、市場価格の下落によるもので、純粋な証券または債券の売却額ではありません。我々の第二の分野の価値は、税引き前の収入で一株当たり4093ドルから3921ドル(こちらも小額の利息を引いたもの)に減少しました。
これらの成績(パフォーマンス)は、両方とも満足できるものではありません。この先長い期間において、バークシャーの本質的な価値(intrinsic value)を容認(納得)できるペースで上昇させるためには、それぞれの分野で十分な(それなりの)利益を得る必要があります。今後に向けても、これまでの何十年間そうであった様に、我々は収益の分野に注力して行きます。我々は、実際の価値以下の値をつけた証券を買いたいです、しかし、適正な価格付けがされた事業(会社)をそれ以上にもっと買いたいです。
(注:バークシャーの投資戦略は、株式等を売買する事よりも、会社等を事業買収したりすることに注力しています。バフェットさんは、ここで改めて、このバークシャーの指針を示していると思います。)
それでは、バークシャーの大きな運営事業部門について見てみましょう。これらのそれぞれは、非常に大きく異なるバランスシートと収益性向を持っています。そのため、通常の決算書のように、それらを全て取りまとめて(一括して)しまうと、分析の妨げとなります。それでは、チャーリーと私が見ているのと同じ様に、4つの異なるビジネスとして、お話し致します。
原文:
Warren Buffett's Letters to Berkshire Shareholders, 2008終わりにバフェットさんがおっしゃっている様に、次のセクションから具体的な事業の結果の話になります。個人的には、注釈を少し入れた部分の、「安い株の購入よりも適正価格の事業を多く買いたい」というところがバークシャーの戦略、取り組み方として明確に示していると思います。
また、この先で詳しく財務状況を話して行きますが、バフェットさんが個々の事業を十分に理解し、分析している事が良くわかります。
尚、ご参考までですが、昨年のヤードスティックの部分と見比べてみるのも、おもしろいと思います。
バフェットからの手紙 (2)- 2007年版 上に書いた、バークシャーの戦略、方向性についてももう少し詳しく書いています。軽く述べる程度ですが、結構、意味深いと思います。