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バフェットからの手紙 (4) - 2008年版  

(日本時間3月7日午後3時前に、後半部分(************)を追加しています。)

Regulated Utility Business (規制ユーティリティ事業)

(注:ここでの、ユーティリティは、日々の生活を営む上で密接な関わりがある電気、水道、ガス、電話等を意味します。ユーティリティの事業は、通常、私企業が行いますが、公共性が高いため、様々な法律面での規制があります。そのため、’regulated’を使っていると認識しています。尚、一般的に、規制されていない場合、特にそれを強調する場合は、unregulatedを使用します。)

バークシャは、広範に渡る様々なユーティリティ事業を所有するMidAmerican Energy Holdingsの87.4%(希薄後)を保有しています。保有するユーティリティ事業で、最も大きなものは、(1) イギリスで3番目に大きい電気の供給業者で、380万のエンドユーザーを抱えるYorkshire Electricity and Northern Electric; (2) アイオワ州を主に72万3千の顧客に電気を供給するMidAmerican Energy; (3) 西部6州で170万の顧客に電気を供給するPacific Power and Rocky Mountain Power; (4) 全米で消費される天然ガスの約9%を運ぶ(取り扱う)Kern River and Northern Natural pipelinesです。

我々のMidAmericanの保有のパートナーは、二人の素晴らしい経営者達Dave SokolとGreg Abel、そして私の昔からの友人のWalter Scottです。どちらのパーティーがいくつの議決権を持つかは重要なことではありません。我々が大きな行動(決断)を取るときは、全員がそのことが賢明であると考えた場合のみです。Dave, GregそしてWalterと一緒に仕事をした9年間は、バークシャーはこれ以上良いパートナーをえることはできない、と言う私の元々の信念をさらに強めることとなっています。

ちょっと不釣り合いな(つじつまが合わない)事なのですが、MidAmericanは、全米で第2位の不動産会社を所有しています。この会社は、16000人のエージェントを抱え21の地域のブランド名の会社で運営されています。昨年は、住宅販売にとって酷い年でした。そして、2009年もとても良くなる様には思えません。しかし、我々は質の高い仲介事業(社)が適切な価格で提供されるのであれば、引き続き買収をしていきます。

MidAmericanの事業の主な数字は以下の通りです。

2009-brk-table1.png

MidAmericanの規制電気事業と天然ガスパイプラインの事業結果は本当に素晴らしいものです。そのことについて少し補足の説明を致します。

我々の二つのパイプライン、Kern RiverとNorthern Naturalは、両方とも2002年に買収しました。Mastioと言う名の会社が、パイプラインの顧客の満足度のランキングを定期的に行っています。我々が買収した時、レーティングがつけられている44の内、Kern Riverは第9位、Northern Naturalは39位でした。それらは、改善の余地がありました。

Mastioの2009年の報告書で、Ken Riverは第1位、そしてNorthern Naturalは第3位でした。この成績結果に、チャーリと私はこれ以上誇りに思う事はできない位、うれしく思っています。それぞれの事業で働く何百の人々が新しい企業文化に取り組み、そして、彼らの公約を達成した賜物です。

電気事業の成果も同様に素晴らしい結果を達成しています。1995年に、MidAmericanは、アイオワ州において主要な電気供給者となりました。節度のある計画と効率化への熱意により、会社は我々が買収して以来、一度も電気の価格を値上げしていません。そして、現在の価格を2013年まで維持すると公約しています。

MidAmericanは、風力発電の供給能力の割合を全米第1位にしながら、この卓越した価格の安定を維持しています。我々の買収後、MidAmericanの風力発電の施設は、0から全体の発電量のおよそ20%にまで伸びてきています。

同様に、2006年にPacifiCorpを買収した時、我々は積極的に風力発電の拡大を進めました。風力発電量は、当時、3300万ワット(33 megawatts)でした。それが、今は7億9400万(794)です。これからもっと増えます。(PacifiCorpを買収し、我々は異なる意味での“風”をひきおこしました。その会社は、98の委員会があり、頻繁に会議をしていました。今は、それが28です。その間に(無駄を省いて)、我々は、2%少ない従業員数で、更に多くの電力を発電し、供給しています。)

2008年単独で、MidAmericanは、二つの事業所(施設)に対して、18億ドルを風力発電に設備投資しました。そして、今日、会社は規制ユーティリティの風力発電量で、全米で第1位です。ところで、(風力発電のために費やした)18億ドルとPacifiCorp(テーブルで”Western”(西部)で表示)とアイオワの税引き前収入11億ドルを比べて下さい。我々のユーティリティ事業において、我々の供給地域での需要・ニーズを満たすために、我々は、収入を全て使っています。そして、さらに(風力発電供給量を上げるため)投資し(費やし)ています。実は、MidAmericanは2000年初めにバークシャーが買収して以来、配当を支払っていません。配当はせずに収入は、我々の顧客が求め、満足するユーティリティのシステムを開発するために再投資しています。それと引き換えに、我々は巨額の投資に対して適正なリターンを得ることができています。これは、全ての観点で、素晴らしいパートナーシップだと思います。

************

我々の随分前から公言しているゴールは、特に家族により立ち上げられ、所有されている事業の”買収者(側)の選択肢“となる事です。この目的を達成する方法は、そのことに対してふさわしくなることです。これは、我々は約束を必ず守る;レバレッジを重ねて事業を買収する様な事を避ける;並外れた自治権(独自で判断する)を我々の事業経営者(マネージャー)に与える;そして、厚く、薄く買収した企業を保持する事(けれども、我々としては、厚く更に厚い事を好みます。注:所有の比率の事を指していると思います。買収(保有)の比率が高くなることを望むとの意味だと思います。)を意味します。

我々の実績は、我々が言ってきた事と一致しています。(我々は、言ってきた事を実行しています。)しかしながら、我々と競合するほとんどの買収者・企業は異なる道を選択しています。彼らにとって、買収は“商品を売買する事”なのです。彼らの売買契約書のインクが乾く前に、これらの業者は、この先の“エグジット・ストラテジー(出口戦略)”を考えています。そのため、自分達の事業の将来を本当に気にかけている売却者に対しては、我々は決定的なアドバンテージを持っています。

(注:このバークシャーの買収戦略、企業買収に対しても長期保有が決定的な大前提。と言うのは、非常に特徴的です。バフェットさんが述べている様に、これは、通常の企業買収、特にプライベート・エクイティによるものとは、決定的に異なります。)

数年前にさかのぼると、我々の競合は、“レバレッジ・バイアウト業者”として知られていました。(注:確かに数年前までは、LBOと言うことばは非常に一般的でした。)しかし、LBOは悪い名前となってしまいました。そこで、オーウェル流に(注:Orwellian fashion: George Orwell, イギリスの小説家。彼の作品は、自身の社会の不正義に対する懸念が特徴。「動物農場」と「1984年」が代表作品)、買収企業は彼らの名を変える事にしました。しかし、彼らが変更しなかった事は、高額な手数料体系とレバラッジを好む以前からの本質的な業務形態でした。

彼らの新しいラベル(名札)は、”プライベート・エクイティ“となりました。その名は実際には、上と下が逆転しています(注:エクイティ・プライベートで、エクイティを私物化してしまう。と言った意味のバフェットさんらしい皮肉の喩えです。);これらの企業による事業・会社の買収は、ほとんど常に、以前存在していたものと比較して、取得先(買収される側)の資本構造の価値の部分において劇的な削減を招く結果となります。わずか2年か3年前に買収された多くのこれらの買収された企業は、現在、プライベート・エクイティ買収者による彼ら(買収された側)への積み上げられた借金のため、致死的な危険に立たされています。ほとんどの銀行からの借金(債券)は、1ドル当たり70セントを下回る価格で売られています。そして、彼らの通常の負債は、さらに大幅に買いたたかれています。特筆すべき事として、プライベート・エクイティの企業は、彼らの買収した企業が大至急必要だと必死になって求めている資本注入に対して急いでいません。それどころか、彼らは彼らの残っているファンドを自分たちだけのために持ち続けています。(注:一般的に分かりやすい例としては、Chryslerを買収したCerberus Capitalだと思います。まあ、これはある意味極端な例だと思いますが、、、)

規制ユーティリティの市場では、家族経営(所有)の事業はありません。ですから、バークシャーは、規制者(行政)にとっての”買収者(側)の選択肢“となることを望んでいます。取り引きが提案された場合に、買収側のフィットネス(適格、適合性)を判断するのは、売られる株主ではなく、彼ら(規制者・行政)です。

これらの規制者を前にして、過去を隠す事はありません(できません。必要はありません)。彼らは、相応の資本を提供する意思を含め、全ての点でどの様に振る舞っている(行動・運営している)のか、運営する別の州の相方に対して電話をして聞く–する-ことができるのです。

2005年にMidAmericanがPacifiCorpの買収を提案した時、新しい6つの州の行政は、我々がどの様にサービスを提供するのか、直ちにアイオワ州の記録を調べました。彼らは、同様に我々の資金計画と能力についても注意深く評価を行いました。我々は、ちょうど将来の案件に受かる事を予期しているのと同様に、この試験に合格しました。

我々の自信には二つの理由があります。第一に、Dave SokolとGreg Abelは、彼らが関わる事業(ビジネス)に対してファースト・クラスの仕方で経営を行います。彼らは、それ以外の運営の方法を知りません。そして、我々はもっと規制ユーティリティを将来買いたいと望んでいる事、それ以上に(それはおいておいたとしても)、我々は、今日運営を行っている場所の所轄における我々のビジネスの振る舞いが、明日の新しい管轄地域から、我々がどの様に歓迎されるのかが決まる事を存じております。




原文:Warren Buffett's Letters to Berkshire Shareholders, 2008

これで、ユーティリティ事業の話は終了です。次の事業のセクションへと話は続きます。

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